【3分でわかる!】弧度法(ラジアン)の基礎知識・度数法との変換の仕方をわかりやすく

ラジアン・弧度法の要点まとめ

はじめに:弧度法(ラジアン)とは

角度を表すときに度数法(30°、60°)をこれまで使ってきましたが、三角関数の分野では弧度法(こどほう)と呼ばれる角度の表し方を利用することが多いです。

弧度法の知識は三角関数の問題を解く上で必須の知識であり、これを知らなければ三角関数の問題を解くことは難しいでしょう。

この記事では弧度法やラジアン、弧度法と度数法の変換について初学者でもわかりやすいように丁寧に説明します。

弧度法は要点さえおさえてしまえば、難しくありません。この記事で弧度法をマスターしてしまいましょう。

弧度法(ラジアン)の基礎知識

弧度法の定義

弧度法では、扇形の角θを円弧の長さをl、扇型の半径をrすると

\(θ=\frac{l}{r}\)

と定義します。

ラジアン・弧度法の要点まとめ

弧度法とは、扇形の弧と半径の長さの比に注目して角度を表す方法です。

扇形の角度は弧の長さに比例します。弧が2倍になれば、角度も2倍になります。

また、扇形の弧を半径で割った値は、円の大きさに関わらず一定になります。

そのため、\(θ=\frac{l}{r}\)と表すことができるのです。

特に、単位円(原点中心、半径1の円のこと)のときを考えてみましょう。

定義より、半径1を代入すると

\(θ=\frac{l}{r}=l\)となります。

つまり、単位円のとき弧度法は「角度=弧の長さ」となるのです。

三角関数ではよく単位円を利用することが多いので覚えておきましょう。

ラジアンの定義

弧度法の単位をラジアン(rad)と呼びます。通常省略されることが多いです。

1ラジアンは扇の弧の長さが半径に等しいときの角度です。

先程の定義からいうと、l=rのときであるため

\(θ=\frac{r}{r}=1\)

となります。度数法(°)でも表してみましょう。

1ラジアンをx°とすると以下が成り立ちます。

\(2πr×\frac{x}{360}=r\)

よって、式を整理すると

\(x=\frac{180°}{π}\)

となります。つまり

\(1ラジアン=\frac{180°}{π}\)となるのです。

実際は両辺にπをかけた以下の式をよく利用します。

\(π=180°\)

またこれより度数法を弧度法で表すと

\(1°=\frac{π}{180}\)となります。

以下の式は弧度法と度数法を変換する上でよく利用するので確実に覚えておきましょう。

ラジアン・弧度法の要点まとめ

\(π(ラジアン)=180°\)さえ覚えておけば、\(1°=\frac{π}{180}\)も導くことができるので必ず覚えておきましょう。

超簡単!弧度法(ラジアン)と度数法の変換方法

度数法から弧度法(ラジアン)への変換

弧度法を理解するために具体的な角度で考えてみましょう。

まずは30°をラジアンで表してみましょう。

\(1°=\frac{π}{180}\)であるため

\(30°=\frac{π}{6}\)となります。

次に400°をラジアンで表してみます。

\(1°=\frac{π}{180}\)を利用して

\(400°=400°・\frac{π}{180}=\frac{20π}{9}\)となります。

このように\(1°=\frac{π}{180}\)を利用することで度数法を弧度法で表すことは簡単に出来ます。

弧度法(ラジアン)から度数法への変換

次に弧度法で表された角度を度数法で表してみましょう。

\(\frac{5π}{6}\)の場合を考えてみます。

\(π=180°\)であったので

\(\frac{5π}{6}=180°・\frac{5}{6}=150°\)

よって、150°だとわかります。このように\(π=180°\)を代入するだけで変換することができます。

\(-\frac{7π}{12}\)の場合も考えてみましょう。

\(-\frac{7π}{12}=-180°・\frac{7}{12}=-105°\)

以上のようにマイナスがついている場合でも問題なく変換することができますね。

弧度法(ラジアン)を利用した扇形の面積や弧の長さの求め方

弧度法を学習する際は、弧度法を利用して扇形の面積弧の長さを求める方法を合わせて学習するので解説しておきます。

中心角がθである扇形の弧の長さl、面積Sを求めるための公式は以下の通りです。

ラジアン・弧度法の要点まとめ

半径rの円の円周の長さは2πr、面積は\(πr^2\)であるのは既に習いましたよね。

扇形の弧の長さや、面積は中心角に比例します。

そのため扇形の円周の長さや面積は

\(l=2πr×\frac{θ}{2π}=rθ\)
\(S=πr^2×\frac{θ}{2π}=\frac{1}{2}r^2θ\)

と表します。2πをθで置き換えるとおぼえておきましょう。

おわりに:弧度法(ラジアン)は三角関数の基礎中の基礎

弧度法は角度の表し方の一つですが、三角関数を扱う上で必ず利用するので理解は必須です。

しかし、難しいことはなく\(π=180°\)さえを覚えておけば度数法と変換できます。

弧度法をマスターしてくださいね。

また、三角関数についてはこちらの記事で詳しく確認してください!

【3分で分かる!】三角関数の基礎知識(定義や性質)をわかりやすく

2021.10.28



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