こんにちは!ライターのいとぅです!
数学の公式、覚えていてもなかなか使えない。そんな人のための「今すぐ使える公式講座」これより開講します!
今回の公式:加法定理
加法定理とは:
cos(α+β) = cosαcosβ − sinαsinβ
tan(α+β) = (tanα+tanβ)/(1−tanαtanβ)
です!
・sinの加法定理の覚え方:「咲いた(sin)コスモス(cos)、コスモス咲いた」
・cosの加法定理の覚え方:「コスモスコスモス、咲いた咲いた」
・tanの加法定理の覚え方:「タン(tan)タ(+)タン(tan)、いち(1)ひく(−)タン(tan)タン(tan)」
実はこれさえ覚えておけば、(α−β)の場合や倍角の公式や「和→積の公式」・「積→和の公式」は覚えなくていいんです!
(α−β)の場合は上の式のβを−βに変えればいいだけですね。
「和→積の公式」などはまたの機会にするとして、加法定理の練習で二倍角の公式を導いちゃいましょう。
例題でチェック!
二倍角の公式:
cos2θ= 2cos2θ−1
tan2θ=2tanθ/(1−tan2θ)
証明
=sinθcosθ+cosθsinθ
=2sinθcosθ
cos2θ=cos(θ+θ)
=cosθcosθ−sinθsinθ
=cos2θ−(1−cos2θ)
=2cos2θ−1
tan2θ=tan(θ+θ)
=(tanθ+tanθ )/(1−tanθtanθ)
=2tanθ/(1−tan2θ)
*二倍角の公式は覚えておいて損はない、というか覚えるべきです。が、和→積の公式や積→和の公式はごっちゃになりやすいので、100%暗記には頼らず加法定理から導くのを推奨します。
例題でチェック!!
それでは二倍角の公式も証明したところで、実際にセンター試験で出題された問題を解いてみましょう!
OP=( ア )、PQ=( イ )である。また、
OQ2=( ウ )+( エ )(cos7θcosθ + sin7θsinθ)
=( ウ )+( エ )cos(( オ )θ)
である。
解説
OP2=(2cosθ−0)2+(2sinθ−0)2=4(cos2θ+sin2θ)=4
より、OP=2 (OPは長さだから0以上の値をとるので-2にはならない)
同様にして、PQ=1 となります。
また、
OQ2=(4cos2θ+4cosθcos7θ+cos27θ)+(4sin2θ+4sinθsin7θ+sin27θ)
=4(cos2θ+sin2θ)+(cos27θ+sin27θ)+4(cos7θcosθ+sin7θsinθ)
=5+4(cos7θcosθ+sin7θsinθ)
=5+4cos8θ
黄色マーカーは加法定理を使うポイント!
加法定理の頻出パターン
加法定理の問題でよく出るパターンは大きく分けて2つ!!
いずれも式変形の問題ですが、特に2番目に紹介するものは知ってなきゃなかなか思いつきません。ここで身につけていきましょう。
- sinα(またはcosα)とsinβ(またはcosβ)の値がわかっているときに、sin(α+β)などを求めるパターン
- sinα−sinβとcosα+cosβがわかっているときにcos(α+β)を求めるようなパターン
例題でチェック
α,βが鋭角で、cosα=1/3、sinβ=4/5のとき、cos(α+β)の値を計算せよ。
cos(α+β)=1/3・3/5−2√2/3・4/5 = (3−8√2)/5
例題でチェック
sinα−sinβ=1/2、cosα+cosβ=2/3のとき、cos(α+β)を求めよ。
(cosα+cosβ)2=cos2α+2cosαcosβ+cos2β=4/9 より、
(sin2α+cos2α)+(sin2β+cos2β)+2(cosαcosβ-sinαsinβ)=1+1+2cos(α+β)=25/36
よってcos(α+β)=47/72
おわりのことば
加法定理は三角関数の公式の基礎となる定理です。これをバッチリ押さえて、他の公式を習得するのに活かしましょう。
これにて今回の講座を終わります!それではまた次回お会いしましょう!!