【3分で分かる!】多角形の内角の和の求め方・公式の証明などをわかりやすく

はじめに

皆さんは三角形の内角の和はいくらか知っていますよね?

\(180°\)ですよね!

では、四角形、五角形…の内角の和は?と聞かれて全部答えることができますか?

今回はそんな「多角形の内角の和」について詳しく説明していこうと思います!

ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

多角形の内角の和の公式

そもそも内角とは何なのでしょうか?

内角とは「多角形の隣り合った二辺が作る、多角形の内側に向いた角」のことをいいます。

言葉の説明だと、小難しくなってしまうので、三角形・四角形を例に図で説明します。

Screen Shot 2017-09-11 at 22.09.51

つまり内角とは、普段私たちが「角度」と読んでいるものの、いわば正式名称みたいなものです。

図に出てきた外角というのは内角の逆で「多角形の一辺と、これと隣り合う辺の延長とが成す角」です。

ちなみに内角と外角の和は必ず\(180°\)になります。

では、ここからは公式の説明をしていこうと思います。

\(n\)を\(3\)以上の整数とします。

\(n\)角形の内角の和の大きさは、\[\style{ color:red; }{ 180°×(n-2) }\]で求めることができます。

試しにおなじみの三角形や四角形で試してみましょう。

皆さんは、三角形は内角の和が\(180°\)、四角形の内角の和は\(360°\)であると知っていることと思います。

\(n=3\)(三角形のとき)、\(n=4\)(四角形のとき)を公式に代入してみましょう。

三角形の内角の和は\(n=3\)を代入して、

\(180°×(3-2)=180°×1=180°\)

四角形の内角の和は\(n=4\)を代入して、

\(180°×(4-2)=180°×2=360°\)

よって、三角形は内角の和が\(180°\)、四角形の内角の和は\(360°\)であることが確認できましたね。

このように公式は多角形の内角の和の大きさを一瞬で出すことができる便利なものですので、しっかり覚えておきましょう!

多角形の内角の和の公式の証明

では、なぜ前章で説明したような公式が成り立つのでしょうか?

考え方のヒントは、「多角形の中に三角形がいくつ含まれているか」ということです。

五角形で試しに考えてみましょう。

五角形は最小でいくつの三角形からできているでしょうか?

Screen Shot 2017-09-11 at 17.49.05

上の図からわかるように五角形は3つの三角形からできていますね。

このように考えると五角形の内角の和を求めるのは簡単です。

三角形の内角の和である\(180°\)を3倍すれば良いのです。

よって、五角形の内角の和は\[180°×3=540°\]になります。

次に六角形を考えましょう。同様に最小で何個の三角形からできているかを考えます。

Screen Shot 2017-09-11 at 18.01.43

今回は4つの三角形からできているようです。

よって、六角形も五角形のときと同様に考えると、内角の和は\[180°×4=720°\]になります。

こうして考えていくと1つの規則性に気づきませんか?

その規則性とは、\(n\)角形は\(n-2\)個の三角形からできていて、内角の和は\(180°×(n-2)\)であるということです!

内角の和の公式はここから来ています。

したがって、もし公式を忘れても規則性さえ覚えていれば自分で公式を作ることもできます。

ここは公式だけでなく、ぜひ考え方も覚えるようにしましょう!

正多角形の1つあたりの内角の大きさ

本題とは外れてしまいますが、問題としてよく問われるのでついでに紹介しておきます。

今までは、内角の和の公式について説明してきました。本章は1つあたりの内角の大きさについてです。

実は、これは内角の和の公式を知っている人にとってはとても簡単です。

正多角形の1つあたりの内角の大きさは\[\style{ color:red; }{ \displaystyle \frac{ 180°×(n-2) }{ n } }\]で求めることができます。

内角の和の公式を\(n\)で割っただけなのです!とっても簡単でしょ?

なぜ\(n\)で割るかを説明していきます。

正多角形の特徴の中には「内角の大きさは全て等しい」というものがありました。

この特徴を使うと、正多角形の1つの内角の大きさを出したいときは、正多角形の内角の和を頂点の数で割れば良いことがわかりますよね。

今回は\(n\)角形について考えているので、頂点の数は\(n\)個ですね。

これが\(n\)で割っている理由なのです!

後の練習問題でこのトピックを扱いますので、確認してみてください。

内角の和から多角形を求める

最後に内角の和から何角形かを求めるやり方を説明します。

これは、内角の和を求めるのとは逆の動作をします。

今までは、問題で何角形かがわかっており、それを基に内角の和を求めるのでした。

これは、内角の和から何角形かを求めるというものです。

例を出しましょう。

内角の和が\(1260°\)であるような多角形は何角形でしょうか?

これを求めるには内角の和の公式を使って方程式を解かねばなりません。

求める多角形を\(n\)角形とおくと

内角の和は\(180°×(n-2)\)であるので

\(180°×(n-2)=1260°\)

\(n-2=\displaystyle \frac{ 1260° }{ 180° }\)

\(n-2=7\)

\(n=9\)

よって、求める多角形は九角形であることがわかりました。

このように、内角の和の公式は単純に内角の和を求めるのに使われるだけでなく、何角形かを求めるのにも使われる大変便利なものですよ!

多角形の内角の和の練習問題

では、練習問題で確認してみましょう。

三種類用意しましたので、総復習として使ってください!

問題1

十五角形の内角の和を求めよ。

問題1の解答・解説

これは公式に当てはめるだけで答えがでできますね。

\(n\)角形の内角の和は\(180°×(n-2)\)でした。

よって、十五角形の内角の和は\[180°×(15-2)=\style{ color:red; }{ 2340° }\]になります。

問題2

一つの内角の大きさが\(150゜\)である正多角形は正何角形か。

問題2の解答・解説

ここも公式を使います。

今回は一つの内角の大きさがわかっているので、\(\displaystyle \frac{ 180°×(n-2) }{ n }\)の方を使います。

一つの内角の大きさが\(150゜\)なので、

\(\displaystyle \frac{ 180°×(n-2) }{ n }=150゜\)

\(180n°-360°=150°\)

\(30n°=360°\)

\(n=12\)

よって、求める正多角形は、正十二角形であることがわかりました。

問題3

内角の和が\(1440°\)であるような多角形は何角形か。

問題3の解答・解説

これは前の章でもやりましたので、簡単に解答だけ示しておきます。

求める多角形を\(n\)角形とすると、

\(180°×(n-2)=1440°\)

\(n-2=\displaystyle \frac{ 1440° }{ 180° }\)

\(n-2=8\)

\(n=10\)

よって、求める多角形は十角形であることがわかりました。

まとめ

いかがでしたか?

実は、内角の和の問題はパターンが決まっています。

上で示した3つの練習問題がきちんと解けるようになっていれば、おおよそどの問題でも対応できます。

まずは、内角の和を求める公式をきちんと導出から覚えてから練習問題を解いて、きちんと習得するようにしましょうね!

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