正弦定理・余弦定理の使い分け
正弦定理・余弦定理は必ずといっていいほど入試問題ででてくる定理です。
しかし、実際に問題に当たった時に、「どっちの定理を使えばいいかわからない…」ということはありませんか?
今回は、どっちを使えばいいかわかりにくい正弦定理と余弦定理の使い分け方を解説します!
ぜひ最後まで読んで、正弦定理・余弦定理を自在に使いこなせるようになりましょう!
正弦定理と余弦定理が何かわからない!という方は、詳しく解説してある記事があるのでこちらを参考にしてみてください!
目次
正弦定理・余弦定理の使い分けのコツ
基本的に三角比が絡むほとんどの問題は、正弦定理・余弦定理どちらを使っても解けるようになっています。
しかし、問題によって正弦定理を使うべきか余弦定理を使うべきかは変わってきます。
相性の悪い方の定理を使ってしまうと計算が煩雑になり、時間がかかったり計算ミスをしたりしてしまうので注意が必要です。
今回は三角比の問題を3パターンに分類して、それぞれの問題についてどちらの定理を使えばいいか解説します!
正弦定理・余弦定理の使い分け①:1辺とその両端の角がわかっている問題
※赤字が問題で与えられていて、青字が求めたい部分
手順① 三角形の内角の和が180°であることを利用して残りの1角を求める
まず\(\angle A + \angle B + \angle C = 180°\)より
$$\angle A = 180° – (\angle B + \angle C)$$
となり\(\angle A\)が求まります。
手順② 正弦定理で残りの2辺を求める
\(\angle A\)が求まったので、正弦定理より、
$$\displaystyle \frac{ a }{ \sin A } = \displaystyle \frac{ b }{ \sin B } = \displaystyle \frac{ c }{ \sin C}$$
という等式が導けるので、この等式から\(b\)と\(c\)を求めることができます。
例題
\(a\)を求めなさい。
例題の回答
まず\(\angle A + \angle B + \angle C = 180°\)より
$$\angle A = 180° – (15° + 120°)$$
となり\(\angle A=45°\)
正弦定理より、
$$\displaystyle \frac{ a }{ \sin 45° } = \displaystyle \frac{ 3 }{ \sin 120°}$$
よって\(a = \sqrt{ \mathstrut 6 } \)
正弦定理・余弦定理の使い分け②:2辺とその間の角がわかっている問題
手順① 余弦定理を使ってaを求める
$$a^2=b^2+c^2-2bc\cos C$$
より\(a\)を求めます。
手順② 余弦定理を使って\(\angle B\)を求める
手順①より\(a\)が求まったので、さらに余弦定理(の変化形)を活用し
$$\cos B = \displaystyle \frac{ c^2 + a^2 – b^2 }{ 2ca }$$
により、\(\cos B\)を求めます。
手順③ 三角形の内角の和が180°であることを使って\(\angle C\)を求める
\(\angle C = 180° – (\angle A + \angle B)\)より\(\angle C\)
より、\(\angle C\)が求まります。
例題
\(\angle B\)を求めなさい。
例題の回答
$$a^2=b^2+c^2-2bc\cos C$$
より
$$a^2 = ( 2 \sqrt{ \mathstrut 3 } )^2 + ( 3 + \sqrt{ \mathstrut 3 } )^2 – 2\dot ( 2 \sqrt{ \mathstrut 3 } ) \dot (3 + \sqrt{ \mathstrut 3 } ) \dot \cos 30° $$
よって\(a = \sqrt{ \mathstrut 6 }\)
また
$$\cos B = \displaystyle \frac{ c^2 + a^2 – b^2 }{ 2ca }$$
より
$$\cos B = \displaystyle \frac{ (3 + \sqrt{ \mathstrut 3 })^2 + ( \sqrt{ \mathstrut 6 })^2 – (2\sqrt{ \mathstrut 3 })^2 }{ 2(3+\sqrt{ \mathstrut 3 })(\sqrt{ \mathstrut 6 }) } \\ = \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ \mathstrut 2 }}$$
よって
$$\angle B = 45°$$
正弦定理・余弦定理の使い分け③:3辺がわかっている問題
手順① 余弦定理を使って\(\angle A\)を求める
余弦定理(の変化形)を活用し
$$\cos A = \displaystyle \frac{ b^2 + c^2 – a^2 }{ 2bc }$$
により、\(\cos A\)を求めます。
手順② 余弦定理を使って\(\angle B\)を求める
同様にして、余弦定理(の変化形)を活用し
$$\cos B = \displaystyle \frac{ a^2 + c^2 – b^2 }{ 2ac }$$
により、\(\cos B\)を求めます。
手順③ 三角形の内角の和が180°であることを使って\(\angle C\)を求める
\(\angle C = 180° – (\angle A + \angle B)\)より\(\angle C\)
より、\(\angle C\)が求まります。
例題
\(\angle A\)と\(\angle B\)を求めよ。
例題の回答
$$\cos A = \displaystyle \frac{ b^2 + c^2 – a^2 }{ 2bc }$$
より
$$\cos A = \displaystyle \frac{ (2\sqrt{ \mathstrut 3 })^2 + (3 + \sqrt{ \mathstrut 3 })^2 – (\sqrt{ \mathstrut 6 })^2 }{ 2(2\sqrt{ \mathstrut 3 })(3 + \sqrt{ \mathstrut 3 }) }$$
よって
$$\cos A = \displaystyle \frac{ \sqrt{ \mathstrut 3 } }{ 2 }$$
$$\angle A = 30°$$
同様に
$$\cos B = \displaystyle \frac{ a^2 + c^2 – b^2 }{ 2ac }$$
より
$$\cos B = \displaystyle \frac{ (\sqrt{ \mathstrut 6 })^2 + (3+\sqrt{ \mathstrut 3 })^2 – (2\sqrt{ \mathstrut 3 })^2 }{ 2\sqrt{ \mathstrut 6 }(3+\sqrt{ \mathstrut 3 })}$$
よって
$$\cos B = \displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{ \mathstrut 2 } }$$
$$\angle B = 45°$$
正弦定理・余弦定理の使い分け方のまとめ
いかがだったでしょうか。
正弦定理と余弦定理の使い分け方、わかりましたか?
最後にもう一度まとめておきますね!