はじめに
今回は東大英語リスニングの勉強法を紹介したいと思います。
日々リスニングの試験を受けている方はよくわかっていると思いますが、リスニングというのは一朝一夕にはできるようになりません。
特に、共通テストのリスニングを採用しない東大では、リスニングの英語の試験全体に占める割合は1/4とも言われています。
つまり、リスニングを攻略できなければ東大合格は遠のいてしまうということです。
そんなリスニングを何を参考にして、いつから・どのように学習していけば良いのでしょうか?
そんな参考書選びから、勉強の仕方までを東大生の筆者が徹底的に解説します!
なお、東大英語全般の攻略法はこちらの記事を参考にしてくださいね。
目次
東大英語リスニングを勉強する時期とオススメの参考書
東大英語リスニングの勉強はいつから始めるのがいいの?
まずは勉強法以前に、いつからリスニングの対策をし始めればいいのでしょうか?
これは、早いほどいいというのが私の答えです。
当たり前ですが、これが事実です。
私自身の話をすると、高2まで全くと言っていいほどリスニングができませんでした。
別に英語自体ができないというわけでもなく、むしろ英語は得意科目でした。
このままではやばい!と感じたのは高2の10月です。
やばいと感じたそのテンションのまま書店へ向かい、キムタツの東大リスニングを買いました。
とにかくリスニングを対策しないとということで、藁にもすがる思いでこの参考書を買いました。
そして、すぐに勉強を始めたわけですが、時間がどうしてもかかってしまう。
この参考書には具体的なリスニングの勉強法が書かれてはいましたが、このまま書いてある通りに続けていると他の科目の勉強時間が奪われてしまうのではないかという懸念がありました。
そこで参考書に書いてある方法をベースとしながらも自分なりにアレンジして勉強法を考案し、それ以降入試までほぼ毎日リスニングをしました。
結果、そこそこリスニングができるようになり、東大のリスニングであれば人並みにできるようになりました。
ということで、リスニングが苦手だった私がリスニングができるようになったのは、その勉強のやり方もあるとは思いますが、高2という比較的早い段階でヤバさに気づき、毎日続けたからに他ならないように思います。
いつかできるようになる、と思ってならないのがリスニングですから、きちんと自覚を持ってなるべく早くリスニング対策を始めてください。
もちろん高3の人でも大丈夫。まだ全然間に合います。
重要なことは、ちゃんと参考書を買って、正しい方法で勉強することです。
東大英語リスニングにおけるオススメの参考書と参考書選びについて
私は参考書は自分が使っていたこともあって、キムタツの東大英語リスニングをオススメします。
(もちろん過去問以外で、ということです。)
勉強法自体はどの参考書を使っても同じになりますので自分の好きな参考書を使ってもらって構いませんが、特にこだわりがないのであればキムタツの東大英語リスニングを買っておけば間違いないのかなと思います。
理由は大きく2つあります。
オススメポイント1:回数が圧倒的に多い
キムタツの東大英語リスニングは、計3冊あります。
Basic、normal(名前なし)、Superの3つです。
そして、それぞれに約10回分のリスニング問題があります。
ということは単純計算で30回分もの練習が過去問以外でできるということになります。
もちろんCD付きということもあって値段は少々高めで、3冊は買えないという人もいるかもしれません。
そのような方でも自分のレベルにあったものを1冊買って、極めるでも十分だと思います。
比較的時間のある人はBasicからはじめ、高3生で時間がもうないという人は真ん中の赤い参考書だけやるでも十分力がつきます。
例えば鉄緑会の東大リスニングのテキストだと、お値段が3000円以上して回数が12回分だったと思います。
リスニングってスクリプトや問題の質も大切ですが、量もある程度大切です。
やっぱり同じスクリプトのものを練習するのって限りがありますからね……。
それに比べて、レベル別になっているキムタツは別に東大志望でなくても使え、練習もたくさんできるという点でもオススメできます。
オススメポイント2:解説が細かい
私は鉄緑会のものを使っていないのでなんとも言えませんが、少なくともキムタツの東大英語リスニングは解説もしっかりとしています。
解説といってもスクリプトの解説ではなく、問題の解き方・テクニックがメインです。
どんな風に東大のリスニングを解けばいいのかがしっかりと1から10まで解説されています。
【過去問不要】東大英語リスニングの勉強法
東大のリスニングで全く点数が取れないことに気づいて、あなたはテキストを買ったとします。
次は私なりの勉強方法について話していこうと思います。
ここでは、東大のリスニングの形式をしている問題であればテキストはなんでもよく、必ずしも過去問である必要はありません。
当然ですが、過去問を解いて復習する際にもこれから紹介する方法は使えます。
まず全体の概要ですが、私は1回分(1年分)のリスニングを1週間のプログラムでこなしていました。
東大のリスニングは、大問3にA、B、Cという風に設問別になっています。
これをA(2日)→B(2日)→C(2日)→ABCの復習(1日)というサイクルで回していました。
今回はそれぞれ設問別の2日間と最終日の1日で何をしているのかをお教えします。
東大リスニング1日目:本番を想定しながら問題を解く
1日目は、普通に問題としてリスニングを解きます。
大切なことは、本番らしく行うこと。
練習の段階で、本番を意識してリスニングしないとやってる意味があまりありません。
全く手が出ないということであれば、できないということを認めて「これから聞けるようになるぞ!」と闘志を燃やすだけでとりあえずは十分です。
ポイント1:事前に選択肢に目を通して問題を解く
さて、本番を意識するとは言いましたが、東大の場合選択肢が問題用紙に印刷されていますので、いきなり音源を流し始めるのではなく全部目を通してからリスニング問題を流しましょう。
私をはじめとしてリスニングが苦手な人が点数を稼ぐために必要なことは、事前に多くの情報を集めておくことです。
そして選択肢から、情報を得ることは十分に可能です。
「今回のテーマはAIだ!」
「3人登場人物がいて、男性1人と女性2人か…」
などなど、あらかじめ構えておくと、聞きやすいですよね。
選択肢は全部読んでおいてください。
これは本番のリスニングでも絶対にやって欲しいことです。
練習の段階では、選択肢を読む時間は決めなくてもいいと思います。
決めたいのであれば2〜3分程度がオススメですが、2018年度から選択肢が1つ増えましたので、もう少し時間をとってもいいかもしれません。
そして、回数をきちんと守って問題を解きます。
その後、答え合わせ、スクリプト・訳を確認します。
ポイント2:オーバーラッピングでスクリプトを音読する
その後、3回ほどオーバーラッピングをやってください。
オーバーラッピングとは、実際の音声に合わせてスクリプトを追いかけて読むことです。
ここで大切にして欲しいことは、聞き取れないワードを潰すことです。
間違えた問題があるということは、その問題を解くキーワードを聞き逃しているということです。
それがどこであるか、どうして聞き取れなかったのかを分析しながら音読してください。
1日目はこれでおしまいです。これだけで結構です。
東大リスニング2日目:スクリプトを完璧にオーバーラッピングできるようになる
2日目は5回音読するだけで結構です。
3回がまたオーバーラップ、残り2回がシャドーイングになります。
シャドーイングは、スクリプトを見ずに音声にかぶせて音読する方法です。
2日目の目標は、完璧に音読できるようになることです。
音声と同じスピードで、同じ発音で、です。
聞き取れるようになるためには、その単語を知っていることはもちろんですが、そのスピード感についていく必要があります。
普通のリスニングはゆっくり聞こえるくらいのスピードで練習すると良いと思います。
なぜなら本番の音声もとても速かったからです。
本番の音声は、本についているような綺麗な発音ではないことや雑音、緊張、また部屋の広さも会場ごとに全く違いますので、練習の段階で聞き取れていても本番うまくいくとは限りません。
多くの本についているCDの音声は、アナウンサーのような発音が綺麗な人が使われており、それが聞き取れても満足は禁物です。
念には念を入れた対策を心がけてくださいね。
シャドーイングについては、自分がまるで誰かに話しているかのようなに練習してください。
意味も理解しながら、音声にかぶせて音読していきましょう。
きちんとついていけるようになれば、OKです。
東大リスニング最終日:1年分をシャドーイングで理解できているかを確認する
ここまでお話ししたことを、A・B・Cで実践すると6日かかりますよね。
すると、1週間で1年分やりたいとなると1日余ってしまうことになります。
そこで残りの1日は、それまで6日間で練習したABCの問題をもう1度全てシャドーイングします。
それでつまるところがないかチェックしてください。
もしつまる部分があれば、もう1度やり直しです。
スムーズにシャドーイングできるまで練習を繰り返して、全て問題なく読めたらおしまいです。
これで、トータルで15〜20回くらい同じ文章を音読したことになるはずです。
反復が大切なので、スクリプトを覚える勢いで音読することが大切です。
補足:東大リスニングでディクテーションをする必要はない
お気付きの方もいるかもしれませんが、私はリスニング学習の王道であるディクテーションをやっていません。
ディクテーションは、読まれた英文を書き起こす練習ですが、これをやらないのには私なりの考えがあります。
ディクテーションは効果的かもしれませんが、非常に時間がかかってしまうのです。
私はリスニングの学習を始めて最初の10日間くらいはディクテーションをしていましたが、それ以降はやりませんでした。
他の科目との兼ね合いもありましたし、実際リスニングの問題を解く上でディクテーションはどこまで効果的なのかが懐疑的だったのです。
なぜならリスニングは当然ですが流れてきた音声を瞬時に理解しないといけないので、ディクテーションのようなことをしていると絶対に聞き逃してしまいます。
(メモ程度ならなんとかなると思いますが)
加えて、東大のような500語のスクリプトをディクテーションなどしていたらいつ終わるかわかりません。
ということで、ディクテーションはどうしてもやりたい箇所があればやってもいいですが、基本的にオーバーラッピングとシャドーイングで十分です。
最後に
いかがだったでしょうか?
私のリスニングの勉強の方針は、「毎日30分を続けること」でした。
毎日数分でもいいので、毎日を大切にすることを意識していました。
日曜日に5時間よりも、毎日30分の方が確実に力がつきます。
ぜひ参考にしてほしいと思います!