はじめに
「高1や高2から進路のことなんて分からない」と思っている人はいませんか。
今回は進路選択の参考にもなる、
大学受験を経て様々な分野で活動する人による本を5冊紹介します。
本に登場する受験体験記やその後の人生は、まさに十人十色。
参考資料として気軽にチェックしてみましょう!
【やりたいことが見つからず勉強のモチベが高まらない人におすすめ】坪田信貴『やりたいことが見つからない君へ』
概要
ビリギャル・さやかちゃんの先生によるこの本は、「勉強しなさい」といった、一般的に押し付けられがちな考えに対して、高校生目線で納得のいく解釈を与えてくれる1冊です。
比喩も身近で分かりやすく、読書慣れしていない人でも読みやすいですよ。
おすすめポイント
この本の最大の特長は、常識に対して逆転の発想を提案してくれる点です。
例えば、「やりたいことを見つけて志望校が決まれば勉強のやる気も出る」という通説があります。
これに対し、この本では「まず、目の前の勉強を頑張って良い大学に入れば、経験の幅が広がり、その中でやりたいことを決められる」「むしろ高校生でやりたいことを限定すると、未来の可能性が狭くなる」といった著者独自の意見が展開されます。
この考え方に基づくと、やりたいことが見つからない自分に劣等感を抱く必要はないと実感できるでしょう。
そして、「あなたにもできる」理由を繰り返し伝えてくれる点もこの本の魅力です。
「東大」「医学部」と聞くと、反射的に無理だと思いがちです。
また、周囲の人に無理だと言われるかもしれません。
しかし、この本では、逆転合格した高校生、社会人からの医学部受験、タレントやビジネス界の成功者など、幅広い属性の人の成功事例を易しい言葉で分析し、誰でも真似できるステップにまで落とし込んで紹介しています。
「これならできるかも」と思えるステップがきっと見つかるはずです。
【自分を平凡だと感じて、勉強に意味を見出せない人におすすめ】川村哲也『ガチャ時代のやりたいことの見つけ方』
概要
著者の川村哲也氏は、5教科を教えない教室studioあおの代表です。
この本は、受験勉強そのものよりも、進路選択の過程の大切さが見えてくる構成になっています。
教室のYouTubeチャンネルはこちらwww.youtube.com/@studio4240
おすすめポイント
本書は、勉強も運動もそこそこで、何においても自分より上がいる状況で育った著者のモノローグから始まります。
そんな著者は、「勉強と運動以外」で子どもの活躍の場を広げるために、個人が好きなことで世の中とつながる教室を作りました。
その過程で、学生が勉強ばかりに注力することに疑問を持ち始めます。
むしろ、みんなと同じ受験勉強をするより、好きなものを起点に、自分だけの視点で、特技を極めていった方が良いというのです。
限られた高校生活、受験から離れて好きなことを探す時間も大切です。
「勉強しないと怒られるから」「平凡な自分には無理」と、いつの間にか諦めたことはありませんか?
この本には、自己分析を助けてくれるワークシートもついています。
シートに並ぶのは「冒険の最後に手に入れたい宝は?」「大学に行かなくて良いなら何がしたい?」など、簡単に見えて、答えに悩む深い質問ばかり。
答えをすぐに書けなくても、高校生のうちから自分の興味を意識するきっかけを得られるのは大きなアドバンテージです。
ページに書き込みながら、自分自身とじっくり向き合ってみてください。
【教育系の進路に興味がある人におすすめ】松丸亮吾『松丸くんが教育界の10人と考える 答えのない時代の新しい子育て』
概要
著者の松丸亮吾さんはメディアで人気の謎解きクリエイター。
この本は、松丸さんと各教育業界人の対談形式で、教育に対して10人分の答えが語られています。
おすすめポイント
この本の特長は、対談ゲストが「勉強は苦行」を覆す考えを示してくれる点です。
例えば、学生がゲームをついやり過ぎてしまうことを否定せず、ゲームを活かした学習コンテンツを作る藤本徹氏。
定期試験をなくすなど、真に生徒のためになる学校運営を実行している工藤勇一氏といった、受験とは異なる新しい教育を展開する人々の教育観を詳しく知ることができます。
一般的に学校や家庭で指示される受験勉強に納得できない人は、教育改革を目指している人の存在を知るだけでも、安心できるのではないでしょうか。
受験の話題は少なめで、「学び」という広い視点で語られているこの本は、長期的な視点で、勉強の意味づけや学ぶ姿勢を自分なりに考えていくきっかけになるはずです。
受験にとらわれず、将来の子育てをイメージしながら読んでみるのも良いですね。
●藤本徹氏(X)
https://x.com/i/flow/login?redirect_after_login=%2Ftfujimt
●工藤勇一氏(X)
https://x.com/KudoYousan?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
【ネットのエンタメコンテンツが好きな高校生におすすめ】チェリー東大あきぴで『ヤバイ東大解剖録』
概要
著者のチェリー東大あきぴで氏はショート動画が人気の東大YouTuber。
この本には著者本人が東大で見聞きしたエピソードが多数収録されており、1冊読めばあなたも気分は東大生。
あきぴで氏の動画はこちらから!www.youtube.com/@CherryTodai_akipide
【おすすめポイント】
この本の第一の特長は東大生のリアルが分かることです。
東大生と聞くと「有名進学校から順当に受かったエリート」のイメージを持つ人も多いでしょう。
しかしこの本には、そんな典型的なイメージとは異なる東大生がたくさん登場します。
例えば、学費や生活に苦労する人。
中でも注目すべきは第3章で語られる、地獄の三鷹寮。
加えて、大学からの費用支援に関しても著者本人の経験を元に詳説されており、非常に有益です。
東大生も、他の学生と同じような大変さを経験していると思うと、親近感が湧くかもしれません。
もちろん、東大の中でも圧倒的な学力を持つ人に始まり、スポーツや芸術で活躍する人など、東大の超人エピソードも豊富に紹介されています。
高校生に人気の、学歴や偏差値に関するトピックも盛りだくさん。
どこから読んでも面白いので、隙間時間の読書にもぴったりです。
東大法学部卒の著者の語りは、論理的かつ明快。その上、クスッと笑える文体で、最後まで飽きずに楽しめます。
ショート動画で紹介されていない「ヤバイ」東大の情報も、本書でぜひゲットしてください!
【京都大学に憧れている人におすすめ】菅広文氏『京大芸人』
概要
『京大芸人』はロザン宇治原氏の相方である菅広文氏による本です。
相方の目線で、京都大卒・ロザン宇治原氏の過去が語られています。
京大生や京大に受かる人の面白さを、一般的な視点で余すことなく楽しめる1冊です。
おすすめポイント
京大合格者である宇治原氏の面白い経歴を楽しく読めるこの本には、彼の抜群の賢さがうかがえる幼少期のエピソードから始まります。
「普通に行動しているだけなのに賢いと褒められる意味が分からない」と、小学生の時点で言い切るほど大人びているのです。
それから宇治原氏は、苦労して卒業した後も、奇想天外な経験をすることになります。
時には「京大卒なのになぜ?」と思わず言いたくなるような過酷な仕事に挑戦することも……
京大卒芸人のその後が気になった人はぜひ本書で確認してみることをおすすめします!
さらに、高校時代の時間管理方法や、受験後も活用できる大人の勉強法など、京大生の勉強ノウハウも多数掲載されています。
この本は全体的に、受験に直結する話題よりも、京大ならではのエピソードが充実している印象です。
勉強に対する意欲が湧かない人も、京大生のユニークな様子を覗き見するつもりで気軽に読んではいかがでしょうか。
おわりに
気になる本は見つかりましたか?
入試制度も多様化が進み、どの受験生も将来を柔軟に計画できる時代、机に向かう勉強以外の方法で進路を探ってみるのも有効です。
ぜひ、様々な本と出会って将来への考えを広げてください。