PDCAサイクルを使った勉強法!

はじめに

PDCAサイクルという言葉をご存知ですか?

一般的にはビジネスの世界でよく使われる手法なのですが、実は勉強の効率を上げるうえでもとっても有用なのです。

今回は定期テストの勉強を例にとって、PDCAサイクルの活用法を伝授します!

PDCAサイクルとは?

そもそも「PDCA」とは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を取ったものです。
また「サイクル」は循環の意味です。

よって、PDCAサイクルとは、P、D、C、Aの4つの行動を繰り返すことを言います。

PDCAサイクルの意味が分かったところで、次は勉強における、Plan、Do、Check、Actが何を意味するかを考えていきましょう!

定期テスト勉強におけるPDCAサイクル

今回はPDCAサイクルを定期テストの勉強に活用をした例を見てみましょう!

Plan(計画)

・目標を設定し、達成のために何をするべきか考えて、計画を立てる

定期テストで点数を取るための戦略を立てましょう。

戦略には、5W1Hを意識することが基本です。

試験対策であれば特に「What(科目や単元)、When(テスト何日前)、How(勉強方法)」に注意して計画を立てると良いでしょう。

また、計画を立てるときは、計画表を必ず作りましょう。

計画表を作る際は、以下の4つのポイントを守るようにしてください。

①試験範囲をきちんと押さえること
②その日にやることを具体的に決めること
予備日を作っておくこと
④目標を高めに設定しておくこと

予備日とは、勉強の予定が何もない日です。
完璧な計画を立てたつもりでも、実際にやってみると予想通りにいかないこともあります。この計画と実行の誤差を埋めるのが予備日です。

計画段階でやる予定だったのにできなかったことをするため、予備日を週1日は作るようにしましょう。

計画通りに勉強が進んで、予備日に補う必要がない場合は、計画段階ではやる予定はなかったけれど、余裕があるのでやっておきたいことをしましょう。

Do(実行)

・立てた計画を踏まえて、なるべく忠実に実行する

計画を立てたら、それに沿って勉強を進めましょう。

予定の8割がこなせているようであれば、基本的には計画表通りに実行しましょう。

もし計画通りにできないようであれば修正が必要ですが、多少のずれであれば、予備日で補ってください。

あとで参考にするため、その日の勉強の反省も書くようにしましょう。
勉強の進度を把握しておくことで、その後の勉強のペースを考える助けになるはずです。

具体的な観点としては、

①計画通りにやったか
②不十分な部分がないか
③勉強時間は足りているか

などを毎日しっかり記録しましょう。

Check(評価)

・当初の計画に沿って勉強でき、かつ得点が上がったかを自己評価する

テストが返却されたら、次は計画は妥当だったか・計画が実行できたかを評価します。

このCheck段階がPDCAサイクルの中で一番大切といっても過言ではありません。反省無くしては効率アップは望めないからです。

振り返るポイントは、以下の4点です。

①計画はテストを意識した十分なものであったか
②計画に基づいた試験勉強ができていたか
③勉強時間はしっかりと確保できていたか
④目標の点数と実際の点数の差の原因は何か

それぞれに良かった点と悪かった点を分析しましょう。

Act(改善)

・Checkから見えた課題の解決策を考え、今後に活かす

Checkの反省を次の定期テストにつなげましょう。Checkでの反省から、次の定期試験ではどの勉強をすべきか、どんな改善をすれば効率が上げられるかを分析します。

先ほどの評価のポイントに沿って改善をするならば、

「計画は少し詰めすぎたからもう少し緩めの計画にしてテスト対策の開始を早めよう」
「計画に沿って試験勉強は一応できたからこれを続けよう」
「勉強時間は確保できていたけど集中できていなかったから勉強場所を変えよう」
「テストでは時間配分を間違えたから難しい問題であまり悩まないようにしよう」

など、どうすれば改善できるかを具体的に考えましょう。

再びPlan(計画)

・Actで改善した勉強法で、次は具体的にどう行動すればよいか考える

Actまで完了したら、次はPlanに戻ります。Actで得た改善方法をもとに、次の定期試験ではどのように勉強するか、スケジュールを立てましょう。

前回の反省を生かした、より効率の良い計画になっているはずです。

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2020.07.07

もっと具体的な例を見てみよう!

ここではもっと具体的に、ある男の子が数学の定期試験勉強のためにPDCAサイクルを回してみた例を見てみましょう。

主人公ステータス

・合格 サプ朗
・私立サプリ学園1年生
・応援部主将
・成績は可もなく不可もなくといったところ。前回のテストで数学は66点だった。目標は高く東大を目指している。

前回のテストの総評

総評
二次関数と確率が範囲で、点数は66点。目標までもう一歩!
二次関数の応用での失点と確率の計算ミスが目立ったなあ……。

・良かった点の分析
もともと苦手分野だった二次関数で、応用問題は解けなかったけど、基本の部分でしっかりと得点できた。二次関数についての計画の立て方は良かったのかも。

・悪かった点の分析
二次関数の勉強時間を使いすぎたせいで、確率は予定より全然勉強できなかった。単元ごとにきちんと得点できるように計画をバランスよく立てるべきだな。
部活の忙しさを考えていなかったので、予定より勉強時間が少なかった。ここも反省点だ。

・良かった点は継続
苦手単元については1日に最低1問は基本問題を解くように計画を立て、かつなるべく早めに克服できるような計画を継続しよう。

・悪かった点は改善
1問解くときに制限時間を設けて、時間を取られすぎないようにして、バランスよく勉強できるようにしよう。
苦手単元の応用問題については、予備日などのまとまった時間が取れるときに対策をしてみよう。
1日の勉強時間を増やしたい。部活や睡眠時間と相談して、増やせる時間が最大どれくらいか見積もって次は計画を立てよう。

次のテストのPDCAサイクル

Plan

目標:数学は80点以上を取りたい!
テスト範囲:三角比と整数

・自己分析をする
三角比は得意分野。応用の問題でもしっかり得点しておきたい。
整数は苦手分野だから、応用の問題で得点するのは厳しいかも。

・1日の勉強量を企画
前回の反省から、予定以上に時間を使いたくないので、問題演習の際にはきっちり時間制限を設けよう。
部活の時間は減らせないから、部活後にダラダラせずにまっすぐ家に帰って勉強時間を増やそう。
三角比については、完璧にしたいから自前の問題集の応用問題を1日2題以上解いてみよう。もちろん基本でミスしたくないから、1日1題は基本問題も解くことを忘れずに。
苦手な整数は、基本問題で着実に得点したい。1日に3題~5題問題を解いて、テストまでに範囲を3周できるようにしよう。

・予備日の設定
部活が予想以上に忙しくなることを予想して、日曜日は予備日として設定しよう。
前回の反省を活かして、予備日には特に苦手な整数の『ユークリッドの互除法』をがっつり特訓しよう。

☆One Point!
どんな科目でも、得点するには試験範囲をなんども周回するのがコツ。1日にどれだけやれば範囲をうまく周回できるかを計算しましょう。範囲を試験までの日数で割るのが簡単な方法です。

Do

・テスト2週間前のとある1日
部活が忙しくて計画通りとはいかなかった。今週の予備日を使って、とりあえず範囲の勉強だけは予定に追いつきたいな。来週からはテスト1週間前で部活がないから、応用問題や弱点克服にも取り組んでみたい。

・テスト1週間前のとある1日
部活がお休みの期間に入って、勉強時間が増えた。先週の反省を踏まえて、予備日ではテスト範囲に加え、応用問題や弱点克服にも取り組めた。テスト範囲もきちんと2周はできているので、これでテストは大丈夫なはず。あとはテストに平常心で臨めれば完璧だ!

☆One Point!
計画と実行はなかなか一致しないもの。計画通りうまくいかないこともあるはずです。そんな時こそ、きちんと毎日の自分の勉強を記録しておくことが必要です。何が良くできていて何がうまくいっていないのか、計画の修正が必要なのかを週単位で細かく把握することができますよね。また、計画が上手にいってもいかなくても、記録は続けてください。次のCでより詳細な評価をしていく際に大いに役立ちます。

Check

総評
テストの点数は87点で、目標達成、満点も夢じゃない!テスト対策でやったところがテストに出たし、応用問題にもある程度冷静に立ち向かうことができた!

・良かった点の分析
前半は部活が忙しかったとはいえ、今回は前回の反省も活かして、きちんと集中的に勉強に取り組むことができたように思う。特に予備日が効果絶大だった!不足しているところを補えるし、得意な部分は伸ばせるし、これからもぜひ続けたい。

・悪かった点の分析
数学に時間を割きすぎた。普段点数が取れている英語にも勉強時間を割いて、合計点数を上げられれば完璧だったと思う。

☆One Point!
目標が達成できた際には、何はともあれまずは自分の努力を褒めましょう。良かった点をたくさん挙げて、次回以降につなげると、安定して良い点数を取ることのできる良いサイクルになっていきます。もちろんそれでも改善点はあるはず。目標が達成できても、悪い点はなかったかをDでの記録を元にくまなく調べましょう。

Act

・良かった点は継続
数学は今回満点までもう一歩だったので、次回は満点を目指して頑張ってみてもいいかもしれない。
基本的には、このやりかたを実践していこう。

・悪かった点は改善
次からは他の教科との兼ね合いをよく考える必要がありそうだ。あらかじめ教科ごとに時間を設定しておいて、なるべく時間内に終わらせる。もし終わらなければ、予備日に回すということにしよう。

☆One Point!
目標が達成できたら、さらに上の目標を設定して自分のレベルをあげましょう。具体的な数値目標は、次のPの時にでも構いません。

終わりに

PDCAサイクルは、基本的に自分にあった対策法だけが次回に持ち越されるため、サイクルを回せば回すほど、改善点が減り、質の良い勉強をすることができるようになっています。

PDCAサイクルを使って、自分の勉強をどんどんレベルアップさせていきましょう。




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