はじめに
私は数学がとても苦手でしたが、お茶の水女子大学の理学部に合格し、現在通っています。
そんな私が合格をつかみとった鍵は受験校選びにありました。
理系志望だが数学に不安があるという方や、数学ができないために文転するか迷っている方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、数学ができなくても、自分の強みを活かして合格のチャンスを広げる方法を紹介します。
数学が苦手な理系志望の受験生必見です!
目次
数学自体を使わない方法
一般入試で数学を使わない大学を受験する
数学が苦手な場合、数学を使わないのが最も効率的な方法ですよね。
学部や学科は限定されますが、理系の大学でも数学を使わずに英語や理科、国語などで受験できるところはたくさんあります。
特に看護系や栄養系、スポーツ科学系の学部は数学を使わずに受験できる大学が多くなっています。
下に示した大学以外にも、特に理科を2科目取っている人は理科2科目+英語で受けられる場合が多いです。
- 明治大学農学部
- 法政大学生命科学部
- ICU
- 女子大(日本女子大学理学部・家政学部、神戸女学院大学、武庫川女子大学など)
- 多くの看護学部(慶応大学、上智大学、順天堂大学など)
- 多くの栄養学部
- 多くのスポーツ科学系や福祉系の学部
総合型選抜・推薦入試を利用する
一般入試以外の入試形式を活用することも一つの手です。
総合型選抜は、高校時代の活動などの強みを生かして受験できるという利点があります。
総合型選抜で課される試験は主に小論文や面接なので、数学を専攻とする学科などでない限り、数学の力が問われることはほとんどありません。
総合型選抜の他に、指定校推薦制度や公募制推薦を利用する場合も、数学を使わずに受験できますよ。
基準となる評定などの条件に一致する人は検討してみましょう。
一方、向き不向きがあることや、一般入試のための勉強時間が削られることを考慮してください。
数学Ⅲを使わない方法
共通テスト利用方式を利用する
共通テストの数学の範囲には、数学Ⅲは含まれません。
そのため、共通テスト利用入試は数学Ⅲを使わない入試と言えます。
共通テストは内容が一般入試ほど高度でないため、数学が苦手でも他の受験生と差がつきにくいです。
また試験科目が多く、数学以外の科目で総合得点を伸ばすことが可能です。
しかし、一般入試よりも合格ラインが高いことや、出願の締め切り日が個別試験よりも早いことには注意しましょう。
一般入試で数学ⅠA・ⅡBしか使わない大学を受験する
数学Ⅲを使わず数学ⅠA・ⅡBのみで受験するのも、数学が苦手な人におすすめな方法です。
数学Ⅲは多くの高校では高校3年生になってから授業が始まるため、授業で数学Ⅲの内容が終わるのは入試直前となってしまう場合が少なくないと考えられます。
さらに、数学Ⅲは共通テストの数学の範囲外であるため、共通テスト前には学習にあまり時間を割くことができません。
そのため、多くの受験生は数学Ⅲを演習不足の状態で受験に臨むこととなり、数学が苦手な受験生にとっては差がつけられやすくなってしまいます。
それに対して数学ⅠA・ⅡBは、高校1年生から2年生の間に授業で扱います。
数学が苦手でも、十分な演習をする時間を確保して試験に挑むことが可能ですよ。
ここからは、この方法で受験できる大学を紹介していきたいと思います。
薬学部や国立大学の看護学部など、一部の医療系の大学は数学Ⅲを課していないことが多いです。
また慶應大学環境情報学部や国際基督教大学といった、文理融合系の大学も数学Ⅲを使う必要がありません。
これらの大学では入学後に理系の分野を選択することができますよ。
国公立大学に注目すると、数学Ⅲを使わずに受験できる理系学部は結構あります。
主に農学部、教育学部、理学部(数学を専攻としない学科)は数学Ⅲを課しません。
以下は、数学Ⅲを課さない主な国公立大学をまとめた表です。
また、国公立の後期試験は試験科目に数学が含まれない場合が多く、数学Ⅲを使わないで済みます。
数学の影響を少なくする方法
数学の配点が低い大学を受験する
数学が二次試験で課されている大学だからといって諦めてはいけません。
まず受験校を検討する際は配点に注目してみましょう。
共通テストの配点が高い国公立大学は、数学で差がつきにくいですよ。
国公立大学の受験には、一般的に共通テストを5教科受験していることが必要です。
そのため数学以外の科目が合否に大きな影響を与えることになります。
また共通テストの数学は数学Ⅲを範囲に含まず、二次試験の数学に比べて応用問題が少なく対策がしやすいため、数学が苦手な人でも周りの受験生に差をつけられにくいです。
したがって共通テスト配点が高い大学では数学が苦手でも、カバーしやすくなるのです。
例として、九州大学理学部化学科と神戸大学理学部化学科の前期試験を比較してみましょう。
九大は、共通テスト450点と個別試験700点の合計点で合否を判定するので、共通テスト割合が39%です。
数学の配点は、共通テスト100点で個別試験250点であり、1150点満点のうち350点、つまり満点の30%を数学が占めることになります。
一方神戸大は、共通テスト425点と個別試験425点の合計で合否を判定するので、共通テスト割合が50%です。
数学の配点は、共通テスト50点で個別試験150点であり、850点満点のうち数学が200点、つまり満点の24%を数学が占めることになります。
このように、共通テストの配点が高い大学の方が、結果的に数学の配点が低くなるのです。
ここでみなさんに知って欲しいのは、受験校を決める時に、今紹介したような配点の見方が大切だということです。
自分に有利な配点を見極めることで、合格にさらに近づくことができるでしょう。
数学以外の科目で差がつく大学を受験する
理科や英語の配点が大きく、数学以外の科目で差を付けやすい大学では、数学が苦手でも合格することが可能ですよ。
志望校の入試で合否を左右する科目は何なのか、いわゆる勝負科目はどの科目なのかを学校や塾の先生に聞いてみることもおすすめです。
そして数学以外の科目で差をつけられそうな大学を選びましょう。
情報を集めることも合格を勝ち取る方法の1つですよ。
私が合格し通っているお茶の水女子大学理学部生物学科は生物の配点が大きく、このパターンにあたります。
私は数学の二次試験の点数が100点満点中50点以下でしたが、配点の大きな生物を重点的に勉強したことで苦手な数学をカバーして合格することができました。
おわりに
数学ができないから理系は無理だ……なんてことはありません。
もちろん数学を一生懸命勉強することは大事ですが、自分の強みを活かした受験できっと合格を掴み取ることができるはずです。
みなさんを応援しています。