【3分で分かる!】複素数の絶対値と意味と性質

複素数、虚数は数Ⅲの範囲でとても重要な分野です。

その基本的な内容は以前紹介しました。

虚数・複素数の要点と理解が深まる計算問題まとめ

2017.03.22

今回は複素数の分野の中でも、様々な性質を持つ「絶対値」について解説します!

ぜひ最後まで読んで、複素数・虚数の計算を完璧にマスターしましょう!

絶対値とその意味

複素数\(a+bi\)の絶対値\(|a+bi|\)は、
\[|a+bi|=\sqrt{a^2+b^2}\]と定義されています。

たとえば
\[|1+\sqrt{2}i|=\sqrt{1^2+\sqrt{2}^2}=\sqrt{3}\] \[|-2-i|=\sqrt{(-2)^2+(-1)^2}=\sqrt{5}\] と計算できます。

ちなみに、今まで使ってきた\(|-2|=2\)というような実数の絶対値も、同様に考えることができます。

実数は複素数の部分集合ですからね。
\[|-2|\] \[=|-2+0i|\] \[=\sqrt{(-2)^2+0^2}\] \[=\sqrt{4}\] \[=2\] というように、実数の絶対値と一致します。

もともと実数の絶対値とは、原点からの距離でした。
絶対値

この複素数の絶対値も、複素平面での原点からの距離になっています。
絶対値

複素数の絶対値の性質

それではこの複素数の絶対値の性質を見ていきましょう。

覚えるべき性質はいくつかありますが、今までの実数の絶対値の性質と同じものが多いので、全てを覚える必要はありません。

(1)\(|z|≧0\)

実数のときも絶対値は\(0\)以上でしたね。これは複素数でも成り立ちます。

\[|a+bi|=\sqrt{a^2+b^2}≧0\] であることからすぐ分かります。

そもそも絶対値は原点からの距離だったので、負の数にはなりません。

ちなみに\(|z|=0\)となるのは\(z=0\)のときのみです。

原点からの距離が\(0\)になるような点は、原点のみですよね。

(2)\(|z|=|-z|=|\bar{z}|=|-\bar{z}|\)

\(\bar{z}\)は\(z\)の共役複素数です。

\(a+bi\)に対して\(a-bi\)のような、実軸対称な複素数を共役複素数といいます。

\(z=a+bi\)のとき、
\[|z|=|a+bi|=\sqrt{a^2+b^2}\] \[|-z|=|-a-bi|=\sqrt{(-a)^2+(-b)^2}\] \[|\bar{z}|=|a-bi|=\sqrt{a^2+(-b)^2}\] \[|-\bar{z}|=|-a+bi|=\sqrt{(-a)^2+b^2}\] となり、この4つは一致します。

ちなみに複素平面で表すとこうなります。
絶対値
4点とも同じ円の上にあるので、原点からの距離はすべて円の半径に一致するのです。

(3)\(|z|^2=z\bar{z}\)

この等式は問題を解くときによく使います。絶対に覚えましょう

\(z=a+bi\)とすれば、
\[(左辺)=|a+bi|^2=(\sqrt{a^2+b^2})^2\] \[=a^2+b^2\] \[(右辺)=(a+bi)(a-bi)=a^2-(bi)^2\] \[=a^2+b^2\] となり、両者は一致します。

\[\bar{z}=\frac{|z|^2}{z}\] というように変形して用いることもあります。

(4)\(|z+w|≦|z|+|w|\)

これは実数の絶対値のときと同じです。

たとえば\(z=1+2i\)、\(w=3+i\)のとき、
\[|z+w|=|1+2i+3+i|=|4+3i|\] \[=\sqrt{4^2+3^2}=\sqrt{25}\] \[=5\]

\[|z|+|w|=|1+2i|+|3+i|\] \[=\sqrt{1^2+2^2}+\sqrt{3^2+1^2}\] \[=\sqrt{5}+\sqrt{10}\] \[>2+3=5\] となり、\(|z+w|≦|z|+|w|\)が成り立っています。

一般的な場合も、\[z=a+bi , w=c+di\]などとおけば証明できます。
ぜひやってみてください。

ちなみに\(z\)も\(w\)も\(0\)以上の実数のときなど、等号が成立することもあります。

似たような性質として、
\[|z|-|w|≦|z+w|\] \[|z|-|w|≦|z-w|\] もあります。

\(|zw|=|z||w|\)

足し算や引き算とは異なり、掛け算のときはイコールになります。これも実数のときと同じです。

同様に、
\[|\frac{z}{w}|=\frac{|z|}{|w|}\] (ただし\(w\neq 0\))
も成り立ちます。

複素数は入試でも頻出

いかがでしたか?

2014年度から数Ⅲに複素数平面の分野が復活して以降、難関大学でも複素平面を扱う問題が出題されており、これからもより多くの大学で複素数を扱う問題が取り上げられる可能性が高いです。

今のうちにマスターしておきましょう!




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