はじめに:偏差値88の私が語る、現代文の選択肢の選び方!
現代文の選択肢って、文章の内容がわかっていても解けないことが多いですよね。
「2択まで選べるのに、いつもその2択で間違える……」
「正しいと思って選んだのに、なぜか間違える……」
「読んでいるうちに時間がなくなる…」
こんな悩みを持っている人も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、国語の偏差値88を取った(下の写真参照)この私が、現代文の選択肢の間違えない選び方を伝授します!
基本から応用までカバーしているので、ぜひ最後まで見てくださいね〜。
「(参照箇所)」(大問○、問○)という形で参照しているので、こちらのリンクから適宜問題を見てみてくださいね。
目次
現代文の選択肢の選び方の基本
現代文の選択肢の選び方の基本①:文章の読み方
文章を読む時には、漫然と視線を右から左へ移すのではなく、重要な部分に適宜ヨコ線や波線を引きましょう。
時間があればメモを取っておくといいのですが、「なくても読めるわ」と感じるなら必要ありません。
文章の内容が頭に整理されているか確認しながら、少しずつ読み進めてください。
選択肢を解くためにどこまで読めばいいかというと、基本的には傍線部まで読んで問題を解けば大丈夫です。
ただし、選択肢の内容の中に「これまで読んだ中には書かれていなかった内容」が含まれている場合は、傍線部の直後の段落まで目を通しましょう。
特に、傍線部が段落の初めに引かれている場合は、その段落の内容を問われることが多いので、傍線部の前だけでなく直後も読むようにしてくださいね。
現代文の選択肢の選び方の基本②:消去法の使い方
評論と小説における具体的な選択肢の選び方については後述するので、ここでは文章の内容と関係なく使えるテクニック・「消去法」について紹介しておきます。
消去法とは、明らかに異なっている選択肢を消去することで正解を導きやすくするテクニックのことです。
したがって、消去法を使うには「どんな選択肢が異なっているか」ということを知っておく必要があります。
「異なる選択肢」のパターンはいろいろあるのですが、代表的なものとして以下の3つがあります。
- 傍線部の表現を使いながら、趣旨と違うことを述べる選択肢
- 本文の内容を誇張する選択肢
- 本文とは関係ないが、常識的には正しく見える選択肢
それぞれのパターンについて、具体的に説明していきたいと思います。
消去法の使い方①:傍線部の表現を使いながら、趣旨と違うことを述べる選択肢
「傍線部『〇〇ということは〜言語哲学的な問題に行き着く』とあるが、ここから筆者のどのような考え方が伺えるか」(大問1、問4)という問題に対して、
「〜が言語哲学的な定義に則して〜」という選択肢があるとします。
この選択肢は、「言語哲学」という傍線部の表現を使っているので、一見正しそうに見えますが、実際には誤りです。
この問題は「言語哲学的な問題とは何か」を問うているのに、その答えとして「言語哲学」という表現を使ってしまったら説明になりません。
というわけで、傍線部の表現をそのまま使っている選択肢は正解から除外できます。
ただし、専門性の低い日本語表現(「問題」や「定義」など)は、傍線部と選択肢で共用される場合があるので注意してください。
消去法の使い方②:本文の内容を誇張する選択肢
この選択肢は簡単に見分けられます。「常に」とか「完全に」とか「絶対に」とか、100%か0%を意味する表現が選択肢に登場したら誤りであると判断できるのです。
評論にせよ小説にせよ、答えが一つに決まっている問題をテーマにすることはありません。答えがわかり切っているテーマなら、そもそも文章にする必要がないからです。
答えが一つに決まらない問題に対する筆者の主張は、絶対に正しいとは言い切れませんよね。
ですから、「絶対に」とか「完全に」とかいう表現が答えになることはないと言えます。
消去法の使い方③:本文とは関係ないが、常識的には正しく見える選択肢
このパターンの選択肢は、一見して「なんか正しそう」と直感的に判断できる選択肢だと考えてください。
例えば環境問題をテーマにしている文章で、「環境問題は、世界中の国が手を取り合って速やかに解決すべき問題である」と述べる選択肢が出てきたら、その選択肢は基本的に間違っています。
文章の書き手は何らかの分野の専門家です。私たち素人が一見して「正しいな」と判断できるような問題なら、そもそも最初から文章にしません。
環境問題に関する文章なら、環境問題に対して私たちが考え付かないような視点や解決策を提示しているはずです。
ですから、直感的に「正しそうだな」と思える選択肢は大抵の場合間違っていると判断できるのです。
現代文の選択肢の選び方の応用
どの問題にも使えるテクニック「消去法」について解説したところで、問題別の選択肢の選び方に移りましょう。
評論でも小説でも、現代文の問題は大きく以下の3種類に分類できます。
- 「〜とはどういうことか」
- 「〜とあるが、なぜか」
- 「本文の内容に則して答えよ」
では、それぞれのパターンにおける選択肢の選び方を見ていきましょう。
現代文の選択肢の選び方の応用①:「〜とはどういうことか」
このパターンの問題ですべきことは、傍線部を徹底的に分析することです。
「翻訳家とはみなその意味では楽天家なのだ」(大問1、問2)という評論文の選択肢なら、
- 「『その意味』とはどんな意味なのか」
- 「『楽天家』とはどういう人のことか」
ということを、文章の内容に沿って分析していきます。
分析できたら、「その意味」や「楽天家」という表現を自分なりに言い換えましょう。その言い換えた内容に最も近い選択肢が、正解の選択肢になります。
分析が不十分だと選択に迷うことになるので、十分すぎるというくらい丁寧に傍線部を分析してくださいね。
現代文の選択肢の選び方の応用②:「〜とあるが、なぜか」
このパターンの問題でも、まずは傍線部を分析することが重要になります。
「それは、なんだか喜ばしい図であった。」(大問2、問3)という小説の選択肢なら、
- 「『それ』とは何か」
- 「何が『喜ばしいのか』」
ということを、前後の文脈を踏まえて考えてみてください。
傍線部の分析が終わったら、問われている内容の理由を調べていきます。
「それは、なんだか喜ばしい図であった。」の問題では、「喜ばしい」と感じた理由が問われています。
ある人が、一つの対象に対して「喜ばしい」と感じたということは、「その人が対象に対して持っていた印象よりも良い結果が生じた」ということを意味していますよね。
ということは、「喜ばしい」と感じた理由は「元々その対象に対して〜という印象を持っていたが、〜という予想外にいい結果が生じたから」というような趣旨になるはずです。
したがって、その趣旨に見合った内容の選択肢を選べばいいということになります。
大事なのは、問われている内容を5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、どのように、なぜするのか)に気をつけて具体的に言い換えることです。
「喜ばしい」なら、「何がどうなれば喜ばしくなるのか」ということを考えると、より具体的に言い換えられます。
適切に言い換えられたら正答にグッと近づくので、焦らずじっくり考えてみてくださいね。
現代文の選択肢の選び方の応用③:「本文の内容に則して答えよ」
このパターンの問題が、おそらく一番苦手な人が多いのではないかと思います。
というのも、文章全体の構造と要旨を理解しておかなければ解けない問題だからです。文章の一節だけを読んで答えられる他のタイプの問題とはワケが違いますね。
ではどうすれば、限られた時間の中で文章全体の構造と要旨を理解できるのでしょうか。
やり方は意外と簡単です。その文章の結論から逆算すればいいのです。
例えば小説で、「一面に広がる月見草を見て、明るい気分になった」(大問2)という場面がラストにきているとします。
「明るい気分になった」ということは、そのきっかけとなる良い出来事が直前に起こったはずです。
さらに、その出来事よりも前では暗い気分だったはずです。
以上を整理すると、文章全体の構造は「暗い気分だった→何か良い出来事が起こった→明るい気分になった」になり、要旨もこの構造に基づいてまとめられます。
あとは、作成した文章全体の構造と要旨に一番近い選択肢を選べばいいのです。
このように、「本文の内容に則して答えよ」の問題は意外と簡単なので、時間がない時はあえて他の問題を飛ばしてこのパターンの問題を解いてもいいでしょう。
おわりに:選択肢の選び方を意識して現代文を解こう!
この記事で紹介した現代文の選択肢を選ぶ方法をまとめると、
- まず傍線部付近まで文章を読む
- 消去法で選択肢を絞る
- 3つのパターンの問題それぞれで、傍線部(あるいは文章全体)を適切に分析する
ということになります。
当たり前のことですが、強く意識すると結果が変わってくるので、ぜひ意識して現代文を解いてくださいね。
それでは!!