はじめに:知っておくと便利な数学の記号をまとめました!
数学の問題や解説を読んでいるときに、「∴」とか「∵」とか訳のわからない記号に出会ってしまい、内容が理解できなくなったことってありませんか?
「せめて問題と解説くらい日本語で書いてくれや」と思うのはもっともですが、数学者は表現を簡略化したがる傾向があるので、記号として省略できる部分は可能な限り記号で書きたがるのです。
したがって、数学の問題や解説を読むには、ある程度数学の記号を知っておかねばなりません。
そこでこの記事では、知っておくと便利な数学の記号をまとめました!
それぞれの記号について、読み方・意味・覚え方・使い方を紹介しているので、この記事を読むだけで数学の記号が自然と頭の中に入るはずです。
一度覚えてしまえば、大学受験で役立つのはもちろんのこと、大学進学後の勉強にも役立つので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね〜!
目次
数学の記号の読み方・意味・覚え方・使い方
数学の記号の読み方・意味・覚え方・使い方①:論理記号
「∴」の読み方・意味・覚え方・使い方
「ゆえに」と読みます。直前に述べた内容を理由として結論を導くときに使われる記号です。
ᅀABCは、ABとCAの辺長が等しい二等辺三角形である。
∴ ∠ABC = ∠BCA
「∵」の読み方・意味・覚え方・使い方
「なぜなら」と読みます。直前に述べた内容の理由を説明するときに使われます。
∴(ゆえに)と対になる記号なので、一緒に覚えてしまいましょう。
「ゆえに」の方は議論をまっすぐ進めるので普通の正三角形になっていて、「なぜなら」の方は議論の方向を逆にするので逆の正三角形になっている、と考えれば覚えやすいですね。
∠ABC = ∠BCAが成り立つ(∵ᅀABCは、ABとCAの辺長が等しい二等辺三角形である)。
「≔」の読み方・意味・覚え方・使い方
読み方は特に決まっていませんが、この記号は何かの定義を説明するときに使います。
「:」は、普通の文章でも何かを定義するときに使いますし、「=」は左辺と右辺の意味が同じことを表しているので、「≔」が「定義」を意味するというのは覚えやすいですね。
りんご ≔ 赤くて丸い果物
左辺に定義する対象、右辺に定義の具体的な内容を書きます。
「⇔」の読み方・意味・覚え方・使い方
「A⇔B」で、「AとBは同値(必要十分)である」と読みます。
「A→Bも正しいし、A←Bも正しい」ということを表していると考えれば、覚えやすいですね。
ちなみに「=」とは違うので、注意してください。
ᅀABCは正三角形である ⇔ ᅀABCはAB = BC = CAの三角形である。
「→」の読み方・意味・覚え方・使い方
「A→B」で「AならばBである」と読みます。
この記号は、「Aが正しければBも正しい」ということを意味しています。矢印の向きが「前提Aから結果Bが成り立つ」を表しているわけですね。
「100は自然数である→100は整数である」
「∀」の読み方・意味・覚え方・使い方
この1文字で「全ての」と読みます。Aがひっくり返った形をしていますね。
“For all”(全ての)という英語からきた記号で、「全ての〜について…」ということを意味しています。
詳しくは、以下の具体例をご覧ください。
∀N: N > 0
これで、「全ての自然数Nについて、N > 0が成り立つ」という意味になります。
「ヨ」の読み方・意味・覚え方・使い方
この1文字で「存在する」と読みます。カタカナの「ヨ」に近いですが、実際にはEを左右逆にした形になっています。
“existence”(存在している)という英語からきた記号で、「〜が存在している」ということを意味しています。
しばしば「∀(全ての)」と一緒に使われるので、合わせて覚えましょう。
∀N, ヨn ∈ N: N≧n
これで、「全ての自然数Nに対して、N≧nであるような自然数nが存在する」という意味になります。n ∈ Nは、「nが自然数Nに含まれている」という意味です。
「∩」の読み方・意味・覚え方・使い方
1文字で「かつ」と読みます。「A ∩ B」で「Aであり、かつBである」という意味になります。
覚え方については、「∪(または)」の項を参照してください。
100は、「偶数である」 ∩「5の倍数である」
「∪」の読み方・意味・覚え方・使い方
1文字で「または」と読みます。「A∪B」で「Aであるか、またはBである」という意味になります。
自然数は、「奇数である」∪「偶数である」
「∩(かつ)」と「∪(または)」は、「机の上に置かれたコップ」>をイメージすると覚えやすいです。
「∩(かつ)」の形は、逆さにしたコップに似ていますよね。
コップを逆さにして机に置くとき、コップには何も入る余地がありません。ここから、「入る余地がない→範囲が狭い→∩(かつ)」という連想によって自然に覚えられます。
一方、「∪(または)」の形は普通においたコップに似ています。
コップを普通に置くといろいろなものを入れられるので、「入る余地が大きい→範囲が広い→∪(または)」という連想ができますね。
こじつけですが、コップをイメージしながら「∩(かつ)」と「∪(または)」を理解すると忘れにくくなるはずです(笑)
数学の記号の読み方・意味・覚え方・使い方②:数の集合の記号
ここでは、特定の数の集合を表す記号について紹介します。
一般的な集合の記号については以下の記事で詳しく紹介されているので、こちらも併せてご覧ください。
「Ρ」の読み方・意味・覚え方・使い方
集合Pは、「素数の集合」のことです。この “P”は、 “Prime Number”(=素数)という英語の頭文字になっています。
“Prime”という英語には元々「原始的な」という意味があり、この意味が「素数」の「素」という部分に対応しているわけですね。
5 ∈ Ρ(意味:「5は素数集合に含まれる」)
「N」の読み方・意味・覚え方・使い方
集合Nは、「自然数の集合」を意味しています。この “N”は自然数の「自然」= “Natural”に由来する表現です。わかりやすい英語なので、覚えやすいですね!
1 ∈ N(意味:「1は自然数集合に含まれる」)
「Z」の読み方・意味・覚え方・使い方
集合Zは、「整数の集合」のことです。他の集合記号と違って、この記号だけドイツ語の “Zahl”(読み:ツァール、意味:数)に由来しています。
普通に英語の “Number”から「N」を整数集合の記号にしてしまうと、自然数集合Nと被ってしまうから、ドイツ語の表現にしたのでしょうね。
覚える側としてはいい迷惑ですが、いい機会なのでドイツ語の「数」を覚えてしまいましょう。「ツァール」。「ナンバー」よりも響きがカッコよくないですか?
2 ∈ Z(意味:「2は整数集合に含まれる」)
「Q」の読み方・意味・覚え方・使い方
集合Qは「有理数の集合」を意味しています。この “Q”は “Quotient”(読み:クゥオシャント、意味:数学用語の「商」)のことです。
有理数は分数にできる数なので、「割り算ができる数」ということで「商」という単語が使われていると推察できます。
聞き慣れない英語ですが(私も初めて知りました)、この機会に覚えましょう。
1/4 ∈ Z(意味:「1/4は有理数集合に含まれる」)
「R」の読み方・意味・覚え方・使い方
集合Rは、「実数の集合」を意味しています。この “R”は、英語の “Real”に由来しています。実数の「実」は「現実」を意味しているわけですね。覚えやすくて助かります。
2.349 ∈ R(意味:「2.349は実数集合に含まれる」)
「C」の読み方・意味・覚え方・使い方
集合Cは、「複素数の集合」のことです。この “C”は “Complex”(=複雑な)のCから来ています。複素数の「複」を「複雑」と捉えれば覚えやすいですね。
4 + i ∈ C(意味:「4 + i は複素数集合に含まれる」)
補足:数に関する集合の記号の関係
数に関する集合の記号は、互いの関係性を考えると覚えやすくなるので、素数集合Pから複素数集合Rまでの関係性を以下の図にまとめました。
文字だけの説明ではイマイチ覚えられないという方は、この図を見て覚えてくださいね。
おわりに:数学の記号を使えば、数学をエレガントに解けるようになる!
いかがでしたか?
この記事では、知っておくと便利な数学の記号について網羅的に紹介しました。
数学の記号を知っておくと、問題や解説をスラスラ読めるようになるだけでなく、自分で解答を書くときにより綺麗に・より簡単に書くことができます。
例えば、「以上から、√2は無理数である」と書くよりも、「∴√2∉Q ∩√2∈ R」と書いた方が簡単だし、綺麗ですよね。
数式をより綺麗に・より簡単に書けるようになると、数学の問題を解くのがもっと楽しくなるので、ぜひこの記事で紹介した記号を実際に使ってみてくださいね。
それでは!!