はじめに
皆さんこんにちは、今回は係り結びの法則を取り上げます。
係り結びの法則は知識さえ持っておけば、実際に文章を読まなくても解ける問題が多く、安定した得点源になり得ます。
短時間で係り結びの法則を復習するため、本記事を活用してください!
係り結びの法則とは?
まずは、係り結びの法則とは何かを確認しましょう。
文は普通、終止形か命令形で終わりますが、文中に係助詞「ぞ」「なむ」「や」「か」がある場合は文末が連体形に、「こそ」がある場合は文末が已然形になります。
例えば、「水流る」という文に上記の係助詞がつくと、
水ぞ流るる
水なむ流るる
水こそ流るれ
・・・と活用します。
結びの省略
係助詞が文中にあっても、結びとなるはずの述部が省略される場合があります。基本的に書かなくても推測できる場合のみです。
(どういうことがあるのか。(あろうはずがないだろう))
結びの流れ
係助詞が文中にあっても、結びとなるはずの述部で文末を迎えずに下に続いた場合は係り結びは成立しません。
(宮中からお出かけになっていたので、)
疑問の挿入句
係り結びの法則は、本来は「~係助詞…結び」の形ですが、挿入句の場合は結びの直後が読点で、「~係助詞…結び、」になります。
幸せになったのか、不幸になったのか。どこへ去ったかもわからない。
※挿入句は疑問文が圧倒的に多いです!
それでは、実際の問題で確認してみましょう!
係り結びに関する練習問題
≪1≫( )に入る過去の助動詞「けり」を適切な形に活用しなさい。
(1)七夕まつるこそなまめかし( )。(徒然草・十九)
(2)よろづの遊びをぞし( )。(竹取物語・かぐや姫の生ひ立ち)
≪1≫の解答
(1)けれ
係助詞「こそ」の結びで已然形になります。
訳:七夕祭はなまめかしさがある。
(2)ける
係助詞「ぞ」の結びで連体形になります。
訳:あらゆる音楽を奏した。
≪2≫次の係助詞の結びはどうなっているか説明しなさい。
(1)うらなく言ひ慰まむこそうれしかるべきに、さる人あるまじければ、(徒然草・十二)
(2)ひとり歩かむ身は、心すべきことにこそ。(徒然草・八九)
≪2≫の解答
(1)結びの流れ
「こそ」の係りを受けて本来は「べき」が已然形「べかれ」に活用するが、文が下に続くため、省略されている。
訳:裏表なく話し合って慰め合えれば嬉しいのだけど、そのような人はいないだろうから、
(2)結びの省略
「こそ」の下に本来はある「ある」の係りを受けた形「あれ」が省略されている。
訳:一人で歩くような道は、注意しなければならないこと
≪3≫空欄P・Qに入るもっとも適切な語を、次の中からそれぞれ一つ選んで適切な活用形に直し、解答欄に記入しなさい。【学習院大学】
選択肢 けり/けむ/む/ず/まじ
屋おほきなれども人のありげもなし。ただ女一人ぞあるけはひし( P )。
(女は旅人に)「おのれがこがね金千両をお負ひ給へり。そのわきまへしてこそ出で給は( Q )」といへば、(『宇治拾遺物語』)
≪3≫の解答
P ける Q め
応用問題です。助動詞の使い方も知っている必要がありますね。
P…「大きい家だが、人がいそうもない。ただ女性が一人いる気配がした。」という文脈なので、過去の助動詞「けり」を選びます。
推量の意味が入る余地はありません。
あとは、係り結びの法則の問題です。係助詞「ぞ」の係り結びで連体形「ける」となります。
Q…「(あなたは)私の金貨千両を借金している。その借金を返して出発なさるのがよい。」と女は旅人に向かって言っているので、適当・勧誘の「む」を選びます。
「む」は係助詞「こそ」の係り結びで已然形「め」となります。
ちなみに、適当・勧誘の「む」は「こそ」の係りを受けることが多いです。
かがり結びの法則は試験でよく狙われる
いかがでしたか?
係り結びの法則は覚える事は少ないですが、試験ではよく狙われるポイントです。
しっかりと頭に入れて、確実に得点していきましょう!