接線の方程式について
接線の方程式は図形と方程式の中でも基本的な事項です。直線の方程式と微分を理解していればすぐに理解することができます。
しかし、応用的な問題の中で必要になることもあり、正確な理解が欠かせない分野でもあります。
今回は接線の方程式を求める公式を紹介し、実際に問題を解いてみますので、初めて習う人も復習の際に利用する人も参考にしてください。
接線の方程式を求める公式
接線の方程式は以下のようにして求められます。
接線とはその名の通り、接している直線のことです。この公式がどうして成り立つのかを解説します。
証明というほどでもないので数学が苦手な人でもチャレンジしてみてください。
接線は直線ですので、「傾き」と「通る点の座標」がわかれば一つに定まりますよね。
傾きに関してですが、
\(y=f(x)上の点(a,f(a))における接線の傾きはf'(a)\)
という微分の基本的な性質から導けますね。
通る点に関してですが、これは当然\((a,f(a))\)を通ることがわかります。
一般に傾きm,点(s,t)を通る直線の方程式は
\(y-t=m(x-s)\)
つまり
\(y=m(x-s)+t\)
と表されます。
今回の場合、傾きは\(f'(a)\)、通る点は\((a,f(a))\)なので
\(y=f'(a)(x-a)+f(a)\)
とすることで接線の方程式を求めることができるのです。
要するに、傾きが\(f'(a)\)で\((a,f(a))\)を通る直線の方程式を表しています。
接線の方程式の使い方
実際に問題を解いて接線の方程式の基本をマスターしましょう。
問題1
\(y=x^2-4x+5\)上の点(3,2)における接線の方程式を求めよ。
問題1の解答・解説
公式をそのまま適用することで求めることができます。
\(f(x)=x^2-4x+5\)
とすると
\(f'(x)=2x-4\)
となるので
\(f'(3)=2・3-4=2\)
よって公式を当てはめると
\begin{align}
y&=f'(a)(x-a)+f(a)\\
&=f'(3)(x-3)+2\\
&=2(x-3)+2\\
&=2x-4
\end{align}
よって、\(y=2x-4\)となることがわかります。
問題2
直線\(y=2x^2-3x\)について
傾きが5である接線の方程式を求めよ。
問題2の解答・解説
こちらはどこで接するかが与えられていませんが、傾きを利用して接する座標を求めることができます。
\(f(x)=2x^2-3x\)とすると
\(f'(x)=4x-3\)
\(f'(x)=5\)となるから
\(4x-3=5\)
よって\(x=2\)
\(f(2)=2・2^2-3・2=2\)
これより、傾きが5である接線は(2,2)を通る。
傾きと通る点がわかったので方程式を求めると
\(y=5(x-2)+2\)
\(y=5x-8・・・答\)
このように接線の傾きと通る点がわかれば自動的に方程式を求めることができます。
接線の方程式は直線の方程式がわかれば解ける
以上のように接線の方程式は直線の方程式の1パターンに過ぎません。
説明が難しく感じられた方がいれば、直線の方程式から復習することで理解できるようになります。
入試ではもう少しひねられた問題がでますが、まずは基本的な問題から解けるようにしておきましょう。