【東大】本当に大変!文転のデメリット・アドバイスを経験者が徹底紹介

はじめに

理系東大志望者の皆さん、「もう理系受験はやめて、文転しようかな」と考えたことはありませんか?

世間のイメージから、軽い気持ちで文転を考えてしまう人も少なくありませんが、実際はそこまで容易なものではありません。

この記事では、予備校生時代に文転して東大を受験した筆者が、文転するデメリットや、実際に文転した際の注意点・アドバイスについて紹介します。

東大志望で文転を考えているという人は是非参考にして下さいね。

東大志望者は文転しやすい

一般的に「文転」という選択肢は、「将来の夢や勉強したいことが変わってしまった」といった場合以外には考えられにくい選択肢だと思います。

というのも、文転することによって勉強面などの負担が増すことはもちろん、受験する学部によって将来学べる事や進路が大きく変わってしまうためです。

しかし、東大志望者の中には、安易に文転を考える人がたびたび見られます。

なぜなら、入学後に自分の専攻する学問を比較的自由に変更できるシステムがあるためです。

そのため、特に東大志望者の中には、「とりあえず東大志望だけど科類はどこでも良いから」と安易に文転を考える人もたびたび見られます。

実際に筆者の通っていた予備校の東大コースにも、同様の理由から浪人を決めた後に文転を決意した、という人も何人かいました。

文転するデメリット

しかし安易な文転は本当に危険です!ここからは実際に文転して東大を受験した筆者が、文転のデメリットを紹介します。

デメリット①:「数学が強みになる」とは限らない

よく「理系は文転すると数学で有利」という俗説を耳にします。しかし必ずしもそうとは限りません。

筆者は理系の受験生の中では数学が苦手な方で、模試などの成績ではいつも数学が足を引っ張っていました。

もちろん文転したことで、特に苦手だった数Ⅲを学習する必要が無くなったこともあり、理系だった時よりは多少成績も上がりました。

それでも受験が終わるまで、「数学が自分の強みである」と感じられたことは一度もありませんでした。

というのも、東大を志望する文系受験生には、理系並みに数学を得意とする人も多くいるからです。

理系数学が苦手、あるいはそこまで得意ではない、という人がどう頑張っても、そんな受験生にはなかなか勝てませんよね。

「東大をはじめとする難関国立大の文系数学で、他の受験生を大きく引き離すのは、元理系であっても簡単ではない」ということを覚悟して欲しいです。

デメリット②:英語・国語で点差がつきにくい

理系には「物理や数学などの理系科目は得意だけど、国語や英語はアレルギーが出るほど嫌い」という受験生も一定数います。

そのため英語と国語がある程度できるだけで、理系の中では一気に差をつけることが可能です。

実際筆者も、理系の中での英語・国語の成績は、毎回かなり上位の方でした。

しかし文転すると状況は一変しました。周りの受験生もほとんどが「ある程度は英語・国語ができる」ため、点差がつきにくくなってしまったのです。

特に現代文では、理系の時にそれほど本腰を入れて勉強していなかったこともあり、高得点が取りにくくなってしまいました。

英語・国語の成績で周りと差をつけるのは、「英語が帰国子女レベルにできる」「現代文のセンスがある」といった場合以外、かなり難しいと思います。

デメリット③:歴史をゼロから勉強する負担がかなり大きい

筆者は理系だった時、生物・化学を選択しており、特に暗記や説明問題の多い生物を得意としていたので、社会にはそこそこ自信がありました。

そのため「地理は元々勉強していたし、世界史も暗記が得意だからそこまで心配しなくて良いだろう」などと楽観的に考えていましたね。

ところが世界史の勉強は、予想していたよりもずっと大変なものでした。

理科では学習内容が高校生向けにある程度簡略化されているため、暗記事項もそれほど多くなく、そこまで高度な説明を求められることもありません。

一方世界史では、戦争や社会情勢などが複雑に関わって起きた、様々な出来事・流れを1つずつ理解・暗記し、自分の言葉で説明できるようになる必要があります。

そのため、理科の時とは全く違う勉強を求められ、筆者は受験直前まで本当に苦労しました。

「自分は暗記が得意だから」と慢心せず、「本当に自力で歴史を勉強できるか・今から始めて間に合うか」を、文転を決める前にきちんと考えましょう。

文転した際のアドバイス・注意点

ここでは実際に文転した場合のアドバイス・注意点を紹介します。

アドバイス①:まずは「平均的な文系受験生」の成績を目指そう

ここまで読んで気づいた人もいるかもしれませんが、文転受験生は他の受験生を「追い抜くこと」よりも、彼らに「追いつくこと」が主要な課題となります。

先述したように、よほど数学が得意であったり、帰国子女レベルに英語が得意でない限り、文系受験生の中でトップクラスの成績を取ることはかなり難しいです。

向上心を持つことはもちろん大切ですが、無理にトップを狙おうとすると、モチベーションを保ちにくくなってしまいます。

ですのでまずは、「東大合格を狙える最低限のレベル」を目指す方が現実的です。

入試では「何点で受かったか」は関係ありません。効率よく勉強して、最低限合格できる点数を取れるよう努力しましょう。

アドバイス②:併願校対策も考慮して計画を立てよう

第一志望が東大であっても、文転して私立大学の文系学部などを併願しようと考える人も多いと思います。

そこで注意して欲しいのが、併願校の入試問題への対策です。

特に慶応や早稲田、上智などの文系学部では、英語や社会で独特の問題が出されやすいと言われています。

東大など国立大学の試験では聞かれないような、細かい知識や単語、変わった問題が出題されることも。

文転受験生は第一志望校に合格するため、ただでさえ他の受験生より短い期間で知識を身につけなくてはいけません。

それに加えて、各併願校に特化した対策をして合格を狙うのは、元から文系だった人以上に大変です。

併願校対策に割く勉強時間も考慮した上で、予めきちんと学習計画を立てておきましょう。

アドバイス③:目標を思い返してモチベーションを保とう

文転することで、勉強面での負担が大きくなるのはもちろんですが、精神的な負担も大きくなります。

文転はリスクの高い選択であるため、元々文系だった人以上に「このままで間に合うのか、本当に受かるのだろうか」と不安を抱きやすくなることも。

筆者の場合は模試や試験のたびに、周りの受験生全員が自分より優秀に見えてしまい、理系だった時以上に緊張するようになってしまいました。

また人によっては、理系の友人の合格や大学生活の話を聞いて、複雑な思いを抱くこともあると思います。

「自分もあのまま理系で頑張っていれば今頃……」と、文転したことを少し後悔することもあるかもしれません。

そんな中、モチベーションを保って勉強し続けるためには「東大に行く!」「○○について勉強したい」など、自分の目標を思い返し、強い気持ちを持つことが大切です。

おわりに

いかがでしたか?もちろん文転することで、結果的に志望校に合格したり、本当にやりたいことを見つけられる人もいます。

しかし、文転すれば理系で勉強していた時以上に努力しなくてはいけませんし、辛いことや大変なことが増えるのも事実です。

「本当に文転すべきか」「文転したらどのように学習すべきか」など、周りの大人ともよく話し合って決めて下さいね。




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