東大生が東大入試を解説!日程・科目選択から問題の傾向まで

東大入試の日程・時間割や、入試科目とその配点、さらに合格最低点など高1・高2の間に知っておきたい東大入試の基本情報に、東大生目線ならではの注意すべきポイント、具体的なアドバイスを加えてご紹介します。

東大の入試科目

まずは必要な入試科目から説明します。

東大入試はセンター試験と2次試験の2つの試験からなり、センター試験と2次試験両方の点数で合否が決まります(後述)。

まずは、センター試験で必要な科目についてご紹介します。

以下の表をご覧ください。
情報量が多いので、表の後に読み取るべきポイントをわかりやすく解説するのでざっと見るだけで大丈夫です!

センターで必要な科目 文系編

教 科 科 目 ※[ ]内は,旧教育課程から出題される科目 科目選択の方 法
国 語 『国語』 必 須
地理歴史 「世界史B」 「日本史B」 「地理B」 左の 4 科目のうちから 2 科目を選択
公 民 『倫理,政治・経済』
数 学 『数学I・数学A』 必 須
『数学II・数学B』 『簿記・会計』 『情報関係基礎』[「工業数理基礎」] 左の 3 科目のうちから 1 科目を選択 ただし,『簿記・会計』,『情報関係基礎』を選択 できる者は,高等学校又は中等教育学校においてこ れらの科目を履修した者及び専修学校の高等課程の 修了(見込み)者だけです。旧教育課程履修者のうち,高等学校又は中等教育 学校において「工業数理基礎」を履修したもの及び 専修学校の高等課程の修了(見込み)者に限り,新 教育課程による出題科目・科目選択の方法に加え「工業数理基礎」を選択することができます。
理 科 「物理基礎」(「物理」) 「化学基礎」(「化学」) 「生物基礎」(「生物」) 「地学基礎」(「地学」) 左の基礎を付した 4 科目のうちから 2 科目を選択 ただし,「基礎を付していない科目」を 2 科目選 択した場合には,「基礎を付した科目」を選択した ものとみなします。(注)
外国 語 『英語』 『ドイツ語』 『フランス語』 『中国語』 『韓国語』 左の 5 科目のうちから 1 科目を選択 なお,『英語』のリスニングの成績は,利用しま せん。
(注)
(1) 「基礎を付した科目」とは,物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎を指します。
(2) 「基礎を付していない科目」とは,物理,化学,生物,地学を指します。
(3) 物理基礎,化学基礎,生物基礎,地学基礎の 4 科目の中から 2 科目と,物理,化学,生物,地学の 4 科目の中から 1 科目を選択した場合には,基礎を付した 2 科目を利用します。
(4) 物理,化学,生物,地学の 4 科目の中から 2 科目選択した場合には,合計得点(200点満点)
を100点満点に換算して利用します。

センターで必要な科目 理系編

教 科 科 目 ※[ ]内は,旧教育課程 から出題される科目 科目選択の方 法
国 語 『国語』 必 須
地理歴史 「世界史B」 「日本史B」 「地理B」 左の 4 科目のうちから 1 科目を選択 なお,地理歴史及び公民の試験時間において 2 科 目を受験した場合には,第 1 解答科目の成績を合否 判定に利用します。(注)
公 民 『倫理,政治・経済』
数 学 『数学I・数学A』 必 須
『数学II・数学B』 『簿記・会計』 『情報関係基礎』 [「工業数理基礎」] 左の 3 科目のうちから 1 科目を選択 ただし,『簿記・会計』,『情報関係基礎』を選択 できる者は,高等学校又は中等教育学校においてこ れらの科目を履修した者及び専修学校の高等課程の 修了(見込み)者だけです。旧教育課程履修者のうち,高等学校又は中等教育 学校において「工業数理基礎」を履修したもの及び 専修学校の高等課程の修了(見込み)者に限り,新 教育課程による出題科目・科目選択の方法に加え「工業数理基礎」を選択することができます。
理 科 「物理」 「化学」 「生物」 「地学」 左の 4 科目のうちから 2 科目を選択
(注)
「地理歴史,公民」の試験時間に 2 科目を受験した場合において,前半の60分間で解答した科目 を第 1 解答科目,後半の60分間で解答した科目を第 2 解答科目といいます。(詳細は,大学入試 センターWebサイト http://www.dnc.ac.jp/ 等を参照してください。)
なお,第 1 解答科目で本学が指定していない科目を受験した場合には,たとえ第 2 解答科目で 本学が指定する科目を受験した場合でも,第 2 次学力試験の受験を認めません。

表の見方

情報量が多いので整理してご紹介します。

文系は5教科8科目、または6教科8科目が必要になります。(公民を選択した場合)
理系は5教科7科目が必要となります。

一般的に文系の場合選択が必要なのは以下の2つです。

センター科目選択 文系編
  • 理科基礎科目4教科(物理・化学・生物・地学基礎)の中から2教科の選択
  • 地歴(日本史B・世界史B・地理B)または公民(倫理、政治・経済)から2教科の選択

そして、一般的に理系の場合選択が必要なのは以下の2つです。

センター科目選択 理系編
  • 理科4教科(物理・化学・生物・地学)の中から2教科の選択
  • 地歴(日本史B・世界史B・地理B)または公民(倫理、政治・経済)から1教科の選択

※「倫理、政治・経済」はそれ自体で一科目なので、「倫理」や「政治・経済」と混同しないように。

それでは、センター試験における東大受験の特徴を見ていきましょう。

入試科目選択のポイント センター編

その1 傾斜配点がない

東大の入試では、センター試験の満点900点が110点にそのまま圧縮されるので傾斜配点が行われません。

そもそも高1、2年生の中には傾斜配点に馴染みのない人も多いと思うので
簡単に説明しておきますね。

例えば、京都大学の文系のセンター試験の配点では、
地歴が2教科で50点扱いなのに対して、理科科目は2教科で100点の配点があります。

この際、本来200点あった地歴教科が低く評価されているので傾斜配点と呼ばれるわけです。

そんな傾斜配点がないことで得点計算がしやすくなる…のは当たり前ですが、
どの教科も満遍なく勉強する必要があるというのがポイントです。

ただ後で詳しく述べますが、東大入試はセンターの配点の割合が低いので
志望校選択に影響を与えるほどではありません。

その2 リスニングを利用しない

センター英語は、筆記200点とリスニング50点を圧縮して200点満点で換算するのが一般的ですが

東大の場合はリスニングの成績を利用せず、筆記の200点をそのまま扱います。
これは2次試験でもリスニングが課されるためでしょう。

リスニングが成績に影響しないと言っても他の大学の試験で利用することもあるので
しっかり解かなければいけないのは変わりません。

それでは2次試験編です。

2次試験編

東大入試の2次試験で必要な科目は以下の科目になります。

教 科 科 目
国 語 国語総合,国語表現,現代文B,古典B
数 学 数学I,数学II,数学A,数学B(注)
地理歴史 日本史B,世界史B,地理Bの 3 科目のうち,あらかじめ出願の 際に届け出た 2 科目
外国語 (1) 英語(コミュニケーション英語I,コミュニケーション英語 II,コミュニケーション英語III)
※ 英語試験の一部分に聞き取り試験を行います。(30分程度)(2) ドイツ語 (3) フランス語 (4) 中国語 のうち,あらかじめ出願の際に届け出た 1 外国語 ただし,英語の選択者に限り,英語の問題の一部分に代えて,他 の外国語(ドイツ語,フランス語,中国語,韓国朝鮮語)のうちか ら一つの外国語を試験場において選択することができます。なお, ここで選択できる外国語のうち,ドイツ語,フランス語,中国語の 問題は,出願時に当該外国語を選択した者が解答する問題の一部分 と同じものです。
(注) 数学の出題範囲は次のとおりです。数学I,数学II,数学Aは全範囲から,数学Bは「数列」,「ベクトル」から出題します。
※ 国語・地理歴史・外国語において,旧教育課程(平成11年 3 月文部省告示)を履修した高等学校 卒業者等に対しては,出題する教科・科目の問題の内容によって配慮を行うものとします。

理系はこちらになります。

教 科 科 目
国 語 国語総合,国語表現
数 学 数学I,数学II,数学III,数学A,数学B(注1 )
理科 「物理基礎・物理」,「化学基礎・化学」,「生物基礎・生物」,「地学基礎・地学」の 4 科目のうち,あらかじめ出願の際に届け出た 2 科目(注2)
外 国 語 (1) 英語(コミュニケーション英語I,コミュニケーション英語 II,コミュニケーション英語III)
※ 英語試験の一部分に聞き取り試験を行います。(30分程度)(2) ドイツ語 (3) フランス語 (4) 中国語 のうち,あらかじめ出願の際に届け出た 1 外国語 ただし,英語の選択者に限り,英語の問題の一部分に代えて,他 の外国語(ドイツ語,フランス語,中国語,韓国朝鮮語)のうちか ら一つの外国語を試験場において選択することができます。なお, ここで選択できる外国語のうち,ドイツ語,フランス語,中国語の 問題は,出願時に当該外国語を選択した者が解答する問題の一部分 と同じものです。”

(注 1 ) 数学の出題範囲は次のとおりです。数学I,数学II,数学III,数学Aは全範囲から出題します。数学Bは「数列」,「ベクトル」から
出題します。
(注 2 ) 理科の出題範囲は次のとおりです。
「物理基礎・物理」は物理基礎,物理の全範囲から出題します。「化学基礎・化学」は化学基礎,化学の全範囲から出題します。「生物基礎・生物」は生物基礎,生物の全範囲から出題します。 「地学基礎・地学」は地学基礎,地学の全範囲から出題します。
※ 国語・外国語において,旧教育課程(平成11年 3 月文部省告示)を履修した高等学校卒業者等に 対しては,出題する教科・科目の問題の内容によって配慮を行うものとします。”

表を整理すると

文系は国数英地歴の5教科で、地歴(日本史・世界史・地理)から2教科選択します。

理系は国数英理科の5教科で、理科(物理・化学・生物・地学)から2教科選択します。

入試科目のポイント 二次試験編

その1 文系は地歴が2教科とも論述で問われる

東大の文系は2次試験で地歴が2科目問われるところが特徴です。
ただでさえ、暗記量が多い地歴科目が2科目問われるのは大変です。

さらに、2科目とも論述で答えなければならないので、しっかり対策をして臨む必要があります。

筆者の場合は、高校のカリキュラムが地歴2科目に対応していなかったので、日本史を独学でする必要がありました。

短期間で膨大な知識事項を覚えきり、東大入試の論述ができるようになることは非常に難しいので、早期から少しずつでも対策をしておくことが求められます。

その2 理系でも2次試験で漢文を問われる

東大の2次試験では理系でも漢文の記述式の試験が行われます。

具体的には国語の時間に評論+古文+漢文と解く形になります。

一般的に理系の2次試験では漢文は問われることはないので、
東大理系受験生はセンター+αで漢文対策が必要です。

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