【3分で分かる!】約数の個数・約数の総和の求め方・公式をわかりやすく(練習問題付き)

はじめに:約数の個数・約数の総和の求め方について

大学入試でも、共通テストから東大まで、どんなレベルでも整数問題はよく出題されます。特に約数は整数問題を解く上で欠かせない存在です。

今回は約数に関連した「約数の個数」「約数の総和」を求める問題を解説します!

最後には約数の個数・約数の総和の求め方を身につけるための練習問題も用意しました。

ぜひ最後まで読んで、約数をマスターしましょう!

約数の個数の求め方

まずは約数の個数の求め方を解説します。例として360で考えてみましょう。

まずは360を素因数分解します。\(360=2^3×3^2×5^1\)です。

素因数分解について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

【3分で分かる!】素因数分解のコツやルールをわかりやすく

2020.05.30

このとき、数字の右肩にある指数は3、2、1ですね。それぞれに1を足します。4、3、2です。

それらをかけ算したもの、つまり\(4×3×2=24\)が360の約数の個数です。

文字を使って表すと、\(x^a×y^b×z^c×…\)の約数の個数は\((a+1)(b+1)(c+1)(…)\)ということです。

この式が成り立つのはなぜか

たとえば上で取り上げた360の場合、素因数分解すると\(360=2^3×3^2×5^1\)でした。

約数は、この2、3、5の指数を決めると1つに決まります。

約数の個数

このように、
2の指数は\(2^0\)、\(2^1\)、\(2^2\)、\(2^3\)の4通り

3の指数は\(3^0\)、\(3^1\)、\(3^2\)の3通り

5の指数は\(5^0\)、\(5^1\)の2通りということで、

全体で\(4×3×2=12\)(通り)です。

約数の総和の求め方

次に約数の総和の求め方です。

約数の総和とは、約数を全て足したものです。たとえば6の場合、約数は1、2、3、6の4つなので\(1+2+3+6=12\)が約数の総和です。

このように約数が少ない場合は素直に足して求められますが、大きい数字ではどのように求めればよいでしょうか。

同じく360を例に解説していきます。

まずは上と同じく素因数分解します。\(360=2^3×3^2×5^1\)でしたね。(素因数分解するときは1乗のときも右肩に1を書いておくことをオススメします。)

今回は、それぞれの素数2、3、5の0乗から順番に足したものをかけ算します。言葉では理解しにくいので360を例に考えてみましょう。

360の場合、
\((2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2)(5^0+5^1)\)

\(=(1+2+4+8)(1+3+9)(1+5)\)

\(=15×13×6\)

\(=1170\)
です。

※どんな数も0乗すると1になります。

文字を使って表すと、\(x^a×y^b×z^c×…\)の約数の個数は\((x^0+x^1+…+x^a)(y^0+y^1+…y^b)(z^0+z^1+…+z^c)(…)\)
ということです。

約数の個数・総和の求め方と公式
この式が成り立つのはなぜか?

全ての約数は、素因数(約数の中で素数のもの)の積で表せます。

例えば18だと、
18の約数

さらに、18を素因数分解すると\(18=2^1×3^2\)なので、約数の総和は\((2^0+2^1)(3^0+3^1+3^2)\)で求めることができます。

この式を展開すると、
\((2^0+2^1)(3^0+3^1+3^2)\)

\(=2^0×3^0+2^0×3^1+2^0×3^2+2^1×3^0+2^1×3^1+2^1×3^2\)

となり、それぞれの項が約数になっているのが分かります。

約数の個数の公式と約数の総和の公式を混同してしまったら

この2つの式は形が似ていることもあり、混同してしまいがちです。そんなときは、とりあえず「約数の個数」と「約数の総和」を両方求めてみましょう。

「約数の個数」は必ずもとの整数より小さく、「約数の総和」は必ずもとの整数より大きくなります(※ただし1は例外)。

(上で考えた360の場合、約数の個数は24で、\(24\lt 360\)が成り立ちます。
約数の総和は1170で、\(1170\gt 360\)が成り立ちます。)

360の約数には360自身を含むため、約数の総和は360より大きくなります。

約数の個数・総和の練習問題

問題1

126の約数の個数を求めよ。

問題1の解答・解説

126を素因数分解すると、\(126=2^1×3^2×7^1\)となります。

よって
\((1+1)(2+1)(1+1)\)

\(=2×3×2\)

\(=12\)

12が答えです。

問題2

126の約数の総和を求めよ。

問題2の解答・解説

素因数分解は\(126=2^1×3^2×7^1\)でした。

よって

\((2^0+2^1)(3^0+3^1+3^2)(7^0+7^1)\)

\(=(1+2)(1+3+9)(1+7)\)

\(=3×13×8\)

\(=312\)

答えは312です。

おわりに:約数の個数・約数の総和は整数問題の要

整数問題は様々な解法パターンがありますが、約数を考えることが多くあります。

「約数の個数」「約数の総和」はセットで出題されることも多いので、合わせて覚えてしまいましょう!

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2020.08.26



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