【3分で分かる!】虚数・複素数の計算問題をわかりやすく解説(練習問題付き)

虚数・複素数の要点と理解が深まる計算問題まとめ

はじめに

複素数・虚数の計算は数ⅡBの範囲でとても重要な分野です。

今回は、これから複素数・虚数の勉強を始める人にはもちろん、理解が曖昧で復習したい人にも分かりやすく複素数・虚数の計算問題のコツを解説します!

最後には計算のしかたを身につけるための練習問題も用意しました。

ぜひ最後まで読んで、複素数・虚数の計算を完璧にマスターしましょう!

虚数・複素数とは

まずは虚数と複素数が何なのか、おさらいしておきます。

虚数とは、a+bi(a,bは実数)で表される数のうち、b≠0のもの。1+2iや5iなどは虚数です。

複素数とは、実数と虚数を合わせたもの。つまり、a+bi(a,bは実数)で表される数全体が複素数です。

複素数a+biにおいて、aを実部、bを虚部といいます。虚部はbiではなくbだけなので注意してくださいね。

詳しくは以下の記事を見てください。

【3分で分かる!】実数と虚数と複素数の違いをわかりやすく

2021.09.27

虚数・複素数の計算問題を解説

数学をやる上で、虚数や複素数の計算をすることは何度もあります。

そのとき、虚数単位iを普通の文字xと考えて計算するとかなり楽になります。

例題1

\((3+2i)-(8-4i)\)を計算しなさい。

例題1の解答・解説

iをxにおきかえて、
\((3+2x)-(8-4x)\)
\(=3+2x-8+4x\)
\(=-5+6x\)

とし、xをiに戻して\(-5+6i\)が答えになります。

例題2

\((3+2i)(8-4i)\)を計算しなさい。

例題2の解答・解説

今回はかけ算です。これもiをxにおきかえて計算します。

\((3+2x)(8-4x)\)
\(=24-12x+16x-8x^2\)
\(=24+4x-8x^2\)

ここでxの二乗の項が出てきました。\(i^2=-1\)なのでこれに対応する\(x^2=-1\)を代入し、
\(24+4x-8x^2\)
\(=24+4x+8\)
\(=32+4x\)

xをiに戻して\(32+4i\)が答えになります。

虚数・複素数の方程式問題を解説

虚数や複素数の方程式((虚数や複素数が入った式)= 0の形の問題)の場合、式を展開し、実部と虚部に分けることが解答への近道です。

例題3

次の等式を満たす実数x,yの値を求めよ
\((4+2i)x+(1+4i)y+14=0\)

例題3の解答・解説

まずは式を展開し、実部と虚部に分けます。
\(4x+2xi+y+4yi+14=0\)(式を展開)
\((4x+y+14)+(2x+4y)i=0\)(実部と虚部に分解)

ここで、右辺が0ということは左辺の実部も虚部も0になります。

(実部)=0、(虚部)=0なので
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
4x+y+14=0 ・・・①\\
2x+4y=0 ・・・②
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

この連立方程式が成り立つので、これからこの連立方程式を解きます。

②の式の全体を2で割り、yの項を移項します。
\(2x+4y=0\)
\(x+2y=0\)(全体を2で割った)
\(x=-2y\)(yの項を右辺へ)

ここで出てきた\(x=-2y\)を①の方程式に代入します。

\(4x+y+14=0\)
\(4(-2y)+y+14=0\)(\(x=-2y\)を代入)
\(-8y+y+14=0\)
\(-7y+14=0\)
\(7y=14\)
\(y=2\)

よって\(x=-4\)、\(y=2\)が解です。

虚数・複素数の練習問題

それでは問題を解いて練習してみましょう。

問題1

\((1+2i)(3i+4)\)を計算しなさい。

問題1の解答・解説

iをxにおきかえて、
\((1+2x)(3x+4)\)

普通のxだと思って計算すると、
\((1+2x)(3x+4)\)
\(=3x+4+6x^2+8x\)
\(=11x+4+6x^2\)

\(x^2=-1\)を代入して、
\(11x+4+6x^2\)
\(=11x+4-6\)
\(=-2+11x\)

xをiに戻して、\(-2+11i\)が答えです。

問題2

2乗するとiになるような複素数を求めよ。

問題2の解答・解説

複素数はa+bi(a,bは実数)の形で表せました。

このa+biを2乗するとiになるということは、
\((a+bi)^2 =i\)
ということです。

あとは方程式問題と解き方は同じ。

左辺を展開し、右辺を移項して整理すると、
スクリーンショット 2017-03-15 10.55.03

(実部)=0、(虚部)=0なので
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a^2-b^2=0 ・・・①\\
2ab-1=0 ・・・②
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}

この連立方程式が成り立ちます。あとはこれを解くだけです。

①式から
\(a^2=b^2\)
\(a=\pm b\)
が分かります。

これを②式に代入するのですが、\(a=b\)と\(a=-b\)のどちらもあり得るので、場合分けして代入します。

(1)\(a=b\)のとき
\(2a^2-1=0\)
\(2a^2=1\)
\(a^2=\frac{1}{2}\)
\(a=\pm\sqrt{\frac{1}{2}}\)

よって
\(a=b=\pm\sqrt{\frac{1}{2}}\)(複合同順)

(2)\(a=-b\)のとき
\(-2a^2-1=0\)
\(2a^2=-1\)
\(a^2=-\frac{1}{2}\)

aは実数だったので、2乗してマイナスになることはありえません。よって\(a=-b\)は正しくないことが分かりました。

(1)(2)から解は\(a=b=\pm\sqrt{\frac{1}{2}}\)(複合同順)です。

a+biの形の複素数を求める問題だったので、答えは\(\pm\sqrt{\frac{1}{2}}\pm\sqrt{\frac{1}{2}}i\)(複合同順)です。

最後に

2014年度から、数Ⅲに複素数平面の分野が復活して以降、難関大学でも複素数平面を扱う問題が出題されており、これからもより多くの大学で複素数を扱う問題が取り上げられる可能性が高いです。

今のうちにマスターしておきましょう!

【3分で分かる!】複素数の絶対値の性質をわかりやすく

2022.01.09



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