吾輩は大学生である

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次の文章を読んで、問題に答えなさい。

吾輩は大学生である。名前はまだ無い。

どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。何でもにぎやかな高校という所でワイワイ騒いでいた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて受験というものを見た。しかもあとで聞くとそれは大学時代という、人生で一番重要な時間への関門であったそうだ。

この大学時代というのは時々、我々の意に反して無味乾燥なものになるという話である。しかしその高校当時は何という考もなかったから、大学が別段今と違う所だとも思わなかった。ただ周りの雰囲気に載せられてスーと持ち上げられた時、何だかフワフワした感じがあったばかりである

問1 大学時代が人生で重要な時間であると「吾輩」は言うが、それはどういうことか、具体的に述べよ。

問2 「吾輩」が後で知ることとなった「高校と大学の違い」とは何か、思うところを述べよ。

問3 「吾輩」が無味乾燥な大学時代を過ごさないために、高校時代にしておくべきだと考えることを述べよ。

さて、皆さんはどのような解答を作成したでしょうか。

今回は、実際の「吾輩」、つまり現役大学生に、これら問いに対する答えを聞いてみました。様々な学部・学年の「吾輩」からの答えですので、多様な視点が得られるはずです。では、さっそく見てみましょう。

解答

国語の解答例らしく、必要な要素ごとに分類してみました。

問1 大学時代が人生で重要な時間であると「吾輩」は言うが、それはどういうことか、具体的に述べよ。

ポイントとなるのは、自己の内面を広げる人間関係の構築と、それを咀嚼するための自由な環境、そしてその結果変わった自分を社会に役立つものとして位置づける、といったところです。

要素1:「新鮮な出会い、価値観や世界観の広がりがあること」

・色々な地方からきている人、色々なことを勉強している人と触れ合える。
・同じようなことに興味を持った仲間を探すことができる。
・高校までの閉鎖された交流関係から離れ、新たな価値観が手に入る。
・いろんな人に出会うことで、世界が広がる。

要素2:「自由というものを理解し、それを利用して自分を定めること」

・自分が何をしたいか/どんな風になりたいかを考えたり実行したりできる人生で最大にゆとりのある大切な時間。
・社会にでるまでの最後の猶予期間、モラトリアム。今までを振り返る時間を与えてもらえるため、自分が具体的にどうなりたいのかを決めることができる。
・自由がきくようだが、指示してくれるものが無いだけ。よって、自分を自分で律する必要性を、社会で痛い目を見る前に実感できる。

要素3:「学歴としての意義」

・実際問題として、大学を出なければ、社会に出るときの幅が狭まる。
・学歴というものを実感し、ある意味での社会勉強になる。
 (番外編:入学しても忘れないでほしいこと)
・大学生活の意義は後から見つかる。但し、考える時間を持たない人に未来はない。
・大学に入れば価値がある訳じゃない。

問2 「吾輩」が後で知ることとなった「高校と大学の違い」とは何か、思うところを述べよ。

ここでは、自らの価値観を見極め、それに従って自立・自律した生活をすること、また全ての要素に共通するものとして積極性というものがあげられるでしょう。

要素1:「自らのものさしを持つ」

・何が正しいかを自分で決めないといけない点が高校と違う。高校なら部活や、大学受験を頑張ること等に、一定の正しさがあった。自ら動くかどうかが問われる。
・高校では何かをさせられている反面守られているが、大学では取捨選択できる反面守られていないという違いがある。

要素2:「自分で自分を管理する」

自分の時間、自由になるお金が多くなる。それは自己の生活を管理しなければならないことを意味する。
・時間と金銭の感覚を、さらにしっかりと身につけないといけない。
・高校と違うのは、自分で毎日をつくるところ。具体的には、手帳が絶対必要になる。

要素3:「人との距離感も自分でつくる」

・自分から友達作ることをしないと友達ができない。高校とちがってクラスの概念がないし、固定席もないから増えにくいから。でも、それは人付き合いの勉強。
・ぼっち飯(ひとりごはん)も普通のことになる。高校時代はいっしょにごはんを食べるのが友達だったかもしれないが、そういう形式にはとらわれない対人関係が多く築ける。

問3 「吾輩」が無味乾燥な大学時代を過ごさないために、高校時代にしておくべきだと考えることを述べよ。

シンプルな問題です。将来について、頭の中だけではなく誰かに話すことでモチベーションを上げ、そのモチベーションで高校生活を思い切り楽しめばいいということです。

もちろん楽しむ高校生活には勉強も入りますが、それ以外のことも含め、一日一日を大切にしてくださいね。
   

要素1:「将来を考えれば真剣にしておくべきこと」

・英語の勉強。大学で何を勉強するにしても英語ができたほうが絶対に有利だし役立つ。
・本を沢山読んでおくこと。まず自分の考え方の幅を広げておけば、大学に入ってからの、異なる考えを持つ人との出会いが有意義なものになる。
・どういうことを勉強する学部なのか、どういうシステムなのか、将来の進路についてできるだけいろいろな人の話を聞いておくべき。その上で、受ける大学・学部を決めるのが一番よい。
・人にどういわれようと、叶うどうこう関係なく、大きくても小さくても抽象的でも、目標を作っておくこと。そしてそれを誰かに話すこと。

要素2:「高校生を全うすること」

・高校生活で自然とすることが、しておくべきこと。楽しく、後悔しないように高校生活を過ごすのが一番だと思う。
・友達を大切にすること。いま高校の友達の大切さを感じるから。
・高校時代は何をしても思い出になるし、何をしても後悔する。たとえ馬鹿馬鹿しくても、一生懸命やること、そしてそれを楽しむこと。

おわりに

ここまで読んでみて、どう感じたでしょうか。この何人もの「吾輩」たちから、大学の楽しさや充実感を、リアルに感じ取っていただけたのではないでしょうか。

一方、大学生活を、なんだか遠いものだと思った人もいるかもしれません。そんな人は、最後のほうをもう一度読み返してみましょう。

大学生になっても、今の皆さんの毎日を懐かしく感じ、それを原動力にするものなのです。

1年生の皆さん、2年生の皆さん、3年生の皆さん…これを読み終わった全員が、「希望に満ち溢れた姿勢で」大学受験というものを捉え直すことができていれば幸いです。