はじめに:最大公約数についてわかりやすく!
最大公約数は小学算数で初めて習いますが、高校数学まで幅広く出てくる単元です。
言葉が難しかったりして、学習がうまくいっていないという人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は「最大公約数」という言葉の意味をまず説明し、次に小学生でもわかるように最大公約数の求め方をお教えします。
ぜひ最後まで、読んでいってください!
なお最大公約数と同時に学習する最小公倍数についてはこちらの記事を参照してください。
目次
最大公約数とは?
まずは、最大公約数という言葉の意味を確認しましょう。
その前に「最大公約数」という言葉の中に含まれている「約数」、「公約数」について説明しておかねばなりません。
まず約数とは「ある1つの正の整数を割り切る数」のことをいいます。
例えば、\(12\)の約数を全て求めろと言われれば、\(12\)を割り切る数を考えて、\[\style{ color:red; }{ 1,2,3,4,6,12 }\]になりますね。
次に公約数とは何なのでしょうか?約数とは何が違うのでしょう?
公約数とは「2つ以上の正の整数に共通な約数」のことをいいます。
約数は1つの正の整数について考えていましたが、公約数は複数の正の整数について考えるという点で異なっています。
こちらも例を出します。
「\(12\)と\(14\)の公約数を全て求めよ」という問題を考えます。
この問題の解き方は、まずそれぞれの約数を書き出して、次に共通の約数をそこから探すという方法です。
\(12\)の約数は\(1,2,3,4,6,12\)、\(14\)の約数は\(1,2,7,14\)となりますね。
よって、共通の約数は\(1,2\)ですので、公約数は\(\style{ color:red; }{ 1 }\)と\(\style{ color:red; }{ 2 }\)になります。
では、最後に最大公約数についてです。
公約数についてちゃんと理解できた人には大して難しいものではありません。
最大公約数とは、単純に「公約数の中で一番大きな数」のことを言います。
例として、先ほどの\(12\)と\(14\)で最大公約数を求めてみましょう。
公約数のところで求めたように\(12\)と\(14\)の公約数は\(1\)と\(2\)でした。
最大公約数は\(1\)と\(2\)の中でより大きい数のことなので\(\style{ color:red; }{ 2 }\)になります。
最大公約数とは何かがわかりましたか?
では次は実際に最大公約数を求めるスキルを身につけていきましょう!
最大公約数の3つの求め方
最大公約数を求めるには大きく3つのやり方があります。
まず最初に紹介するのが誰でもできるが地道なやり方、次が小学生にもわかりやすい便利なやり方、最後が高校生向けのやり方です。
自分の学年に合わせて参照するようにしてくださいね。
最大公約数の求め方その1:地道にやる
最初はあまりオススメしないやり方です。
しかし、その2やその3で紹介するようなうまいやり方を忘れたときの最終兵器として使えます。
やり方は、「与えられた数の約数をそれぞれ求めて、その中から最大公約数を探す」という少々面倒なやり方です。
しかし、確実にできるやり方でもありますので覚えておいて損はありません。
例として\(32\)と\(24\)の最大公約数を求めてみましょう。それぞれの約数を求めます。
\(32\)の約数は\(1,2,4,8,16,32\)、\(24\)の約数は\(1,2,3,4,6,8,12,24\)とわかります。
ここから共通の約数の中で最も値の大きなものを探します。
公約数は\(1,2,4,8\)ですね。
よって最大公約数は\(\style{ color:red; }{ 8 }\)になります。
このやり方の弱点は、数が大きくなると面倒になりやすく、ミスしやすいということが挙げられます。
最大公約数の求め方その2:筆算
このやり方はとてもシンプルでオススメできます。
加えてやり方その1の弱点にもちゃんと対応しています。
やり方の説明は言葉では難しいので、まずは下の図をみてください。
何をしているのかというと、2つの数字を割れる限り割っていって、その割った数を全てかけたものが最大公約数だといっているわけです。
やり方をまとめておきます。
- 最大公約数を求めたい2つの数を並べて書く。
- その2つの数がお互い割り切れる数でできる限り割っていく。(高校生には互いに素になるまでと言った方がわかりやすいでしょうか)
- 割れなくなったらそこで割り算をやめ、割った数を全てかけ算する
- そのかけ算した結果の値が最大公約数となる。
最大公約数の求め方その3:素因数分解
高校生であれば素因数分解を使うのも1つの手です。
素因数分解について知りたい人はこちらを参照してください。
例題で確認してみましょう。
\(42\)と\(52\)の最大公約数を素因数分解を使って求めてみましょう。
\(42\)を素因数分解すると\(42=2×3×7\)になりますね。
一方、\(52\)を素因数分解すると\(52=2^2×13\)になります。
そして最大公約数ですが、「共通の素因数のうち、より小さい方をかけたもの」になります。
「小さい方」とは基本的に指数が小さい方と考えてOKです。数の右上についている指数に着目するようにしてください。
\(42\)と\(52\)の場合、共通の素因数は\(2\)のみです。共通の素因数だけに着目します。
\(3\)や\(6\)は\(52\)の素因数になく、\(13\)は\(42\)の素因数にないので、今回は無視します。
\(42\)の\(2\)と\(52\)の\(2^2\)のうち、より小さいのは\(2(2^1)\)なので最大公約数は\(\style{ color:red; }{ 2 }\)になります。
今回は共通の素因数が\(2\)だけでしたので簡単でしたが、後の練習問題では少し面倒な問題を載せていますのでそちらも参照してみてください。
数が3つのときの最大公約数の求め方
これまでは、2つの数の最大公約数について説明してきましたが、数が3つ(またはそれ以上)になったときはどうすれば良いのでしょうか?
基本的なやり方は変わりませんが、上で示した筆算、素因数分解のやり方でないとかなり面倒になってしまいます。
試しに次のような問題をやってみましょう。
例題
\(12\)、\(42\)、\(72\)の最大公約数を求めよ。
例題の解答・解説
まずは筆算でやってみます。やり方は扱う数が2つのときと変わりません。
上の図のように筆算を実行するだけです。答えは\(\style{ color:red; }{ 6 }\)となります。
簡単ですよね?
次に素因数分解でやってみます。
これも扱う数が2つのときとやり方はほとんど変わりません。
しかし、3つの数を素因数分解しないといけないので、少し面倒です。
できるものなら、筆算で簡単に解決したいですね。
最大公約数の練習問題
では、練習問題で最終確認してみましょう。
問題は全部で2題あり、問題1は筆算で、問題2は素因数分解で解いています。
問題1
\(52\)と\(65\)と\(91\)の最大公約数を求めよ。
問題1の解答・解説
筆算でやっていきます。
筆算が素因数分解よりもオススメできるときは、今回のように「数は大きくないが、3つ以上の数を扱うとき」などです。
上の筆算より答えは\(\style{ color:red; }{ 13 }\)になります。
たとえ3つの数を扱っていたとしても、割る回数が比較的少なくて済む小さい数(100以下)であれば、今回のように一撃で答えが求まることもあるのが筆算の強みです。
問題2
\(360\)と\(264\)の最大公約数を求めよ。
問題2の解答・解説
この問題では素因数分解を使います。
素因数分解が筆算よりもオススメできるときは、「数が大きくて、扱う数が少ないとき」です。
数が大きいときに筆算がオススメできないのは、割る回数が増える可能性があり、むしろ時間がたくさんかかってしまう、ということが考えられるからです。
では、実際に問題を解いていきます。
\(360\)を素因数分解すると、\(360=2^3×3^2×5\)になります。
一方、\(264\)を素因数分解すると、\(264=2^3×3×11\)ですね。
よって、共通の素因数は\(2\)と\(3\)です。
指数のより小さい方を選んで、掛け合わせるので答えは\[2^3×3=\style{ color:red; }{ 24 }\]になります。
おわりに:最大公約数を求めるときは、筆算と素因数分解を使い分けよう!
いかがでしたか?
繰り返しになりますが、最大公約数は高校数学でも登場するとても重要な単元です。
求め方はもちろんのこと、言葉の意味などもしっかりと押さえておきましょう!
求め方は、場面場面で筆算と素因数分解を使い分けれるようになるとパーフェクトです。
ぜひ練習を重ねてみてください!