はじめに
確認問題で覚える古典文法シリーズ、今回は助動詞「ず」を取り上げます。
助動詞「ず」の意味は打消だけです。上の語を否定する際に用いられます。
他の語のように多義的な意味がないので覚えやすいですね!
助動詞「ず」の活用
基本形 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|
ず | (ず)・ざら | ず・ざり | ず | ぬ・ざる | ね・ざれ | ざれ |
助動詞「ず」意味・訳し方・接続
助動詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
ず | 打消し | 〜ない | 未然形に接続する。 |
打消
「京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず」(伊勢物語・九)
(「京では見かけない鳥なので、人は皆よく知らない」)
捨てがたしとて捨てざらんや(徒然草・五九)
(捨てづらいといって、捨てないのだろうか)
「ず+ば(は)」で「もし〜ないならば」という表現になります。大学入試頻出文法なのでここでセットで覚えておきましょう!
助動詞「ず」の確認問題
≪1≫( )に入る打消の助動詞「ず」を適切な形に活用しなさい。
(1)この川、飛鳥川にあらねば、淵瀬さらに変はら( )けり。(土佐日記・二月十六日)
(2)「萩の葉、萩の葉」と呼ばすれど、答え( )なり。(竹取物語・燕の子安貝)
≪1≫の解答
(1)ざり
直後に連用形接続の詠嘆の助動詞「けり」がきているので連用形になります。
訳:この川は、飛鳥川ではないので、淵瀬は変わらないのだなあ。
(2)ざ(ざる)
直後に連体形接続の断定の助動詞「なり」がきているので連体形になります。
「ず」の連体形「ざる」は撥音便化して「ざん」になり、「ん」省略されて「ざなり」と表記されることもあります。
これを撥音便無表記と言います。
訳:「萩の葉、萩の葉」と連呼したけれども、答えない。
古典文法に自信がないという方は助動詞「す・さす・しむ」についての記事もあわせてご覧ください!
おわりに
いかがでしたか?
あまり覚えることのない助動詞ですので、確実に暗記して本番でミスのないようにしたいですね!
古典が苦手という方は古文常識についての記事も見てくださいね!