はじめに:多項式について
今回は多項式について解説します。
多項式は用語を知っていれば特に難しいこともありませんので、正しく理解しておきましょう。
ただし、整理して昇べきの順、降べきの順に並べる際は両者を混同してしまいやすいので注意しましょう。
目次
多項式とは
最初に多項式の意味を確認しておきましょう。
多項式とは複数の単項式が足し合わされたもののことを言います。
単項式とは数や文字、数や文字をかけ合わせたもののことでしたね。
例えば、\(2,a,4x,4πr\)はいずれも単項式です。
多項式とは、単項式を足し合わせたものなので例を挙げると
\(2+a,3-4x,5x+2y^2\)
など、これらはいずれも多項式です。マイナスの場合も\(+(-x)\)と考えると和になるので同じく多項式と考えます。
単項式と多項式を合わせて整式と呼ぶので覚えておきましょう。
多項式についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事も併せてご参照ください。
多項式の次数とは
多項式の問題でとくに問われるのは「次数」です。
次数とは文字が掛けられている数のことです。
例えば、\(2x^3\)であれば\(x\)が3回掛けられているので次数は3です。\(3x^5\)であれば、5となります。
ちなみに\(4,-29\)など文字が掛けられていない項の次数は0となるので覚えておきましょう。
多項式の問題では「次の多項式の次数を求めよ」と言われるときがあります。この際は、多項式の中の項の中で最大の次数を答えるようにしましょう。
例えば次の多項式を考えてみます。
\(3a^2b^4+2ab^3-abc^2\)
まずはそれぞれの項の次数を求めましょう。
\(3a^2b^4\)は2つの文字がかかっているので次数は2+4=6です。
\(2ab^3\)も同じく計算して1+3=4です。
\(-abc^2\)は3つの文字が含まれており、1+1+2=4です。
この中で最大の次数は6なので、答えは6となります。
計算自体は簡単ですよね。多項式の次数を求める問題が出された際はそれぞれの項に掛けられている文字の数を数えて最大のものを答えましょう。
多項式の昇べき・降べきの順とは
整式の整理も多項式と合わせて習い、定期試験などで問われることがあります。
覚えるべき用語は「昇べきの順」・「降べきの順」です。
項の次数が上がっていく並べ方が「昇べきの順」、後の次数が下がっていく並べ方が「降べきの順」となっています。
一見ごっちゃにしてしまいそうですが、考えてみると言葉通りであることを確認すると試験本番で取り違えなくて済みます!
ある文字に着目して整理するタイプの多項式の問題
多項式の問題では「xについて整理せよ」と問われるときもあります。
この「○○について着目して整理する」場合は、それ以外の文字を数字として扱います。
そのため、例えば、\(3xy^2\)は係数3、次数3の項ですが、xに着目した場合
\(3y^2x\)となり、係数が\(3y^2\)、次数が1となります。
このように他の文字が数字と同じ扱いになることを覚えておきましょう。
そのため多項式の場合では
\(xy+x^2y+x\)という式をxについて整理すると
\(yx^2+(1+y)x\)となります。
ある文字に着目した場合でも問題なく整理できるようにしましょう。
多項式の実際の問題
それではこの記事で習ったことを実際の問題を解いて確かめてみましょう。
解説も丁寧にするのでこの時点で解けなくても大丈夫です。
問題1
多項式:\(3a^2bc^2+4a^3bc^2-ac^6\)
の次数を求めよ。
問題1の解答・解説
多項式の次数を求める問題です。1つ1つの項の次数を見ていきましょう。
計算してみると順番に、5、6、7となっています。
よってこの多項式の次数は7です。
問題2
多項式:\(3x+2xy^2+4y^2+5x^2y+9\)
をxについて降べきの順に整理せよ。
問題2の解答・解説
この問題は単に降べきの順に整理するのではなく、xについてという条件がついていることに注意しましょう。
この条件があることでx以外の文字、つまりyは数字と同じように扱われます。
そのことを踏まえて上の多項式を整理すると
\(5yx^2+(2y^2+3)x+9\)
となります。あくまでxにだけ注目していることに注意しましょう。
おわりに:多項式の意味を掴んで問題を解いてみよう
多項式は特別面倒な計算があるわけでもなく、ただ単に用語を知っているかどうかの分野となります。
係数や次数など最初はわかりにくい言葉かもしれませんが、この先数学を習っていく上で絶対に利用する言葉なのでしっかり覚えておきましょう。