【暗記量が少ない!】共通テスト「現代社会」の特徴や倫理・政治経済との違いを紹介!

はじめに

皆さんは、社会科目「現代社会」についてどのような印象がありますか?

勉強しなくても高得点をとれる、という噂を聞いたことがあるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?

この記事では、「現代社会」の科目の特徴や、共通テストにおける倫理・政治経済との違いも紹介していきますよ。

「現代社会」の概要

【現代社会】①社会を取り巻く状況を倫理や政治・経済の視点から学ぶ科目

現代社会は、社会科目で倫理や政治経済と同じ「公民」に分類されます。

文部科学省の学習指導要領解説には、

現代社会における諸課題を扱う中で、幸福、正義、公正などについて理解させるとともに、いかに生きるかを主体的に考察することの大切さを自覚させる。
現代社会について、倫理、社会、文化、政治、法、経済、国際社会など多様な角度から理解させ、自己とのかかわりに着目して、現代社会に生きる人間としての在り方について考察させる。

ことが指導の目標であると書かれています。

つまり、現代社会では

  • 思想や技術発達に伴う倫理
  • 現代における国内外の政治や経済
  • 条約や宣言を含んだ国際法
  • 憲法や民法といった国内法

を学ぶということです。

【現代社会】②新教育課程で「公共」へ変わる

2022年度高校1年生から「現代社会」は廃止され、公共」は必修科目になることに注意が必要です。

新科目「公共」について、

新教育課程の趣旨は、「答えを教えることから、 問いを探させること」へと、授業の在り方を転換していくことにある。「公共」は、三つの大項目から構成される。すなわち,「A 公共の扉」「B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」「C 持続可能な社会づくりの主体となる私たち」である。

という考察がされています。(東京書籍『新教育課程「公共」の授業を考える』より引用)

授業の趣旨に大きく変化があるようですが、共通テストの形式変更や動向はまだ大きく見られません。

共通テスト「現代社会」の特徴

【共通テスト現代社会の特徴】①倫理・政治経済よりも暗記量が少ない

現代社会は倫理・政治経済と扱う内容が多く重なっています。

しかし勉強量は、実質2科目分の倫理・政治経済よりも現代社会の方が少ないです。

例えば、山川出版社の一問一答の単語数を比較すると、現代社会はおよそ1800語であるのに対し、倫理と政治経済の2冊を合わせると2500語なので、現代社会の暗記量の方が少ないです。

また、共通テスト対策用の参考書「現代社会の点数が面白いほどとれる本」と「倫理、政治・経済の点数が面白いほどとれる本」の中身を比較すると、現代社会は、倫理と政治経済を融合させて、倫理の内容が浅くなったものだと感じました。

実際に筆者は高校生の時、現代社会ではなく政治経済の授業を受けていましたが、現代社会と重なる部分が多かったです。

つまり、政治経済分野における内容の差はほとんど無いといえますね。

【共通テスト現代社会の特徴】②常識的な知識で対応できるところもある

現代社会は特に、日頃から社会問題や政治、経済のニュースを見ていて、知識をある程度得ている人におすすめです。

教養として得た知識で対策できる範囲が広く、知識がなくても正解出来る問題もあるからです。

例えば、著作権を題材にした共通テストの問題では、ニュースで扱われる程度の内容を知っていれば正解することができます。

また、裁判の判決文を正しい順番に並べ替える問題は現代文の考え方で対応できますし、「リビングウィル」という単語の意味は「living will」と英語に訳して解けば知らなくても意味を推測できます。

ちなみに、living willは”生存の意思”という意味で、臓器移植に対する患者の意思表示のことを指しますよ。

共通テスト現代社会の全ての問題を解けるわけではありませんが、教養・知識で対応できる問題があるので、社会情勢を把握しておくことで高得点に近づく科目と言えますね。

【共通テスト現代社会の特徴】③出願できる学部が限られるので注意が必要

共通テスト現代社会で出願できる学校や学部は限られているので注意が必要です!

例えば、ほとんどの旧帝大では現代社会を選択できません。

現代社会で出願可能かどうか、大学の募集要項で調べる必要があります。

また、社会を2科目選択する場合、「現代社会」と「倫理・政治経済」2つで受験できる大学はなく、公民からはどちらか1科目にしなくてはならない、という点にも気を付けてくださいね。

以上のことから、自分の進路の幅を狭めてしまう可能性があるといえます。

もし、志望する大学を変える可能性を考慮するならば、あらかじめ選択できるか調べておく必要がありますね。

不安に感じた方は、汎用性の広い地理や倫理・政治経済などの科目を選択することをおすすめします。

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おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は、社会科目「現代社会」について深く解説してきました。

特に、共通テスト現代社会においては、暗記量が比較的少ないという長所がありながら、進路の幅を狭めてしまうという短所があることを確認しましたね。

受験生のみなさんの科目選択の手助けになれば幸いです!

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