はじめに
関係代名詞 whatの意味や用法について解説します。
関係代名詞whatは「〜するもの・こと」という意味で、特徴は、先行詞を取らないことにあります。
また、関係代名詞what
はthe thing which (/that)〜
と置き換えることができます。
そうしたwhatの意味・使い方・特徴について説明したいと思います。
関係代名詞 whatの用法
関係代名詞のwhatは、「〜するもの・〜すること」という意味を表し、文中で主語・目的語・補語の役割をする名詞節を作ります。
名詞節を作る、とはどういうことかを次の例文より確認していきましょう。
関係代名詞 whatの例文〜主語の役割〜
あなたが今必要なものは、愛だ。
この例文ではWhat you need nowが主語に、is
が動詞に、love
が補語になります。
このように関係代名詞whatは「〜すること(/もの)」という意味を表していて、文中で主語の役割をしています。
この時、what you need now
を the thing which you need now
に置き換えることができます。
意味は変わらず「あなたが今必要なもの」です。
このように置き換えることで、whatが「〜するもの・すること」という意味を持つことがわかりますね。
関係代名詞 whatの例文〜目的語の役割〜
私はあなたが尋ねていることがわかりません。
この場合、what you ask meという名詞節が動詞(know)の目的語の役割をしていることがわかりますね。
この場合では動詞の目的語となりましたが、動詞だけではなく前置詞の目的語になることも可能です。
私は彼のいうことに興味がある。
この例文では、what he says
が前置詞inの目的語になっています。
関係代名詞 whatの例文〜補語の役割〜
ここまで来るとwhatが名詞節を作ることはわかってきたかと思いますが、最後に補語の役割の例も確認しておきましょう。
これはまさに私が求めていたものだ。
この場合、主語はThis
、動詞はis
、補語はwhat I wantedになります。
以上の例からwhatの意味が「〜するもの・こと」であり、「the thing which 〜」と置き換えられることが分かったでしょう。
関係代名詞 whatと他の関係代名詞の違い
whatは先行詞をとらない
関係代名詞の特徴として、先行詞を取らないことを最初に説明しました。
先行詞というのを簡単に説明すると、the thing which I think about
ならthe thing が先行詞です。
つまり、 関係代名詞が修飾する部分のことですね。
関係代名詞のwhoやwhich、thatの場合だと、人や人以外を先行詞にとりました。
He is the singer who I love. といった文章の場合、the singerがwhoの先行詞ですね。
ところが、whatは先行詞を取りません。「the thing which〜」という風に置き換えられることによって理解しましょう。
whatが形成するのは名詞節
以上のような先行詞を取らない結果、関係代名詞 whatが形成するのは名詞節です。
whoやthatのような他の関係代名詞は先行詞を修飾する形容詞節として働くの覚えておきましょう!
関係代名詞 whatの慣用表現一覧
関係代名詞whatの中には、慣用的に使われる表現があります。
有名なものについては覚えておかないと問題を解くことができないので、ここで述べたものは覚えておきましょう。
ワンポイントアドバイスとしては、その慣用表現が成り立った背景を考えると覚えやすいです。
what is called(いわゆる)
what is called という表現で「いわゆる」という意味を表します。
彼はいわゆる天才だ。
使い方は修飾する語の前に機械的に入れればOKです。
what is calledの成り立ち
what is called のwhatを the thing which と置き換えると分かりやすいです。
例文の場合だと the thing which is called a genius となります。(この場合はthingではおかしいですが)
「天才と呼ばれるもの」=「いわゆる天才」となりますね。
同じタイプの
what we call
what you call
も覚えておきましょう!
what is 比較級(さらに○○なことには)
彼はハンサムで、さらに良いことには、大変頭がよい。
彼は貧乏で、さらに悪いことには、大変醜い。
対照的な例文でしたが、以上のように挿入表現として使うことがあります。
what is more(さらに)という表現を代わりに使うことも可能です。
what + 主語 + be動詞「今[昔]の~(かつての〜)
「what 主語 be動詞」という組み合わせで「今の○○」「過去の○○」といった意味を表します。
私は10年前の彼を知っている
構造的には簡単です。whatの節を抜き出してみましょう。
what he was 10 years ago.
これを訳すと、「10年前の彼であるもの」となります。文ごと訳すと
私は「10年前の彼であるもの」を知っている、となりますね。
これを自然な形で訳して「私は10年前の彼を知っている」となるのです。
A is to B what C is to D(「AとBの関係はCとDの関係と同じだ」)
一見変な形をしているように思えますね。こればかりは考えてわかるものではないので、知っていないと問題が解けません。
まずは例文をもとに解説します。
運動と身体の関係は、思考と脳との関係と同じだ。
一見どこが関係代名詞のwhatが働いている部分かわからないと思うので、丁寧に解説していきます。
「A is to B what C is to D」 構文を、関係代名詞のwhatが分かりやすい形で並べると
「A is “what C is to D” to B」となります。
つまり、「AはBにとって”DにとってのC”である」ということになり、自然な形で訳すと
「AとBとの関係は、CとDとの関係と同じである」となるのです。
これを先ほどの例でも分かりやすいように語順を並び替えてみます。
Exercise is what thinking is to the brain to the body.
ますはこのようになります。これを日本語に訳すと
運動は+「脳にとっての思考だ」+体にとって。
という感じになります。
最後に、これを自然な形で訳すと、「運動と身体の関係は、思考と脳との関係と同じだ。」となるのですね。
「AとBの関係はCとDの関係と同じだ」という文を見ると、「AとB」「CとD」の関係は対等のように感じてしまいますが、主であるのは「AとB」です
そのため、「CとDの関係はAとBの関係と同じだ」と訳してしまえば、文意を大きく逸れていることになり、減点は免れません。注意しましょう。