センター日本史で満点を取って東大に現役合格した勉強法

4.「連想」を使ったセンター日本史で満点をとる問題演習法

キーワードは「連想」

皆さんはセンター試験の問題演習はどのようにしていますか。

ただ「だらだら20分ほど解いて、間違えたところの解説を読んで終わり」にしてしまってはいませんか。ここで私が紹介する方法は、「連想」によって1年分の問題演習でその問題に出てくる知識量の数倍の知識量を補填できる方法です。是非活用してみてください。

私の「連想」の肝は、問題を一度普通に解いた後の時間です。センター試験の問題演習は解くだけなら20分もかからないぐらいだと思います。しかし、そこからの時間の使い方が問題です。日頃の問題演習でも、あと10分多めにとって、「連想」に時間をあててください。

改題

2015年 センター試験本試験日本史B 第四問 問1を例に「連想」してみましょう。
若干改題して、近世の飢饉への対応・対策について以下の2択の中から正しい方を選ぶものとします。

①寛永の飢饉で農村が被害をうけると、幕府は百姓による田畑の永代売買を公認した。
②寛政の改革では、町入用節約分の7割を町会所に積み立てさせて、飢饉や災害に備えさせた。

ここで私は、
①は「田畑の永代売買を公認」ではなく、「田畑の永代売買を禁止」したのではないか。よって①は誤り。
②は松平定信の「七分積金」について述べている文章であり、おかしい点はみられない。よって②が正解だ!

こんな風に思考して、②を選んだとします。

Ⅰ.間違いの選択肢を正す

まず、間違いの選択肢を正すことから始めましょう。

①寛永の飢饉で農村が被害をうけると、幕府は百姓による田畑の永代売買を公認した。
さっき、解答を導いたプロセスで述べたとおり、「田畑の永代売買を公認」ではなく、「田畑の永代売買を禁止」である。

Ⅱ.選択肢に含まれるキーワードについて簡単な説明をしていく(=連想)

次に、選択肢に含まれるキーワードを、5W1Hと「その後」を踏まえてなるべく詳しく「頭の中で」説明していきます。

なぜ「その後」まで理解しておくべきかというと、その歴史事項がその後の社会に与えた影響は、東大の日本史でも問われることはもちろん、センター試験の正誤問題でも頻繁に問われるものだからです。

②について、「寛政の改革」を例に、連想していきましょう。

「寛政の改革」の連想

When:田沼派の失脚後。18世紀末。徳川家斉将軍の時代。
Where:都市・農村が対象
Who:松平定信(老中)
What、How: 緊縮財政。厳しい倹約令。棄捐令による旗本・御家人の救済。
農村復興(間引きの禁止、旧里帰農令)
飢饉対策(七分積金、社倉・義倉の設置)
失業人手当(人足寄場の設置)
寛政異学の禁、出版統制…
Why:天明の飢饉などの凶作による幕府財政の危機、…
「その後」:厳しい統制、倹約に対する反発が強まる。

こんな風にして説明していきます。

そして、ここからが「連想」の本題です。5W1Hが共通するキーワードや、その前後の時代を中心に「連想」していきます。

寛政の改革の連想の中に、田沼派の失脚というキーワードがありましたので、今度は田沼意次について、連想していくのです。

このように「連想」してきて出てきたキーワードをもとに、さらにそのキーワードの説明ができるか、挑戦していきます。

こうしているうちに、「あれ、田沼意次が銀を数量貨幣として用いるために発行した銀貨の名前は何だったっけ?」というように、自分の知識のヌケモレに気づいたら、すぐに『詳説 日本史研究』で調べるようにしましょう。

Ⅲ.理解が不十分だった部分、知識のヌケモレを『詳説 日本史研究』に書き込んでいく

ここでは説明せずに、6章の「『詳説 日本史研究』の使い方」で説明していきます。

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