はじめに
積分は微分と同じく数学Ⅱで習う、非常に重要な分野の1つです。
積分は面積を求める際にも利用され、苦手にしてしまっては他の受験生に差をつけられてしまいます。
今回は積分の基礎について解説するので、初めて習う人や、数学が苦手な人にも参考にしてください。
積分の基礎
不定積分の定義・やり方
関数\(f(x)\)があるとき、微分すると\(f(x)\)になる関数を\(f(x)\)の不定積分、または原始関数と呼びます。
例えば、\((x^2)’=2x,(x^2+2)’=2x,(x^2-3)’=2x\)
となることは微分がわかっていればいいですよね。
どれも微分すると2xとなるので
\(x^2,x^2+2,x^2-3\)はいずれも2xの不定積分です。
このように不定積分は無数にあります。
しかし異なる部分は定数部分(上の例の2,-3など)だけです。
そこで任意の不定積分は次のように表せます。
ある\(f(x)\)の不定積分を\(F(x)\)とすると
\(F(x)+C\)(Cは定数)
これを記号で表すと以下のようになります。
「∫」の読み方はインテグラルです。
このように関数\(f(x)\)の不定積分を求めることを積分するといい、Cを積分定数といいます。
不定積分の公式
不定積分は次のようにして計算することができます。
この公式を利用する前に、\(x^2\)の不定積分を計算してみましょう。
\(x^3\)を微分すると\(3x^2\)になるのは良いですよね。
これに\(\frac{1}{3}\)を掛けると
\((\frac{1}{3}x^3)’=x^2\)
となります。よって\(x^2\)の不定積分は
\(\frac{1}{3}x^3+C\)
となります。これを一般化した形が上の公式です。
\(x^n\)の不定積分は
\(\frac{1}{n+1}x^{n+1}\)
で表すことができます。
不定積分の性質
これで\(x^n\)については問題ありませんが、\(x^2+2x-4\)はどのように表したら良いでしょうか。
そこで登場するのが一般の不定積分について成り立つ以下の法則です。
難しく見えるかもしれませんが、要するに積分した後にkを掛けても値が変わらないということ。
足したり引いたりしてから積分しても、積分してから足したり引いたりしても同じになるということです。
以上を利用すると\(x^2+2x-4\)の不定積分は以下のように表されます。
\(\int(x^2+2x-4)dx\)
\begin{align}
&=\int(x^2)dx+\int(2x)dx-\int(4)dx\\
&=\frac{1}{3}x^3+2・\frac{1}{2}x^2-4・\frac{1}{1}x+C\\
&=\frac{1}{3}x^3+x^2-4x+C
\end{align}
それぞれの性質を利用することで求めることができましたね。
本当に正しく積分できているか、微分して確かめてみましょう。
\((\frac{1}{3}x^3+x^2-4x+C)’=x^2+2x-4\)
元と同じ関数になりました。正しく積分できていることがわかります。
積分は計算量が多いので、間違えてしまう可能性が高いです。
時間に余裕があるようでしたら微分して検算する癖をつけておくといいですよ。
定積分について
不定積分に加えて定積分というものを習います。
\(f(x)\)の不定積分の1つを\(F(x)\)とするとき
\(F(b)-F(a)\)
を\(f(x)\)のaからbまでの定積分といいます。
例えば、\(f(x)=3x^2\)のとき\(F(x)=x^3\)なので
\(f(x)\)の-2から4までの定積分は
\begin{align}
F(4)-F(-2)&=(4)^3-(-2)^3\\
&=64-(-8)\\
&=72
\end{align}
と特定の値が定まります。
定積分については以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
微分と積分の関係について
積分についての一番大事なイメージは、微分の反対であるということです。
ある関数を積分したものを微分すれば元の関数に戻ります。
逆に微分したものを積分すれば(積分定数Cは不明ですが)元の関数が求まります。
具体的な計算は紹介した公式に丁寧に代入することで行いましょう。
これから積分の問題を何題も解くことになるので、確実に計算ができるように繰り返しましょう。