科目選択虎の巻

科目選択

一年生のみなさん、夏休みが明ければ、待っているのは科目選択。

「楽って聞いたから」「周りが選んでいるから」なんて理由で科目を選ぼうとしていませんか? 科目選択は大学受験に関わってくる重要な選択。
あとで「後悔」しないためにこの夏、じっくり考えてみませんか?

科目選択の基本

1、興味はあるか

興味がある科目であれば、勉強がはかどり、一般的に「負担が重い」と言われている科目でも成績はぐんぐん伸びます。
それに、せっかく貴重な時間を割いて勉強するのですから、自分の好きなことを勉強するに越したことはありません。

周りに流されてただ楽だからという理由で嫌いな科目を選んでしまうと後で後悔する事になりますよ。

2、少しでも関心のある大学を全て受験できる科目か

大学によっては特定の科目でしか受験できないこともあります。
第一志望校が後から変わった時に、自分の選択した科目では受験できない! なんてことにならないように、選択肢を広く持てるような選択をすべきでしょう。

そのためには、あらかじめ気になる大学の入試科目を調べておくことが重要です。

先輩たちは何を選んだの?

実際に先輩たちはどの科目を選択したのか、昨年度のセンター試験の受験者数のグラフです。

地歴公民

地歴にはA科目がありますが、受験できる大学が少ないこともあり、選択者はかなり少ないです。どの大学でも受験できることの多いB科目の人気が高いですね。2単位科目の中では現代社会を選ぶ人が多いです。

ちなみに、文系で2科目選択する場合、地歴の中から2科目選択する人が多く、その人数は

日本史B+世界史B=6,691人
日本史B+地理B=3,143人
世界史B+地理B=6,417人

となっています。

世界史A:1,449
世界史B:84,131
日本史A:2,472
日本史B:160,830
地理A:1,805
地理B:147,929
現代社会:80,240
倫理:26,039
政治・経 済:49,184
倫理,政治・経済:48,709
(単位:人)

理科

基本的には基礎科目は文系、基礎の付いていない科目は理系が選択します。地学を選択する人はほとんどおらず、汎用性の高い物理・化学を選択する人が多いです。
理科科目のセンター試験は2015年度より制度に変更が加わっているので注意が必要です。

物理基礎:18,304
化学基礎:105,937
生物基礎:133,653
地学基礎:47,092

物理:155,739
化学:211,676
生物:77,389
地学:2,126
(単位:人)

文理別 科目選択のポイント

文理別に失敗しないために押さえておきたい科目選択のポイントを紹介します。

文系

負担を軽くする組み合わせに注目
地歴・公民には重複する内容を扱う分野がある
国公立大文系学部の場合、センター試験では基本的に社会2科目の受験が必須。
暗記に時間がかかる社会科目を効率的に勉強するために、有利になりやすい組み合わせで選ぶのがおすすめです。

日本史ー倫理・政治経済
政治経済の「経済の発展」や「民主政治の歩み」などは日本史の近現代史と重複する
世界史ー倫理・政治経済
倫理の「源流思想や宗教」は世界史の文化史での学習内容と重複する 
世界史ー地理
広い世界で何が起きたか把握するのには世界地図を頭に入れることが必須。また、各国の歴史的背景をつかむことで国の特徴も掴みやすく相性GOOD。

☆大学によっては地歴の中から2科目要求されることがあるので要注意!

理系:大学でも必要になる科目をチェック
理系は大学に入ってからの勉強は、文系に比べて高校までで学習する知識を使うことがほとんど。例えば理工学部に生物選択で入った場合、入学後に周りに追いつくために独学で物理の勉強が必要になることも。大学で専攻する内容・学部学科によって必要な科目を考えて選ぶのがオススメです。

工学部 物理・化学での受験が一般的
理学部 学科によって異なり、専攻内容に関連する科目
薬学部 化学が必須
医学部・農学部 生物選択が可能(ただし、物理・化学での受験者の方が多い)

※大学によっては、受験に必要な科目と専攻で使う科目が一致しないこともあるので注意しましょう。
例)東京工業大学理学部地球惑星科学科志望の場合、2次試験は物理・化学による受験となり、地学は選択できない。

科目特徴分布図!

センター試験を踏まえて、各科目にはどんな特徴があるのかをまとめてみました! 自分の暗記や計算の得意・不得意から考えてみるのも手かもしれませんよ。

暗記量が多いと高得点で安定させやすい傾向アリ
計算量がが増えるにつれて安定して得点をとりやすい傾向アリ

日本史

年代・人物・法令・事件など覚えることが多く、センター試験では重箱の隅をつついたような問題が出ることも多い。
写真や地図、グラフや歴史的史料から読み取らせる問題も頻出だが、こういった史料は初見では読み取りが難しいので対策が必要。
負担は重いが、一旦頭に入れてしまえば、出題される問題はおおかた決まっているため安定して高得点を取りやすい科目。

世界史

日本史と同様に覚えることは多いが、基本的には「浅く広く」学ぶことになる。

センターでは日本史ほど細かいことは聞かれにくいが、時系列順に学ばないので世界中で同時代に起こったことを結びつけるのは難しい。
ただ、日本史同様安定して高得点を取りやすい科目である。

地理

世界各地域の自然・産業などについて、分野別と地域別に捉えて学ぶ科目。
暗記量は少なめで、短期間で点数を伸ばしやすい。

ただし、時事問題や図表の読み取りに関する問題も多く出題されるため、9割以上の高得点を安定させることは難しい。

現代社会

倫理と政治経済を浅く広く学ぶイメージで、時事的事項の背景・歴史なども学ぶ。

歴史科目よりは暗記量は少ないが、教科書だけでなく新聞やニュースをチェックしておくことも重要。
私大では受験可能でも、国公立大では受験できないことも多いので注意が必要。

倫理

政治、経済、芸術など様々な分野における思想について学ぶ科目。
社会科目の中では暗記量は少なめ。

日本史や地理と違い、「2単位科目」のため、受験できない大学もある。

政経

政治・経済の原理、歴史、現代における諸課題などについて学ぶ科目で、「現代社会」と重なる部分も多く、基本的には中学の「公民」をより深めたもの。

試験では、教科書の範囲内の基礎知識がを中心に出題される。
記事項は少なめだが、倫理と同じく「2単位科目」なので注意が必要。

倫理・政経

倫理と政治経済の内容を足し合わせた科目のため、暗記量は多い。
公民で唯一の4単位科目のため、「公民」というと倫理・政経しか受験できない大学もあるので注意。

地学

地球や宇宙についての構造や性質、歴史を学ぶ科目。

図・表・グラフを用いた出題が多いので、正確に読み取れるよう演習を重ねておくことが重要。
理系科目の中では暗記部分が多め。
理系の場合、地学では受験できない大学もあるので注意が必要。

生物

生命現象や生命のしくみ、進化の過程を学ぶ科目。
暗記がメインだが、実験の考察問題や計算問題も出題される。センター試験で、8割前後までは点数を伸ばしやすいが、高得点を安定させるのは難しい。
「生物基礎」は文系の人気が高い。

化学

物質の状態・性質・変化を学ぶ科目。

有機・無機分野など暗記分野も多いが、計算力が問われる問題も多い。計算問題の場合、桁数がかなり大きくなることがあるので正確で素早く計算できるように演習を積む必要がある。

どこの大学でも基本的には受験でき、理系の人気は高い。

物理

物体の運動、電気、磁気、波、電子など身の回りの物理現象について学ぶ科目。

計算問題が多いが、図やグラフを利用させたり、短文の正誤を判断させる問題も出題される。
高得点がとれるようになるまでは時間はかかるが、一旦実力がついてしまえば安定して高得点を取りやすい。

どこの大学でも受験でき、理系の人気は高い。

コラム:理科基礎について

主に文系が受験する理科基礎は、2014年度までの「理科I」とは学習内容が少し異なり、1科目あたりの負担は軽くなっていますが、原則として2科目での受験が必要となっています。
(発展科目(基礎が付いていない科目)1科目の受験も可能ですが、文系には開講していない高校も多く、また基礎2科目より負担が重いのでお勧めしません。)

どの科目を選んでも、受験できない大学はないので興味で選んで良いでしょう。

「化学基礎・生物基礎」もしくは「地学基礎・生物基礎」で受験する人が多い傾向にありますが、数学が得意であれば、「物理基礎」は短期間で高得点を狙うこともできるので検討してみる価値はあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。
じっくり考えて自分が納得できる選択をした科目なら、受験の時もきっと頑張れるはず。

この記事を参考にして、あとで後悔することのないよう科目選択を行ってくださいね。




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