夏休み、受験生を襲う五大病とその対策方法

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夏休みまであと一ヶ月を切りました。やる気に燃えている人、そうでない人、すべての高校生にとって夏休みの過ごし方は一つの大きな課題だと思います。ここでは、夏休みに高校生を襲う、五つの大きな「病気」について話していこうと思います。

この病気にかかってしまうと、夏休みを有意義に過ごせないだけでなく、二学期のスタートさえも上手く切れなくなってしまいます。皆さんも、これらの病気にならないように注意しましょう。

その一、「ヤルキデナイ症候群」

夏休みの暑さや、部活動による疲れ、そして何より「ゴロゴロしたい」という気持ちから、夏休みに勉強を全くやらなくなってしまう病気です。この病気にかかってしまうと、夏休みの宿題を三日で終わらせないといけないハメになり、いざ二学期になっても成績が上がることは期待できません。

気になる対処法

この病気の最も効果的な対処法は、「自分を拘束する」ことです。勿論、勉強机の椅子に、一日中自分を縛り付ける、というような意味ではありません。学校や塾の帰りに図書館や、喫茶店などの「勉強するための空間」に自分の身を拘束する、つまり「勉強場所に我慢して出来るだけ長くいる」という意味です。

最初はなかなか集中できず、すぐにやめてしまうかもしれませんが、それでも構いません。そんな時は、気分転換をしてください。しかし、気分転換ばかりになると駄目なので、一回一回をあまり長く取り過ぎないこと。

そして、勉強している間は、何が何でも集中するという気持ちを持つこと。たとえ、数学の問題一周分しか集中出来なかったとしても、その一問はきっとあなたの頭の中に深く刻み込まれているはずです。焦って、無理に詰め込んでも、頭には残らない上、余計に嫌いになってしまうだけです。少しずつ集中できる時間を延ばせばいいのです。

そして何より大切なことが、面倒くさくても、学校帰りにどこかに立ち寄るその一手間を惜しまないことです。今日は行くのはやめとこう、となるときっと明日も行きません。少しの意識の改革が大きな変化に繋がるのです。

その二、「モンダイムダヅカイ症候群」

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夏休み、とにかく多くの問題を解こうと思い、ひたすら問題を解きまくる高校生がかかりやすい病気です。問題を解き、解答と見比べて、合っているか、間違っているのかだけを確認して終わってしまうというのがこの病気の最も顕著な例です。

問題を解く意味とは

問題を解くということは勉強において、どのような意味があると思いますか?一番に「知識の確認」が浮かんでくると思います。確かに問題には今まで学んだ事がしっかりと頭に入っているのかどうかを確認する機能があります。

しかし、それだけではありません。問題を解くことには、「考え方を鍛える」という目的もあります。ここを見落としてしまうと、いくら問題を解いても、一問一答は得意だけど、記述になると…ということになってしまいます。従って、問題集を買うときは解説が充実しているものを選ぶこと。そして、実際に問題を解いてみて、解答を確認するとき、「自分がどう考えてこの答えを導いたのか」を一問ずつ、解説と見比べていってみてください。

自分の考え方が根本的に間違っていたときは、解説の考え方が理解できるまでしっかりと読み、自分の考え方が合っているのか間違っているのかが分からないときは先生に聞いてみてください。

考え方を鍛えるのが重要

このような問題の解き方は、とても時間がかかり、絶対的な問題数が足りなくなるのではないかと思うかもしれません。

しかし、しっかりとした考え方ができるということはしっかりとした記述ができるということです。どんな試験でも、選択問題の方が記述問題よりも配点が高いなんてことはないですよね。また、考え方を鍛えることで、今まで闇雲に暗記していたこともそれぞれの因果関係の中で理解できるようになり、暗記の効果もグッとアップします。

問題集が単に知識の確認だけではなく、考え方を鍛える練習なのだという意識を常に持っておくことで、記述、暗記の両方に対応した効率のよい勉強ができるようになるのです。

その三、「サンコウショランドク症候群」

さぁ、これからは勉強を頑張るぞ、とやる気になって、あれもこれもと大量に参考書を買い占め、財布からお金がなくなるスピードだけがどんどん上がり、肝心の成績がなかなか上がらない。この病気の一般的な症状です。参考書をたくさん読むことはとても大切なことですが、自分の目的、実力に合ったものを選ばなければ効果は殆ど期待できません。大学受験生が、いくら中学生向けの参考書を熟読しても、あまり意味無いですよね?

極端すぎると思うかもしれませんが、自分に合った参考書を選ばないというのは、実際そういうことなのです。参考書を「選ぶ」力を身につけておくのも勉強には大切なことなのです。

自分にあった参考書を選ぼう

参考書は基本的にあるテーマにそって作られている場合がほとんどです。「基礎を固める」ことに特化したものや、「暗記の方法」に特化したもの、センター試験などの特定の試験の対応に特化したもの、たくさんの参考書が出版されています。

自分が何を知りたいのか、自分がどの教科のどこの力を伸ばしたいのか、そういうことを自問自答し、しっかりと確認した上で、参考書を選ぶことが大切です。俗に「売れている参考書」は、やはり、とても分かりやすく説明してあるものが多いので、実際に参考書を絞ってみたは良いものの、そこからどれを選べば良いのか分からないという時には、それらを買ってみるのもいいでしょう。

ですが、いいなと思って買ってみたものの、実際じっくり読んでみると、なんとなくしっくり来ない、と感じる時があります。そんな時は無理をして読む必要はありません。すぐに違う参考書を買い替えてください。しっくり来ないのは、自分の目的、実力に合っていないからです。

逆に、しっくり来たときは、自分の中で「これだっ!」という感覚があり、驚くほど知識が入ってきます。そんな参考書に出会えるように慎重に、根気よく選んでください。気に入った参考書が見つかれば、それを読破するまで浮気は基本的にしないこと。どんな参考書でもすべての知識を理解、吸収するには莫大な時間がかかります。

大変な作業ですが、読み終わる頃には、苦手だったところも得意になっているはずです。それを繰り返して、苦手をなくすことが大切です。無闇やたらと参考書を買い漁るのではなく、自分に合った参考書を選び、それを確実に自分のものにしていくことが重要なのです。

その四、「カッテニジバク症候群」

今までしっかり勉強してこなかったけど、夏休みからは頑張ろう、とやる気に燃えている高校生が最も注意すべき病気です。目標を高くしすぎて、勉強を頑張っているのに勝手に焦り、ついには嫌になり「勝手に自爆」してしまうという何とも、哀れな病気です。

達成しやすい目標を立てる

目標を立てることは非常に大切です。しかし、立て方を誤らないようにしなければ、むしろ逆効果です。大切なことは、「期限がすぐに来て」、「具体的」で、「自分が出来そうなこと」を目標に設定することです。

あまりに先のことだと気がつけば忘れてしまっていることがありますし、抽象的だと、何をすればいいのかという直接的なやる気につながりにくく、自分を過信し過ぎると後で、痛い目に遭います。自分を信じたい気持ちはわかりますが、そこはぐっとこらえて、むしろ自分を過小評価するくらいにした方がいいかもしれません。

手頃な目標なんて、達成しても大して満足できないのではないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。きっと自信につながります。小さな目標を立てては、達成し、また立てては、達成し…を繰り返すことで、自分の中で、着実に知識と自信がつくはずです。

もし達成できなくても、立てた目標が小さいですから、精神的なダメージも軽減されるはずです。手頃な、小さい目標を繰り返し達成することで、「第一志望に合格する」というおおきな「夢」を実現できる力を身につけることが出来るのです。

その五、「モエツキ症候群」

この病気は他の四つの病気とは違い、夏休みが終わった後に発症します。夏休みに全力を出して、勉強に励んだ素晴らしい高校生を襲う非常にタチの悪い病気です。症状は読んで字の如く、夏休みに頑張ったため、夏休みで燃え尽きてしまい、二学期以降、勉強に手がつかなくなるという病気です。

ペース配分を大切にしよう

この病気の最大の原因は「頑張りすぎ」です。自分の限界まで努力できるということは才能だと思いますし、大切にしてほしいことです。しかし、夏休みがそのタイミングではないということです。

Aさんが、夏休み四十日、毎日欠かさず十時間勉強し、二学期明けにこの病気になり、三ヶ月間、ほとんど勉強できず、一日一時間しか勉強できなかったとしましょう。すると、夏休みと二学期を合わせた勉強時間は四九〇時間になります。一方Bさんは夏休み毎日六時間勉強をし、二学期もその勢いを保ったまま毎日三時間勉強したとします。Bさんの合計勉強時間は五一〇時間になります。

もう言いたいことは分かりますね。短期間に全力を出し切るよりも、毎日ほどほどに頑張ったほうが結果になりやすいのです。また、この病気になってしまうと、それ以降成績は伸びないどころか逆に落ちていくので、結局いざというときに力を出し切れません。

しかも十時間、もしくはそれ以上の時間立て続けに勉強するとなると、最後の二、三時間はほとんど気力との勝負になって、力をつける以前の戦いになります。十時間勉強して、何とも思わないのは、余程の天才か、勉強マニアか、集中していないのかのどれかです。モエツキ症候群は非効率の極みなのです。

効率よく勉強することで、成績は簡単に上がるのです。夏休みに全力を出し切るのは絶対にやめてください。ほどほどに全力を出してください。

実は簡単に解決できる、五大病たち

これまで五つの病気の概要とその防止法を説明してきました。病気は普通に生活していれば簡単に防げるものなのです。毎日三食バランスのとれた食事をとり、規則正しい生活をしていれば風邪を引かないように、正しい勉強を行えばこんな病気にはならないのです。当たり前のことなのです。

勉強は「当たり前のこと」をいかに「当たり前」に出来るかを問うているのです。でなければ、学校も受験も存在しません。みなさんが「健康」な夏休みを過ごせることを期待しています。