二次方程式の問題の解き方
二次方程式は中学の数学の中でも難しい部類に入る単元の一つです。
しかし、難しいからといって諦めてはいけません。
なぜなら、高校受験で頻出ですし高校に入ると当たり前のように使われるからです。
高校受験や、高校での数学を攻略するには二次方程式をマスターしておく必要があります。
この記事で、二次方程式の問題の解き方を知り、周りとの差をつけましょう!
目次
二次方程式って?
そもそも二次方程式、ましてや方程式とは何なのでしょうか?
方程式とは定義では「変数の特定値についてだけ両辺が等しくなる等式のこと」をいいます。
方程式の逆は、恒等式といいます。
恒等式は、変数がどのような値にあっても両辺が等しい等式です。
わかりづらいので、例を出して説明します。
皆さんは方程式といえば、「\(x-3=5\)」や「\(3t=6-2t\)」のような式を思い浮かべるのではないでしょうか?
その通りです。
方程式とは、式の中に値のわからない\(x\)や\(t\)といった文字(変数といったりします)が含まれているような等式のことを言います。
今挙げた方程式は一次方程式です。では、「二次」方程式はどうでしょうか?
二次方程式は\(x\)や\(a\)といった文字の右上にある数字の最大値が\(2\)の方程式です。
文字の右上にある数字のことを指数といったりもします。
また一次の場合指数は省略します。(つまり\(x^1\)とは書きません)
例えば、\(x^2-4x+8=0\)や\(a-4=a^2\)のような方程式が二次方程式です。
また、変数がどのような値のときに等式が成り立つかを決定することを「方程式を解く」といいます。
解いた結果出てくる等式を成り立たせる変数の値のことを「方程式の解」といいます。
例えば、\(4x-3=3x+5\)という方程式を\(x=8\)というふうにすることを方程式を解くといい、ここで出てきた\(8\)という値がこの方程式の解ということになります。
ちなみに、\(n\)次方程式の解は\(n\)個あると決まっています。なので、二次方程式の解は基本\(2\)つです。
二次方程式の解は基本\(2\)つといいましたが例外があります。
例えば\(x^2=0\)のように、解が\(x=0\)しかない場合は解は\(1\)つです。
また、\(x^2+x+17=0\)のように解が\(1\)つもないこともあります。
二次方程式の解き方
次に、二次方程式の解き方に移りましょう。
二次方程式の解き方には大きく\(3\)つやり方があります。
二次方程式の解き方その1:平方根
1つ目は平方根(またの名をルートといいます)を使った解き方です。
まずは例題をみてみましょう。
例題
次の二次方程式を解け。
(1)\(2x^2-18=0\)
(2)\(2(x-4)^2=14\)
例題の解答・解説
(1)の方針はどちらかの辺を\(x^2\)だけにすることです。
したがって、今回は左辺を\(x^2\)だけにするために、\(18\)を右辺に移項して両辺を\(2\)で割ります。
よって、\(x^2=9\)
求める解は\(x=\pm√9=\)\(\style{ color:red; }{ \pm3 }\)となります。
\(\pm√9=\pm3\)であることに注意です。
次に(2)に移ります。この問題は前問とは違い\((x-4)^2\)をひとまとまりとして扱います。
したがって、両辺を\(2\)で割ると\((x-4)^2=7\)
二乗を取り除いて\(x-4=\pm√7\)となります。
あとは\(4\)を右辺に移項して、
\(\style{ color:red; }{ x=\pm√7+4 }\)が求める解となります。
平方根の計算を使う二次方程式の形は基本的に決まっています。
二次方程式の解き方その2:因数分解
次は因数分解です。これが二次方程式を解く上でもっともメジャーなやり方だと思います。
因数分解についてはこちらの記事を参考にしてください。
例題で確認してみてください。
例題
次の二次方程式を解け。
(1)\(x^2-4x=0\)
(2)\(x^2-5x+4=0\)
例題の解答・解説
(1)は共通項の\(x\)でくくれそうです。
よって、\(x^2-4x=0\)は\(x(x-4)=0\)とできます。
\(x\)と\((x-4)\)の間は掛け算になっているので、\(x=0\)または\(x-4=0\)のどちらかになります。
これが因数分解で二次方程式が解ける仕組みです。
\(x=0\)または\(x-4=0\)により、この二次方程式の解は\(\style{ color:red; }{ x=0,4 }\)となります。
(2)もまず因数分解をします。
\(x^2-5x+4=0\)は\((x-1)(x-4)=0\)と因数分解できることから、\(x-1=0\)または\(x-4=0\)であることがわかります。
よって、この二次方程式の解は\(\style{ color:red; }{ x=1,4 }\)となります。
因数分解で二次方程式を解くことは、中学でも高校でも日常茶飯事なので、たくさん問題を解いて慣れてしまいましょう!
二次方程式の解き方その3:解の公式
これまでに紹介した平方根、因数分解のどちらもできないときに使う最終兵器が、この解の公式です。
解の公式は二次方程式に限り、無理矢理に解を求めることができる少々乱暴なやり方です。
二次方程式\(ax^2+bx+c=0(a \neq 0)\)の解は解の公式を使って\[\displaystyle \frac{ -b\pm\sqrt{ b^2-4ac } }{ 2a }\]と表すことができます。
証明を軽くしておきます。
二次方程式\(ax^2+bx+c=0(a \neq 0)\)を平方完成して、\[a\left(x+ \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c=0\]
整理して、\[a\left(x+ \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2=\displaystyle \frac{ b^2-4ac }{ 4a }\]
両辺を\(a\)で割って、\[\left(x+ \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2=\displaystyle \frac{ b^2-4ac }{ 4a^2 }\]
よって、\[\left(x+ \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )=\pm \displaystyle \frac{ \sqrt{ b^2-4ac }}{ 2a }\]
\(\displaystyle \frac{ b }{ 2a }\)を右辺に移行して、\[\style{ color:red; }{ \displaystyle \frac{ -b\pm\sqrt{ b^2-4ac } }{ 2a } }\]が証明できました。
これを使った例題をみてみましょう。
例題
二次方程式\(x^2-5x-7=0\)を解け。
例題の解答・解説
この問題では、平方根や因数分解は使えそうにありません。
そこで解の公式の登場です。
公式通りに値を当てはめていくと
\(x=\displaystyle \frac{ -(-5)\pm\sqrt{ (-5)^2-4×1×(-7) } }{ 2×1 }\)
整理すると、\(\style{ color:red; }{ x=\displaystyle \frac{ 5\pm\sqrt{ 53 } }{ 2 }}\)となります。
二次方程式の練習問題
最後に少し応用の問題を解いて終わりにしましょう。
問題
\(x^4-13x^2+36=0\)を解け。
問題の解答・解説
二次方程式がテーマなのになぜか四次方程式が出てきました。
では、全く解けないのでしょうか?いや、そんなことはありません!
今回は四次方程式にしても指数が\(4\)と\(2\)しかありません。
そこで\(x^2\)を仮に\(A\)とおいて、無理矢理二次方程式にできないかと考えます。
その解答が以下のようになります。
\(x^2=A\)とおく。
元の四次方程式は\(A^2-13A+36=0\)とすることができる。
因数分解して、\((A-4)(A-9)=0\)
よって、\(A=4,9\)
\(A=x^2\)だったので、元に戻して\(x^2=4,9\)
よって、求める解は\(\style{ color:red; }{ x=\pm2,\pm3 }\)となります。
まとめ:二次方程式の解き方をマスターせよ!
いかがでしたか?
二次方程式の問題には色々な種類の問題が出されますが、全ての問題はこれまでに挙げた解法のどれかで解くことができます。
しかし、どの解き方だとうまくいくのかは経験に依存するところが大きいのが事実です。
冒頭でも言いましたができるだけたくさんの問題を解いて、解法をマスターすることが必要です。
解の公式などを忘れた場合はいつでもここに戻って確認するようにしてくださいね。