はじめに
この記事では、よく使う微分の公式をまとめました!
微分の問題は、「定義通り微分せよ」という指示がない限り丸暗記で対応できます。
つまり覚えたもの勝ちなのです。
今回は文理共通の数Ⅱの微分から、数Ⅲの微分まで紹介します。
すべて覚えてしまって、問題を解くスピードをアップしましょう!
定義通りの微分が知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
目次
数Ⅱの微分公式
数Ⅱでは、整式の微分を扱います。
定数の微分公式
定数の微分は、いつでも\(0\)です。
\[(a)’=0\]
\(x^n\)の微分公式
数Ⅱまでの範囲では、\(n\)は\(0\)以上の整数しか出てきません。
\(n=0\)、つまり定数関数の場合だけ特別で、いつでも\(0\)になります。
\(n\)が自然数のときは
\[(x^n)’=nx^{n-1}\]
となります。頻出なので、絶対に覚えましょう。
\(f(x)+g(x)\)の微分公式
関数の和はそれぞれで微分してそのまま足すだけです。
\[(f(x)+g(x))’=f'(x)+g'(x)\]
\(af(x)\)の微分公式
定数\(a\)と関数\(f(x)\)の積の微分は、関数部分だけ微分して、
\[(af(x))’=af'(x)\]
となります。
数Ⅱの微分の練習問題
それでは練習問題を解いて理解を深めましょう!
問題1
\[f(x)=x^5\]を微分しなさい。
解答
\[f'(x)=\displaystyle (x^5)’=5x^4\]
問題2
\[f(x)=x^3+4x+1\]を微分しなさい。
解答・解説
和の微分はそれぞれで微分して足し合わせるのでしたね。
\[f'(x)=\displaystyle (x^3)’=3x^2\] \[f'(x)=\displaystyle (4x)’=4\] \[f'(x)=\displaystyle (1)’=0\] であるから、
\[f'(x)=\displaystyle f'(x)=3x^2+4\]
数Ⅲの微分公式
数Ⅲでは、いろいろな関数の微分を扱います。
初めはややこしく感じるかもしれませんが、繰り返し練習して、少しずつ覚えていきましょう。
\(log_{e}x\)の微分公式
\[\displaystyle (log_{e}x)’=\frac{1}{x}\]
\(log_{a}x\)のように、底がeでない場合は底の変換をしてから微分するといいでしょう。
\[\displaystyle (log_{a}x)’\] \[=\displaystyle (\frac{log_{e}x}{log_{e}a})’\] \[=\displaystyle \frac{1}{xlog_{e}a}\]
\(e^x\)の微分公式
\(e^x\)は微分しても変わりません。覚えやすいですね。
\[\displaystyle (e^x)’=e^x\]
\(a^x\)の微分公式
\(a^x\)の微分には、ちょっと変わったおまけがついてきます。
\[\displaystyle (a^x)’=a^xlog_{e}a\]
\(sin x\)の微分公式
\(sin x\)を微分すると、\(cos x\)になります。
\[\displaystyle (sin x)’=cos x\]
\(cos x\)の微分公式
\(cos x\)を微分すると、\(sin x\)におまけがついてきます。
\[\displaystyle (cos x)’=-sin x\]
\(tan x\)の微分公式
\(tan x\)の微分はちょこっと複雑です。
\[\displaystyle (tan x)’=\frac{1}{cos^2 x}\]
積の微分公式
関数の積を微分するときは、片方ずつ微分したものを足します。
\[\displaystyle (f(x)g(x))’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)\]
商の微分公式
商の微分はちょっと複雑です。分子の順番に注意して、確実に覚えましょう。
\[\displaystyle (\frac{f(x)}{g(x)})’={\frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{g(x)^2}}\]
合成関数の微分公式
合成関数の微分は、ややこしく見えるかもしれません。
しかしよく見ると、
「外の関数を(中の関数は気にせずに)微分」
→「中の関数を微分」
というマトリョーシカのような構造になっていることが分かります。
\(y=f(u)\)
\(u=g(x)\)
のとき
\[\displaystyle \frac{dy}{dx}={\frac{df}{du}}{\frac{du}{dx}}\]
逆関数の微分公式
\(y=f(x)\)
\(x=g(x)\)
とするとき
\[\displaystyle \frac{dy}{dx}=\frac{1}{{\frac{dx}{dy}}}\]
数Ⅲの微分の練習問題
それでは練習問題を解いて理解を深めましょう!
問題1
\(f(x)=12e^x\)を微分しなさい。
解答・解説
\(e^x\)は微分しても変わりませんでしたね。
\[f'(x)=\displaystyle 12(e^x)’=12e^x\]
問題2
\(f(x)=sin 3x+2cos x\)を微分しなさい。
解答・解説
\(sin 3x\)の微分は、合成関数の微分の簡単なパターンです。
\[\displaystyle (sin 3x)’=3cos 3x\]
\[\displaystyle (2cos x)’=-2sin x\]
なので、
\[f'(x)=\displaystyle 3cos 3x-2sin x\]
問題3
\(f(x)=e^x{log_{e}x}\)を微分しなさい。
解答・解説
積の微分は片方ずつ微分して足すのでしたね。
\[f'(x)=\displaystyle e^x{log_{e}x}+e^x{\frac{1}{x}}\]
問題4
\(f(x)=\frac{x+2}{x^2+2}\)を微分しなさい。
解答・解説
商の微分は少々複雑。分子は順番を間違えないように。
\[f'(x)=\displaystyle \frac{1(x^2+2)-(x+2)2x}{(x^2+2)^2}\] \[=\displaystyle \frac{-x^2-4x+2}{(x^2+2)^2}\]
問題5
\(f(x)=\frac{tan x}{x}\)を微分しなさい。
解答・解説
\(tan x\)の微分は難しそうに見えますが、使いこなせるようになっておきましょう。
\[f'(x)=\displaystyle \frac{\frac{1}{cos^2 x}x-{tan x}・1}{x^2}\] \[=\displaystyle \frac{x-{sin x}{cos x}}{x^2cos^2 x}\]
問題6
\(f(x)=log_{e}{(e^x+x^2+2)}\)を微分しなさい。
解答・解説
合成関数の微分の問題です。マトリョーシカを思い出しましょう。
\[f'(x)=\displaystyle \frac{1}{e^x+x^2+2}・(e^x+2x)\]
おわりに
いかがでしたか?
微分は繰り返し問題を解くうちにだんだん覚え、スピードアップできます。
ぜひ何度も練習してマスターしてくださいね。