このページでは、英単語の中でも「多義語」に着目します。
同じ単語でも、全く違う意味を持つような「多義語」という英単語があります。
もちろん覚えづらいので、覚えるのに苦労しているという方も多いのではないでしょうか。
ということで、大学入試でもよく出る多義語を、各意味の関連付けによって覚えていく方法、その名も「コアミーニング」を見ていきましょう!
本質を理解!多義語の英単語を楽に覚える方法
早速ですが、コアミーニングについて詳しく見ていくことにしましょう。
例として”run”が使われた入試問題の英文を和訳してみます。
Soon I found that Robert was almost a necessity to the smooth running of the business. (東京大学)
訳:ビジネスの円滑な運営にロバートはほとんど不可欠な存在であったとすぐに分かった。
この例でも見たように、”run”にはよく知られている「走る」という意味以外にも「経営する」という意味があります。
「走る」と「経営する」って全然繋がりませんよね?
(あちこち爆走している経営者もいるかもしれませんが)
いったいどういう発想をすればこれらが同じ単語になるのか全く見当がつきません。
しかし、こんなにも意味が離れているように見えていても、コアミーニングを知ると実は繋がっていることに気付くのです!
コアミーニングとはその単語の中心的な意味です。
まあ平たく言えばその単語がもつ「イメージ」ですね。
すべての意味がコアミーニングから繋がっています。
例えば”run”のコアミーニングは「(ある方向に連続して)、すばやくなめらかに動く」です。
「走る」は自分の体を「すばやく動かす」、「経営する」は会社やお店を「すばやくなめらかに動かす」と考えれば自然ですよね?
このようにコアミーニングを覚えているとその単語の意味をすべて一語一句正確に覚えていなくてもちゃんと対応できるんです!
もう1つ例を出して見ましょう。
多義語”address”です。
“address”は、以下のようにたくさんの訳が可能な多義語です。
- (n)あいさつの言葉・演説
- (n)宛名・住所
- (v)話しかける
- (v)扱う・とりあげる
例文:
The linguist addressed the question of what tag questions meant in context. (学習院大学)訳:その言語学者は、文脈の中で付加疑問が何を意味しているのかという問題を取り上げた。
この”address”ですが、コアミーニングは「ことばを差し向ける(こと)」です。
一般的に知られているのは2の「宛名」「住所」ですね。
メールアドレスとも言いますし、英語で住所を書くときは”address”って書いてある欄に記入することからも有名です。
1や3、4の意味は知らない人が多いですが、コアミーニングの「ことばを差し向ける(こと)」をおさえておくとよく分かりますよね。
聴衆に「ことばを差し向ける」から「あいさつの言葉・演説」、相手に「ことばを差し向ける」から「話しかける」、ある問題や事柄に対して自分の「ことばを差し向ける」から「扱う・とりあげる」といった感じです。
では2の意味はどう考えればいいでしょうか?
「宛名」とはメールや手紙の送り先です。
そう、メール・手紙(ことば)の差し向け先なのです!
「住所」もまた手紙などの送り先。そもそも住所が何に必要か考えてみてください。
手紙(や荷物)を送る際、配達人に場所が分かるようにあるのです。
つまり「ことばの差し向け先」ということになります。