こんにちは、ライターのありさです。
文法チェック&演習シリーズ、今回は副助詞「だに・すら・さへ」を取り上げます。副助詞とは様々な語について、ある意味を添えて、後の用言を修飾する役割があります。
副助詞「だに」
助詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
だに | 1.類推 2.最小限の願望(限定) |
〜さえ せめて〜だけでも |
体言・連体形・助詞 |
1.類推
光やあると見るに、蛍ばかりの光だになし。(竹取物語・仏の御石の鉢)
(光があるかと見ると、蛍ほどの光さえもない。)
2.最小限の願望
散りぬとも香をだに残せ梅の花恋しき時の思ひ出にせむ(古今集・春)
(散ってしまっても、せめて香りだけでも残してくれ、梅の花よ。恋しく思う時の思い出にしよう。)
最小限の願望(限定)を示す場合、下に命令・意志の気持ちや過程を表す語を伴うことが多いです!
副助詞「すら」
助詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
すら | 1.類推 | 〜さえ | 体言・連体形・助詞 |
1.類推
聖などすら、前の世のこと夢に見るはいと難かなるを、(更級日記・宮仕へ)
(高僧などでさえ、前世のことを夢に見るのはたいへん難しいそうだが、)
副助詞「さへ」
助詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
さへ | 1.添加 | 〜までも | 体言・連体形・助詞 |
1.類推
望月の明さを十あはせたるばかりにて、ある人の毛の穴さへ見ゆるほどなり。(竹取物語・かぐや姫の昇天)
(満月の明るさを十あわせたくらいで、そこにいる人の毛穴までも見えるほどである。)
「さへ」は「サエ」と訳さない!
「サエ」と訳すのは「だに」で、「さへ」は「サエ」と訳しません。
入試には、空欄に「だに」「さへ」を補充させる問題がよく出ます。違いを明確にしておきましょう。
おわりに
副助詞の理解は古文読解をする上で重要です。
たくさんあって大変ですが、頑張って覚えてしまいましょう!