卒業してから分かった大切なこと

goukaku-suppli_2015-11-11_12-08-37.jpg
この記事は 2016年06月28日に更新されました。

みなさんには、好きな先生はいますか?
今回は、僕の友人の、高校時代の先生にまつわる心温まるエピソードを紹介します。

僕は地方の中高一貫校に通っていた。

その先生は僕らが中学校に入学した時から6年間持ち上がりで、高校3年生まで僕らの学年を担当していた。

僕は理系で東大を目指していたから、数学を得意にすることが絶対条件だった。
そんな僕を支えてくれたのがその先生だった。とても熱心な先生で、放課後遅くまで懇切丁寧に僕に数学を教えてくれた

その先生とは、こんな思い出がある。

あれは最後の運動会のことだった。

クラスで打ち上げをしようということになったのだが、クラスに1人貧しい生徒がいて、その子だけ参加できなくなってしまった。その時先生が「いいよ、そいつの分ぐらい俺が出してやる」と言って、その子の分のお金を出してくれたのである。

その先生の優しさに直に触れた瞬間だった。

東大入試本番の時には、その先生は地元からわざわざ東京まで出向き、理系の入試会場である本郷と文系の入試会場である駒場の両方に応援に駆け付けてくれた

そして、合格発表を控えたあくる日、僕たちは卒業式を迎えた。

僕たちは驚いた。

いつもはしっかりしていたその先生が、涙をこらえた感じでこう言った。

「君たちが、僕が送り出す最後の高3生になるかもしれない。もう担任をやらせてもらえないかもしれない」

そこで僕たちは初めて事の真相を知った。

その先生は高2で僕らの学年を外されることになっていた。

しかし、「私はこの学年を卒業まで見届けたいのです!」と言って、強引に最後まで僕たちの学年を持つことにしたのだ。

結局、卒業式以来その先生に会うことはなかった。

次年度、その先生にどのような処分が下されたのか僕たちは知らない。

その後、僕は東大に合格した。

どうしてもその先生に感謝の思いを伝えたくて、手紙を書いた。

しばらくして、僕のもとに返事が返ってきた。

「自分らしく努めなさい。身体がそんなに強くないのだから、食事と睡眠をしっかりとるように。いつかまた地元で会える日を楽しみにしています。」

最後まで、僕たちのことを第一に考えてくれた先生

卒業してから、改めてそのことに気づいた。

僕は今でもその手紙を大切に保管している。