はじめに:接続詞のthatについてわかりやすく解説!
みなさんは、英語の授業を受けているときに「これは接続詞のthatですね」と言われて「え?」となった経験はありませんか?
thatと言えば、「あの」や「あれ」などの意味が有名なので、急に「接続詞」と言われて頭がフリーズしてしまう人も少なくないと思います。
thatに接続詞としての意味があることを知らない人は多いでしょうし、ひょっとすると「接続詞って何?」と思っている人もいるかもしれませんね。
そこでこの記事では、謎多き接続詞のthatについて網羅的に解説していきます!
接続詞thatの意味の取り方で困っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね〜。
目次
英語の接続詞って何?
接続詞thatの説明に入る前に、接続詞について簡単に解説しておきましょう。
接続詞とは、文字通り「接続する詞(ことば)」です。
接続詞を使えば、文章を構成する語・句・文を接続できます。例えば以下の文を見て下さい。
I eat a hamburger and I listen to the music.
“I eat a hamburger” と “ I listen to the music” という2文が “and” で接続されていますね。
このように、接続詞を使うと語・句・文を繋げて長い文を作ることができます。逆に言えば、長い文には大抵接続詞が使われているので、注意して読んでみてくださいね。
接続詞のthatと、関係代名詞・指示代名詞・形容詞のthatの見分け方
次に、接続詞のthat と接続詞以外のthatとの見分け方をご紹介します。
thatの働きは、主に以下の4種類に分けられます。
- 指示形容詞
- 指示代名詞
- 関係代名詞
- 接続詞
指示形容詞のthat
thatが指示形容詞として働く場合、意味は「あの〇〇」になります。例えば、 “that dictionary” なら「あの辞書」という意味になりますね。
thatの直後に名詞が来るなら、ほぼ間違いなく指示形容詞として捉えて問題ありません。簡単ですね。
指示代名詞のthat
指示代名詞は「名詞の代わり」になるので、単独で「あれ」・「それ」という意味になります。働きは名詞と同じなので、文の中では主語・目的語として機能します。
ですから、文頭にthatが置かれていたり、述語となる動詞の直後にthatが来たりしている場合は、thatを指示代名詞として捉えることができますね。
関係代名詞のthat
関係代名詞のthatも、指示代名詞と同じく主語・目的語として働くわけですが、指示代名詞と違って「関係詞節」を作ることができます。
「節」とは、2語以上の意味のまとまりで文としての構造を持つもののことです。関係代名詞のthatを使うと、例えば以下のように節を構成できます。
I want to eat the cake that you made! (私は、あなたが作ったそのケーキを食べたい!)
この場合、thatがthe cakeの代わりになって、youを主語、madeを述語とする文の目的語になっています。
that以下の部分が文(主語+述語+目的語)として機能しているので、thatは関係詞節を作っていることになりますね。
接続詞のthat
この関係代名詞としてのthatと混同されやすいのが、接続詞のthatです。
以下の2つの文のthat以下を見てください。
- I want to eat the cake that you made!
- I cannot believe the fact that you made the cake!
1文目のthat以下 “you made” には、madeの目的語となる語が欠けていますよね。
一方、2文目のthat以下 “you made the cake” には、madeの目的語がちゃんと付いています。
1文目の場合、thatがthe cakeの代わりにmadeの目的語として働くので、このthatは関係代名詞の目的格と捉えられます。
しかし2文目のthatは、you made the cakeという文と「関係」を持つことができないので、関係代名詞と捉えることができません。
2文目のthatは、 “the fact” という語と “you made the cake” という文を「接続」しています。この場合、thatは接続詞になるのです。
関係代名詞のthatと接続詞のthatを見分けるには、that とthat以下の部分で主語・目的語として働いているかどうかに注目するのがオススメです。
thatが主語・目的語になっているなら関係代名詞、そうでなければ接続詞と考えて問題ありません。文法に注意して読んでみてくださいね。
以上、thatの見分け方を解説してきました。頭がこんがらがってしまった人は、以下の図を見てみてくださいね。
接続詞のthatの意味4選
ここからは、接続詞thatが持つ重要な意味を4つ選んで紹介します。
接続詞のthatの意味①:〜ということ
接続詞thatの意味として最も頻出なのが、「〜ということ」という意味です。
一つ実例を挙げてみましょう。おそらく皆さんも一度は見かけたことがあるはずです。
He said that he had caught a cold.
「彼は風邪をひいたと言った」という意味で、 “said” と “he had caught a cold” をthatが繋いでいます。
彼は言った (he said) →何を言ったか? (that) → 「自分(彼)は風邪を引いた」 (he had caught a cold)
という流れで文が構成されているわけですね。
ちなみにこのthatは省略される場合が多々あります。 “He said”の後に、彼が言った内容が来るのは当然ですから、わざわざthatを使って繋がりを示す必要はないのです。
接続詞のthatの意味②:〜という
「ということ」の意味に次いで、「〜という」の意味も頻出です。
「ということ」と「という」は、日本語としては似ていますが、英語としての働きは少し違います。こちらも実例を見てみましょう。
- There is no evidence that she is alive.
- I cannot believe that she is alive.
上の文は「彼女が生きている『という』証拠はない」で、下の文は「彼女が生きている『ということ』を、私は信じられない」という意味になります。
上の文では「〜という」の意味でthatが使われているのに対して、下の文では「〜ということ」の意味でthatが使われています。一体、何が違うのでしょうか。
上の文では、 “evidence” (名詞)と “she is alive” (句)が接続されていますが、下の文では “believe” (動詞)と “she is alive” (句)が接続されていますよね。
このように、名詞と句がthatで接続される場合は「〜という」になり、動詞と句がthatで接続される場合は「〜ということ」になります。注意して訳し分けるようにしましょう。
接続詞のthatの意味③:とても〜なので〜 (so … that)
3つ目〜5つ目の意味は、いわゆる「so that 構文」で登場する意味になります。
so that 構文の中で最も基本的なのが、「とても〜なので〜」です。実例を見ていきましょう。
Japanese is so hard to learn that I cannot master it.
「日本語は学ぶのがとても難しいので、私はそれを習得できない」という意味の文です。
この文では、thatが “so hard to learn” という理由と “I cannot master it” という結果を繋いでいますね。理由と結果を繋ぐのも、接続詞thatの大きな働きの一つです。
接続詞のthatの意味④:〜するために (so that …)
so…that…という形になる so that 構文では「理由→結果」という流れで文が構築されますが、so と that の間に単語が入らない場合、文の流れが「結果→理由」になることがあります。
以下の例文を見てください。
I speak English more slowly so that you can understand me.
「あなたたちが私の話を理解できるように、ゆっくり英語を喋りますね」という文ですが、このthatは “I speak English more slowly” (結果)と “you can understand me” (理由)を繋いでいますよね。
このように、so that 構文は「理由→結果」だけでなく「結果→理由」という文の流れを作ることもできます。
どちらになるかは文脈によるので、注意して読んでみてくださいね。
おわりに:接続詞のthatをマスターすれば、英文はもっと読みやすくなる!
いかがでしたか?
この記事では接続詞のthatの意味や用法、他の意味のthatとの見分け方について解説してきました。
thatにはたくさんの意味がありますが、その中でも接続詞のthatには多様な意味があります。
英語の文章を読み・聞き・話し・書きながら、少しずつthatを理解していってくださいね。
それでは!!