小論文の書き方を徹底解説!朝日新聞から出題された大学入試問題付き

小論文の書き方を徹底解説!朝日新聞から出題された大学入試問題付き

大学入試では、小論文の出題が増えています!

近年AO入試や推薦入試を取り入れている大学が増え、小論文の出題は、年々増加していると言えるでしょう。

しかし小論文の書き方を学習する機会は少ないですよね。

この記事では東大生が、実際の大学入試問題を素材に、小論文の書き方を解説します!

この記事を読んで、小論文の書き方をマスターしましょう。

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まずは、小論文問題を見てみましょう!

以下の事例について、「トポフィリア」「空間の履歴」「空間の価値」の3つの言葉を用いて、あなたの意見を800字以内で述べなさい。

(※編集部注:トポフィリア…特定の空間に対する愛情のこと)

広島県福山市の景勝地・鞆の浦の一部を埋め立て、橋を架ける計画を県が完全撤回した。古くから瀬戸内海の「潮待ちの港」として栄えた鞆の浦には、雁木と呼ばれる階段状の船着き場や常夜灯のほか、幕末に坂本龍馬も立ち寄った風情ある街並みが残る。宮崎駿監督の映画「崖の上のポニョ」に登場する町のモデルとしても有名だ。広島県が埋め立て架橋計画をまとめたのは、83年。反対する地元住民らは訴訟で対抗した。一審の広島地裁は09年10月、「鞆の浦の景観は、国民の財産ともいうべき公益だ」として、計画を差し止めた。それから6年余り、控訴していた県と住民側が訴訟終結で合意に達した。景観保護を前面に掲げた住民運動が「動き出したら止まらない」と言われる公共事業を頓挫に追い込んだ。画期的な一例になったといえる。

鞆の浦の論争が浮き彫りにしたのは、歴史がはぐくんだ景観と、そこで暮らす住民の利便性を両立させることの難しさだ。鞆の町を貫く県道は極めて狭い。観光客の車も多く、混雑が住民の悩みだ。過疎化も深刻で、60年代に1万3千人を超えていた人口はいま5千人に満たない。「新たな橋で混雑を解消し、町の活性化を。」多くの住民が架橋計画にそういう期待を寄せたことも事実だった。

ただ、鞆の浦の景観は、古来以来の人の営みの所産であり、一度壊せば取り戻せない。海をほぼ2ヘクタール埋め立て、港を横切る橋を架ける計画は、その点で配慮が乏しかったといわざるをえない。撤回は妥当だ。良好な景観を守る大切さは、今は多くの人がうなずくところだろう。04年には景観法が制定された。法に基づき、建物などへの規制を盛り込んだ景観計画をつくった自治体は昨年9月現在で492に達する。

もっともそれまでの日本では景観よりも開発が重んじられる傾向が強かった。鞆の浦の論争はその移行期に重なった結果、不幸にも長期化した。広島県は架橋計画に代わるいくつかの案を示しているが、住民の賛否は分かれる。長年にわたってもつれた糸を解きほぐすのは容易ではない。決着を急ぐことなく、住民との話し合いを軸に事を進める必要がある。

(朝日新聞「(社説)鞆の浦 景観重視の先例に」による。ただし、出題に際して原文の一部を改めた。)

※出典:北九州市立大学文学部人間関係学科 平成29年度入試

【小論文のポイント】
最初に答案の骨子を作り、それに沿って答案を作成すべし!

小論文問題は、字数が500〜1000字と国語の記述問題等と比べ、非常に多いです。

これほどの字数で論理的な答案を作成するには、
大まかな答案の骨子を作り、そこに肉付けしていくやり方が有効です。

それでは、答案作成のポイントを紹介しながら、答案の骨子を作ってみましょう。

【ポイント1】課題文を正しく理解していることを示す。

本問のように、課題文がある問題では、課題文の内容を正しく理解できているかを示す必要があります。

ここでは指定語句の3つを課題文に対応させて使用できるか、がポイントになります。

「トポフィリア」「空間の履歴」「空間の価値」、3つの語の関係にも注意しましょう。

(骨子例)
空間の価値は、生活の拠点としての価値だけなく、空間の履歴として人々の営為が蓄積された景観も価値の一つである。そのような空間では、人々の愛着=「トポフィリア」が育まれる。

【ポイント2】課題文の主張・問題意識を示す。

課題文のもっとも伝えたいことは何かを要約して示します。

この事例では、
・問題意識
→「鞆の浦の論争が……両立させることの難しさ」
筆者の意見
→「決着を……必要がある」
と記載されています。

この意見に対する自分の考えを示せるとよりGoodです。

(骨子例)
鞆の浦の事例は歴史的景観の保護と、そこで暮らす住民の利便性の両立の難しさを浮き彫りにした。筆者は住民との話し合いを軸に事を進めるべきだと主張する。しかしそれだけでは対処療法的な効果しか生まれないのではないか。

【ポイント3】課題文に対して、自分なりの解決策を示す。

ポイント2で示した問題意識に対して、自分なりの解決策を示しましょう。

ここは、オリジナリティが必要なため、点数に差がつきやすいポイントです。

自身の興味関心や、社会問題への感性が問われるので、普段から意識しておく必要があるでしょう。時事的なネタを盛り込んでも良いかもしれません。

(骨子例)
鞆の浦の事例のような複雑な問題の解決には、都市計画の領域(理系的領域)だけでなく、景観論(文系的領域)にも精通した、学際的な人材の育成が必要なのではないかと考える。

実際の解答例はこちら!

埋め立て架橋計画について行政側と住人側とで争われた鞆の浦の事例は、歴史的景観の保護と、そこで暮らす住民の利便性の両立の難しさを浮き彫りにした。橋のない生活は不便極まりないが、それでも住民は景観が破壊されることを良しとしなかったのである。鞆の浦をはじめ、ある空間の価値というものは、単なる生活の拠点としての価値だけではない。そこに住まう人々の営為が、時を重ね空間の履歴として蓄積され、意味を付与された空間「トポス」として成立する。その空間においては、人々の空間への愛着=「トポフィリア」が育まれ、空間の価値の一つを形成している。

利便性を追求した都市計画は、ともすればそこに住まう住民の、景観に対するトポフィリアを蔑ろにしてしまう。利便性と、空間の履歴たる景観の保護の双方を両立させる都市計画が、今や求められている。

この点、筆者は性急に結論を急ぐのではなく、住民との話し合いを軸に事を進めるべきだと結論づける。住民の空間への愛着を蔑ろにした計画では、高度経済成長期の世の中ならばともかく、現代では通用しないだろう。

確かにこれも一つの方策だとは思う。しかしこの主張は対処療法的な解決策でしかない。また利便性と景観の保護がもともと相反する概念である事を考慮すれば、両者の話し合いはどこまでいっても平行線をたどる可能性も高い。

根本的な解決が達成されるためには、都市計画の領域(理系的領域)だけでなく、景観論(文系的領域)にも精通した、学際的な人材の育成が急務であると、私は考える。縦割りで硬直的な既存の大学教育から脱し、幅広い教養と理解を持つ人材が育成されなければ、このような複合的な要因が絡み合う問題は解決できない。

※あくまで一例ですので、解答はこの限りではございません。

実はこの問題、朝日新聞からの出題です!

先ほど紹介した問題は、2016年2月18日の朝日新聞の社説に掲載された文章からの出題です!

小論文の書き方を徹底解説!朝日新聞から出題された大学入試問題付き

「新聞は受験勉強に良い」とよく言われますが、
実は、このように実際の入試問題に引用されることも多いのです。

朝日新聞には良質な記事・コラムが多数掲載されています。

時事問題を学習したり、問題意識を深めて自分なりの意見を形成するのに最適です。

特に小論文対策には意見の形成が重要なので、普段から朝日新聞を読み知識を深めましょう!

大学入試対策は、夏が読みどき!

大学入試の出題は、その年の時事問題からが多く、特に5〜9月の掲載記事からが多いため、夏が読みどきと言えます!

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入試に朝日新聞の503記事が採用

朝日新聞は、小論文をはじめ、2016年度の入試に多く採用されています。

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東大生の朝日新聞活用術

小論文の書き方を徹底解説!朝日新聞から出題された大学入試問題付き

朝日新聞を高校生時代に小論文対策として活用していた東大生に、うまく活用するポイントをお聞きしました!

記事のスクラップノートを作る

現代の社会テーマから大学受験の課題文が出題され易いので、重要そうな記事を切り取ってノートにまとめていました。

記事の文章を色分けする

読解では各文がどんな位置づけのものか把握することは大切なので、記事を読む際は色ペンで色分けしていました。

最後に

朝日新聞に掲載されている「社説」では、その時に話題のニュースに対して、わかりやすく論説が加えられています。

このような社説を普段から読み、時事問題に対する自分の意見を持っておくと、大学入試の小論文にも抵抗なく取り組めるようになります。

また、こうした勉強は、大学入試だけでなく、その後の人生にも役立つものです。

ぜひ新聞等を読み、自分で考える習慣をつけてみてください!

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ぜひこの機会に、朝日新聞を読んで、小論文の対策に活かしてみてください!

※朝日新聞社調べ
2017年5月23日現在全国の大学と短期大学にアンケート調査。回答数1079。
朝日新聞、朝日ウイークリーなどの朝日新聞社発行の新聞と電子媒体(朝日新聞デジタル)を対象とした。

※大学通信調べ
2017年5月30日現在全国の大学にアンケート調査。回答数750。
対象は読売新聞(YOMIURI ONLINE)、朝日新聞(朝日新聞デジタル)、毎日新聞(デジタル毎日)、日本経済新聞(日経電子版)、産経新聞(産経ニュース)。