センター英語では定められた時間配分内にいかに問題を解ききるかが鍵。
ある程度単語や文法事項をマスターした後は、センター英語は時間との勝負。
時間が足りずに問題を解ききれなかった、あるいはケアレスミスをしてしまった、という経験は誰しも持っていることでしょう。
センター英語の適切な時間配分は、一般には概ね以下の通りだと言われています。
第一問:5分
第二問:10分
第三問:15分
第四問:15分
第五問:10分
第六問:20分
(見直し・予備:5分)
センター英語のwords数は平均して5,000words程度と言われており、一文一文をだらだらと読んでいるとこの時間配分内に問題を解き終えることはまず不可能です。
この時間配分をクリアするために、各大問ごとの時間短縮(時短)テクニックを知っておきましょう。
センター英語における各大問の時短テクニック
・第1問:発音・アクセント
発音・アクセントについては優先順位は低いものの、時短テクニックを知っておくと後々の設問に時間を割くことができるため得点に繋がります。
発音・アクセントの時短テクニックはルールを予め覚え、試験中に考えなくても解ける問題を増やすことです。
例えば、アクセントには主に以下のようなルールがあるのできちんと押さえておきましょう。
①2つ前の音節にアクセントが付く
・-ate (cóncentrate、délicate)
・-tude (grátitude、átitude)
・-ite (dýnamite、sátellite)
②語尾にアクセントが付く
・-eer (voluntéer、enginéer)
・-ese (Chinése、Japanése)
・-oo (tabóo、shampóo)
・-oon (typhóon、cartóon)
・-ique (antíque、techníque、uníque)
・-pose (suppóse、opose)
・-ade (inváde、paráde、persuáde)
③直前の音節にアクセントが付く
①、②に当てはまらないもののほとんどは、直前の音節にアクセントが付きます。
・-tion (communicátion)
・-tial (inítial)
・-sive (comprehénsive)
・-sion (decísion)
・第2問:文法問題
A:空欄補充
空欄補充問題の時短テクニックは、全ての英文をいちいち読まないということです。
例えば以下のような英語が選択肢に用いられている問題は、空欄の前後のみを見れば解答できる可能性大。
・前置詞(in, at, onの違いなど)
・関係代名詞
・イディオム、またはイディオムの一部
逆にこのような問題が瞬時にわからない場合は、知識不足のため、いくら考えても解けません。
その問題は潔く諦め、考えれば解ける問題に時間を回しましょう。
センター英語ではこのような知識問題も頻出のため、日頃からの学習が欠かせません。
B・C:整序英作文
整序英作文の時短テクニックは、選択肢以外の英文を読まないことです。
整序英作文は複数人の会話で構成されることが多いですが、空欄部分にのみ着目すれば解答可能です。
第2問は文法事項の知識を問う大問であるため、語句の並び順は必ず文法的に決定され、それ以外の文章が解答に影響することはありません。
選択肢以外の文章を見るのは、どうしても解答に自信が持てなかった際に参考にする程度にとどめましょう。
発話者の名前や発言の内容など解答に影響しない英文に惑わされないようにしましょう。
・第3問:大意把握
A:会話文の空欄補充
会話文の空欄補充だからといって、必ずしも会話文の初めから目を通す必要はありません。
会話文の空欄補充の問題は「空欄前後の論理的な繋がりを把握できているか」を問うているため、空欄前後の文章を読めば解答可能です。
空欄前後以外の部分は、どうしても解答に自信がない場合にのみ目を通すようにしましょう。
ただし会話文の空欄補充問題の解答に自信がない場合は大抵、会話文特有の表現や文法事項を理解できていないことが原因。こちらも日頃から学習を怠らないようにする必要があります。
B:不要文指摘
2014年から新しく追加された新傾向の問題で、苦手な受験生が多いパートです。
不要文指摘で時間がかかる原因には、そもそも文章のテーマを捉えられていないということが考えられます。
センター英語の不要文は、「文章のテーマから明らかに外れるもの」という趣旨で挿入されています。
つまり文章の論理展開などを考える必要はなく、パラグラフ全体のテーマを考え、選択肢がそのテーマに合致しているかどうかを判断していくことになります。
パラグラフ全体のテーマは、トピックセンテンスと呼ばれるパラグラフの第1文あるいは第2文目に書かれています。
不要文指摘ではこの部分からテーマを読みとった上で、選択肢を見ていくことが時短のための最善策でしょう。
第4~6問:長文問題
センター試験の第4問から第6問までは、長文の形式は違うものの、文章から内容を読み取り、問題文にあった選択肢を選ぶという点で似ています。
このような長文問題の時短方法は、「全文を丁寧に読まない」ということです。長文の中で重要な部分をそうでない部分に読み方の差をつけることが必要となります。
重要な部分を見つけるには、まず文章を読む前に問題文を読むようにしましょう。
問題文に固有名詞や登場人物の名前、その文章特有のキーワードが入っていたら要チェック。その単語が入っている文章が丁寧に読むべき重要な部分となります。
次に”But”や”However”などの、逆説の接続詞が用いられている一文に着目しましょう。
こういった接続詞は「ディスコースマーカー」と呼ばれ、文章においての重要なメッセージや筆者の主張が述べられる際に用いられます。
メッセージや筆者の主張は、問題になりやすいためディスコースマーカーが用いられている文章も丁寧に読む必要があります。
センター英語を適切な時間配分で解くには「英文への力配分」を考えることが肝心。
以上、センターの各大問の時短方法を解説してきましたが、まとめると「どの英文を丁寧に読むか、どの英文は軽く流して読むか」という、英文に対する読み方の力配分を考えるということに集約されます。
ただしこの時短テクニックはあくまでセンター英語を適切な時間配分で解ききるために用いるべきです。
本番や模試、時間を計っての問題演習の際にのみ使用し、普段の学習や復習の際にはしっかり一文一文丁寧に読んで、英文に使用されている単語や文法事項などをきちんと押さえましょう。