【時間が足りない人必見】共通テスト数学で9割とるための勉強法・対策(時間短縮法)

はじめに

共通テストの一番の難点、それは「時間」ですよね。

多くの人が解き切ることができなくて悩んでいると思います。

そこで今回は、共通テスト数学で9割を得点するための勉強法・対策法を紹介します。

目次

共通テスト数学の特徴

具体的な勉強法・対策法に入る前に、まずは共通テスト数学の特徴について解説します
まず敵を知る、ということがとても大切です。

【共通テスト数学】前提知識

共通テスト数学は、数Ⅰ+Aの試験と数Ⅱ+Bの試験に大きく分別できます。

試験時間は数Ⅰ+Aが70分、数Ⅱ+Bが60分です。
配点はそれぞれ100点満点です(合わせて200点)。

また、配点ですが国語や英語と違って極端な配点はなく、全て1問1〜5点の間で配点されています。
大問は数Ⅰ+A、数Ⅱ+Bともに、多くの場合全部で5つです。

数Ⅰ+Aも数Ⅱ+Bは第1問、第2問が絶対解かねばならない問題、その後の3つ大問はいずれか好きなものを2つ選んで解答する形式でした。

この大問構成はこれからも変動しないものと思われます。

大問別の配点ですが、第1、2問が各30点、第3問以降が1つ20点となっています。

出題範囲は、教科書を万遍なく、といった内容になっています。

【共通テスト数学】出題される単元

共通テスト数学で出題される単元はあらかた決まっており、対策は可能です。

大まかに分けると共通テスト数学の出題単元は以下のようになっています。

数Ⅰ+A
第1問(30点満点)・・・数と式、集合と命題、二次関数
第2問(30点満点)・・・図形と計量、データの分析
第3問(20点満点)・・・場合の数と確率
第4問(20点満点)・・・整数
第5問(20点満点)・・・平面図形
(第3問から第5問までは選択問題で、2つを選ぶ)

数Ⅱ+B
第1問(30点満点)・・・三角関数、指数・対数関数
第2問(30点満点)・・・微分・積分
第3問(20点満点)・・・数列
第4問(20点満点)・・・ベクトル
第5問(20点満点)・・・確率分布と統計的な推測
(第3問から第5問までは選択問題で、2つを選ぶ)

【共通テスト数学】解答形式は「マーク形式」

もちろん数学という教科であっても、共通テスト数学の解答形式はマーク式です。

つまり、例えば\(\displaystyle \frac{ 24 }{ 7 }\)が答えであれば、マーク式の解答用紙に1つずつ2、4、7とマークしていくことになります。

もちろん、2、4、7は順番にきちんと全てあっていて正解となるので、転記ミス、順番を間違えるマークミスには注意が必要です。

またマーク式なので、問題のはじめの方で間違えてしまうと、芋づる式に間違えていきます。

よって、共通テスト数学は問題のはじめの方から早く、正確に解く力が求められます。

【共通テスト数学】鬼門は何と言っても試験時間

共通テスト数学で何が難しいかといったら、それはもちろん問題も難しいかもしれません。

でも時間を無制限にしてくれたら、なんとか解き終わるかも!?という人はいませんか?

そうです、共通テスト数学の一番の難しさは試験時間との闘いです。
60分という時間が共通テスト数学の一番の鬼門と言えます。

実際に、共通テスト本番でも試験が終わってみると、受験生の中には大問の後半がノーマークだったりします。

そもそも、問題を最後まで解き終わることさえもテクニックが必要な試験なのです。

これには多くの現役東大生でさえ、受験期は共通テスト本番まで悩まされ続けたことでしょう。
共通テスト数学の9割の壁というのは、時間が足りないことにあるといっても過言ではありません。

この短い試験時間の対策については、後半で詳しく紹介しています。

共通テスト数学で9割取るための心構え

【9割取るための心構え①】共通テスト数学を侮るな!

これは、東大をはじめとした難関大学志望者にまず伝えたいことです。
「共通テストは二次試験の準備運動」などと思っている人はいませんか?

確かに、1問あたりの問題の難易度でいえば、二次試験の問題の方が難しいのかもしれません。
しかし、その「比較的易しい」と思っている問題たちを60分で解け、といわれれば話は別です。

そもそも共通テストと二次試験を同じ尺度で比較するのが間違っています。
二次試験は「時間はあげるから、この難問が解けるか?」という思考力を問う試験です。

一方で、共通テストは「時間が制限された中で、大量の問題を処理できるか?」といった問題処理能力を問う試験です。

緊張や焦りを覚えた状況下で解く共通テストの問題は、とても難しいことです。
特に、各大問の最後の問題は面倒な計算も非常に多く、半端な気持ちでは9割の得点などとても無理なことと言えます。

2次試験の勉強中心にするのは良いですが、共通テスト数学も対策を行わなければ高得点は狙えないということを必ず覚えておいてください。

【9割取るための心構え②】共通テスト数学の試験時間・形式に早いうちから慣れておく

形式や試験時間になれることに関しては、早すぎるということは絶対にありません。

11月から学校で共通テスト演習が始まるからそれまでは共通テスト数学はやらないという友人がいましたが、それでは共通テスト対策を始めるのが明らかに遅すぎます。

出題範囲と試験時間を知らずに試験を受けるよりも、それらを知っていて受けた方が点数が高いのは明らかです。
「形式を知っているか」、「どれくらいで解けば良いのかを知っているか」ということは大きな鍵を握ります。

是非、早いうちから60分の試験時間・形式に慣れることを常に意識して問題を解いてください。

【9割取るための心構え③】データの分析もしっかりと対策を

データの分析を代表に、共通テストだけで出題されるような単元は、ついつい放置しがちになります。
そういった放置している分野を本番間近に急いでやると、定着せずに思わぬ失点につながる不安要素になる可能性があります。

決して高3の11月からでも遅くないので、早めの対策を心がけましょう!

データの分析が不安な人はこちらの記事で確認してくださいね。

【試験直前に読む数学】共通テスト受験生必見の「データの分析」用語・公式まとめ

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【9割取るための心構え④】共通テスト数学の選択問題はどれもできるようになっておく

数Ⅰ+Aにおいて、例えば「整数」しか対策していないと、いざ「整数」でわからない問題が出た時に他の選択問題(例えば平面図形など)を解くという手段が使えません。
(「整数」が難化した一方、「平面図形」が易化する、といった年もありました。)

選択問題はくまなくできるように日頃から意識しておくと、万が一のときの失点を避けることができます。

短時間で共通テスト数学の点数を伸ばすための勉強法

【共通テスト数学の勉強法①】苦手分野は教科書レベルを見直す

模試で最初から歯が立たなかった分野は、教科書の章末問題レベルから解けていないことが多いです。

一旦青チャートなどの問題集で基礎問題を解いて、問題の中で習った分野がどのように応用されうるのかを確認してから、教科書の章末問題を解きましょう。

そうすると、すんなり解けるようになります。教科書の章末問題が解けるようになると、共通テストの問題では最後の問題以外はだいたい解けるようになるのです。

【共通テスト数学の勉強法②】得意分野は共通テスト(センター試験)の過去問、共通テスト模試の過去問で場数をこなす

共通テスト数学は出題パターンが決まっていることが多いです。
例えば、ベクトルの問題では内分に関わる問題が頻出です。

どのようなパターンの問題が出やすいのか実際に解いてみて、脳にインプットしましょう。

分量としては、河合や駿台などの共通テスト模試の過去問題集1冊を解くのがおすすめです。

最新の傾向に合わせた問題が収録されており、1冊につき共通テスト模試4〜5回分と、短期間でやりきることができるので、「パターンを把握するだけのためにちょっと解いてみる」のにちょうど良い分量だといえます。

また、過去問演習をする上で重要なのが、問題のやり直しです。
間違えた問題に付箋をつけ、どうして間違えたのか、正しい解法はどのようなものなのかをメモしておきましょう。
そうすれば、異なる年度の問題を解いた時に、同じようなミスをすることを防ぐことができます。

さらに、問題を解いてやり直しをしていくうちに、得意分野の中でも意外と忘れているところが見つかると思います。
その場合は苦手分野と同様に、問題集で解き方を確認して対処しましょう。

共通テスト数学でさらに高得点(9割以上)を目指すためのポイント・テクニック

【共通テスト数学のテクニック①】最後の難しい問題=ラスボスはとばして解く

解いているうちに分かるとは思いますが、共通テスト数学は時間との戦いです。
そのため、時間内に解ける問題を見極めるのが重要になってきます。

だいたいの場合、大問の最後には難易度の高い問題(ラスボス)が用意されています。

分量が明らかに多い共通テスト数学を、全てまともに解こうとすると、どんなに計算の速い人でも60分では解けないでしょう。

そこで、普段から時間を測って解き、時間のかかるラスボスをとばして、他の基礎的な問題の見直しに時間をかけるのが、戦略として考えられます。そうすれば、結果として高得点を狙うことができます。

【共通テスト数学のテクニック②】計算は、できるだけ紙に書かないで暗算でしてしまう

紙に計算を書いていると、どうしても計算スピードが、書く手のスピードに制限されてしまいますし、グラフや図を描くスペースを減らしてしまうことになります。

慣れないうちは確かに大変で、ミスもしやすくなるかもしれませんが、2週間毎日練習していれば、計算スピードは格段に早くなります。

そのために、「制限時間を短くする」ことはとても有効です。

最初は13分くらいからスタートして、試験直前では10分以内に解くことができるようになれば、本番で時間が不足することはまずありません。そのためには、いちいち計算を紙に書くのではなく、暗算が必須なのです。

【共通テスト数学のテクニック③】図・グラフはできる限りきれいに描く

図やグラフは、多少時間がかかったとしてもきれいに描くべきです。時間がかかったとしても、1分もかかりません。
特に、IAの第3問は、図をきれいに描けば答えがそこからわかってしまうような問題が多くあります。

ここで、図をきれいに描くための簡単なコツをお教えします。それは、「円をまず最初に描く」ことです。
三角形の外接円を描くときでも、円を描いてからその中に三角形を描けば、簡単にきれいな図を描けます。

図形の綺麗な書き方についての記事もあわせてご覧ください。

もう迷わない!数学で図形を綺麗に書くコツ

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【共通テスト数学のテクニック④】解く順番は絶対に変えない

共通テストは、「どれだけ普段と変わらない状態で臨めるか」が成否のカギを握ります。そのためには、問題を解く順番をむやみに変えないことが大事です。

もちろん、一番最初に解くと決めた問題が、本番ではとてつもなく難しくなる可能性もあります。

ただ、そんな時でも、最初に目を通すだけ通して、「手を付ける順番」を変えないでおけば、「第4問は10分で終わらせよう」というように、柔軟に対応することができます。

共通テスト数学で9割取るために必要な時間短縮法

共通テスト数学の大きな敵は、なんといってもその短い制限時間です。
共通テスト数学は、本当に時間との勝負です。60分という限られた時間で4つの大問を解き切らなければならず、これには相当の計算スピードが必要になります。

ここでは裏ワザのようなテクニックではなく、「速く解ける実力をつけるにはどのような勉強をすべきか」を、紹介しています。

この記事を参考に、時間に余裕を持って解き終える実力を身につけましょう。

共通テスト数学では多くの単元が出題されますが、それぞれの単元の弱い部分に対して以下の訓練をすれば解く時間がグッと縮まるはずです。ぜひ実行してみてください。

【共通テスト数学の時間短縮法①】解法を一瞬で思いつけるようにする

時間短縮法の一つは、解法を思いつくまでの時間を短くすることです。共通テスト数学では似たような流れの問題が出題されることも多いです。

そのため、問題文だけを読んでその問題の解法が一瞬で思いつくように練習しましょう。

例えば二次関数で、平方完成をして二次関数の最大値を求める問題を解いたとします。
そのとき、同じ問題を今後見た場合にも「平方完成すれば解けるな」ということをすぐ思い出せるように練習しておきましょう。

さらに、思い浮かんだ解法を実際に少し声に出してつぶやいてみると、より定着効果がアップすると思います。

このやり方は、解法を思いつくようにするだけなので、スキマ時間などにも手軽にできます。
ほとんど問題ごと覚えてしまって勉強の意味が無いと感じるかもしれません。

しかし、似たような問題がよく出題される共通テスト数学では、むしろ覚えてしまうほうが有利です。

【共通テスト数学の時間短縮法②】計算速度を上げる!

計算能力は当然重要です。計算が遅い原因は、無駄な手順を多く踏んでいたり、経験が不足していることです。
計算ミスをしない程度に無駄を削ったやり方で解き直し、慣れていくことで計算能力の向上が見込めます。

計算力を上げることのメリットはこれだけではありません。計算速度を上げると、当然問題を解く時間が短くなります。
そのため、普段の勉強において解ける問題の数も増え、勉強の効率が向上することにもつながります。

計算力はぜひ向上させましょう。

具体的な計算テクニックを扱った本として、『合格る計算』(文英堂)などがあります。この本は共通テスト数学に特化した計算の本というわけではありませんが、計算の注意点を数多く紹介した良い本です。

【共通テスト数学の時間短縮法③】図の書き方、用紙の使い方を見直す!

盲点になりがちですが、図形問題で図を書き間違えたり、計算過程を書く場所が足りなくなることも大きな時間のロスの原因になります。

まず、事前に用紙の使い方を決めておくことが必要です。共通テストの問題用紙の余白は小さいです。
そのため、余白の中央に縦線を引いて左右2つの部分に分け、無駄なく余白を使うようにするのがおすすめのやり方です。

また、図の書き方のコツも押さえておきましょう。
例えば、円に内接する三角形を描くとき、円を書いてから三角形を描くとキレイな図ができます。

時間短縮法について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェック!

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共通テスト数学で9割取るためのおすすめスケジュール

共通テスト数学の点数を本番までに自分の志望校のレベル(9割以上)まで上げるためのおすすめの勉強スケジュールを簡潔にご紹介します。

まず高3の9月までに青チャートなどの問題集を(章末の応用問題含めて)5周して基礎固めに専念することです。

次に10月頃から、模試対策も含めて、共通テスト模試の過去問を2〜3周解きます。

そして共通テスト模試が一通り終わった12月からは、共通テスト(センター試験)の過去問を15年分×2周して形式に慣れ得点が安定したところで、本番を迎えるというのが良いでしょう。

最後に

共通テストの数学は、確かに高得点をとるのが大変な科目です。

二次試験対策をしていれば、そのうち共通テストもできるようになっているというのは全くの嘘です。
安易な情報に騙されて、あとで泣き目に合わないようにしましょう。共通テストは共通テスト、二次は二次です。

しかし、一度コツを覚えてしまえば、ある程度安定的にとれるのも、共通テスト数学です。

年度ごとの難易度で点数に振り回される国語に比べれば、はるかに頼れる得点源にできる科目です。

上の勉強法を是非参考にして、皆さんも共通テスト数学を得意分野にしてくださいね!




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ABOUTこの記事をかいた人

合格サプリの記事は、東大・早慶・GMARCHの現役大学生が執筆しています。

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