はじめに
現役で併願校に合格するも、志望校には一歩届かず。もう1年勉強すれば志望校に合格できるかもしれないけど、その保証はどこにもない。そんな時、受験生のみなさんならどのような選択をしますか?
今回は、現役時に併願校である東京理科大学経営学部に合格するも浪人することを決めて、1年後見事に慶應義塾大学商学部に合格した伊藤洋平さんにインタビューしました。
今回インタビューした方はこちら!

お名前 | 伊藤洋平さん |
出身高校 | 八王子高校 |
大学・学部・学年 | 慶應義塾大学・商学部・3年 |
現役時の受験校と結果 | 第一志望:明治大学・商学部(不合格) 第二志望:青山学院大学・経営学部(不合格) 併願校:中央大学・商学部(不合格) 併願校:東京理科大学・経営学部(合格) |
浪人時の受験校と結果 | 第一志望:慶應義塾大学・商学部(合格) 第二志望:早稲田大学・商学部(不合格) 併願校:早稲田大学・社会学部(合格) 併願校:上智大学・経済学部(合格) センター利用:明治大学・経営学部(合格) センター利用:中央大学・商学部(合格) |
現役で合格した大学のキャンパスを見に行って浪人を決意
現役時代の志望大学・学部と成績を教えてください。
商・経営学部に行きたいという志望は、現役時代から一貫していました。当時は第一志望の明治大学をはじめ、MARCH(※)のどれかに合格したら進学するつもりでした。おしゃれで、女の子がたくさんいて……。そんなキラキラした大学生活が送れそうだなと憧れていたんです(笑)
しかし、現役時代の模試の判定はすべてE判定でした。MARCHは全て不合格で、合格したのは東京理科大学と日本大学だけでした。
※明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の5大学のこと。
どうして浪人を決めたのですか。
もう1年受験生をやるのは辛いし、自分の成績ではダメじゃないかと迷いました。
「進学か浪人かを決める前に、とりあえず大学を見に行こう」と、合格後初めて東京理科大学に行きました。実際にキャンパス行ってみて「自分の思い描いていた学生生活と違うな」と思ったんです。
また、「理科大学なのに、文系学部なんだ」という会話を4年間で何回するんだろう……と想像しちゃったんですよね。
両親に話したところ、現役時代にラストスパートをかけて頑張っていたのを知ってくれていたので、自分の意思を尊重して応援してくれました。
河合塾に入って勉強法を一新!
現役時代、どうして不合格になったと考えていますか?
まず、好きな科目の日本史ばかりを勉強して、嫌いな英語を放置していたことが敗因です。
次に、現役時代は授業を受けるだけで、予習・復習が出来ていませんでした。基礎が固まっていない状況なのに、とにかく過去問や演習問題を解き続けていたのも良くなかったと思います。
基礎がなっていないのに演習をしても成績って伸びないんですよね……。当時はとにかく量をこなそうと盲目的になっていたことに気づきました。
また、部活が6月に引退で受験勉強を始めたのが遅かったうえに、引退後の夏休みに勉強を頑張りすぎて燃え尽きていたことも自覚していました。
現役時代は穴がたくさんあったので、「この穴を埋めれば成績が上がる」という確信が持てたんです。少しずつ成績が上がっていたので、「あと1年を全力で勉強すれば受かるのでは?」と思い、浪人を決めました。
河合塾に入って、勉強方法は変わりましたか?
はい。河合塾の講師は科目の指導だけでなく、予習・復習の仕方まで細かく教えてくれたので、現役時代のように闇雲に量をこなす勉強をしなくなりました。自分は市販の問題集は一切使わず、河合塾のテキストだけを使っていましたね。
また、疑問を持った部分があったら、授業後に必ず質問に行くようにしていました。
ちゃんと授業を受けていたら、1つは疑問を持つ部分があると思うんです。現役時代の反省から、わからない部分はその場で解決していくことを心がけていました。河合塾の講師は自分の疑問が解決するまでしっかり説明をしてくれました。
他にも、浪人時代に工夫していたことはありますか?
河合塾にはたくさんの講師がいたので、師事する講師から言われた通りに予習・復習をしました。
「これをやったら絶対受かる!」って言ってくれる熱い先生が好きでしたね(笑)根性論じゃなくて「どうしてこれをやったら受かるのか」という理屈が通っていたので、安心して勉強を進めて行くことができました。
また、常に計画を立ててから勉強をしていました。
模試毎に目標を立て、そのためには1ヶ月で何をすればいいか、じゃあその1ヶ月のためには1週間で何を、そして今日は何を勉強をすべきか、と常に逆算してから勉強していたので、勉強の穴が確実に埋まっている実感がありました。
ちなみに、落ち込んだ時は一旦勉強をやめ1日だけ休んでいました。そうすると気力も戻ってきて、次の日から全力で勉強できましたね。
現役時代から偏差値が20も上がっていますが、成績の推移はいかがでしたか?
努力の甲斐あって、浪人して最初の模試で、いくつか A判定が出ました。夏より前の模試は現役生が習っていない範囲も出題されるので、浪人生は良い成績が出やすいんですよね。
実は浪人生が大変なのはここから。夏以降に現役生が急成長する中で、いかに高い成績を維持し続けるかが肝になります。ですから自分も、浪人生のあるタイミンで成績が急上昇したのではありません。夏以降もA~B判定を維持し、現役生に追いつかれないよう徐々に偏差値を上げていきました。
一発逆転!センター利用で現役時の志望校に合格
浪人して受けた入試の結果はどうでしたか?
まず、現役時代は不合格だったMARCHにセンター利用で合格できました。そのおかげで併願校を受ける必要がなくなり、早慶上智の対策に時間を使えたのは大きかったです。
ただ、合格したことに浮かれ、第一志望の慶應義塾大学商学部の入試で気が緩んでしまったことは反省点です。休み時間に「今年の英語は簡単だね」と言っている人がいて、試験の帰りにマクドナルドでポテトを食べながら泣きました。
慶應義塾大学は落ちたと思ったので、気持ちを切り替えて早稲田大学にむけた勉強を始めたのを覚えています。蓋を開けてみたら、早稲田大学商学部は不合格、慶應義塾大学商学部は合格でしたが(笑)
最後にメッセージをお願いします。
浪人するか迷っている人は、「1年後にどんな自分になりたいか」を想像してみてください。
進学した先に、なりたい自分が見えなかったり、後悔するなと思ったりしたら、浪人するべきだと自分は思います。
もちろん、浪人すると決めたら、浪人の費用を負担し、チャンスをくれた家族への感謝を忘れないでください。
そして、全力で勉強と向き合ってくださいね。応援しています。