はじめに
ライターの山縣です。挨拶がてら、世界一浅いあるあるを言いたいと思います。
「長期休み、読書感想文の宿題でがち」
ということで、今日は読書感想文の話題です。
読書感想文って、厄介ですよね。題材の本を読むだけで気が滅入るし、字数を埋めるのも大変です。
しかも書き方がほとんど教えられないまま、宿題に出され続けています。
そこで、今日は現代文に定評のある私が読書感想文の書き方を紹介します!
初級、中級、上級の3通り説明するので、楽しんでください!!
題材の本を全部読まなくても字数が一瞬で埋まる裏ワザも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
目次
読書感想文とは
まずは読書感想文とは一体何なのかついて考えてみます。
多分、絶対的な定義はないんだと思います。字義通りにとれば、読書して感想を書いたものでしょうが、感想というのもずいぶん曖昧な単語です。
したがって、多様な読書感想文のあり方が認められるべきです。
ただ、どう読書感想文を書いても共通する要素があると思います。
読書を通して自分だけのなにかを発見して、それを言語によって伝える作業が読書感想文には含まれるはずです。
【読書感想文の書き方初級編】とにかく字数を埋める方法
勉強や部活で忙しいみなさんにとって、素早く字数を埋めることは最優先事項ですよね。
そこで、課題図書を読み切ることなく、かつ頭も使わずに、さくっと読書感想文がかける裏ワザを紹介します!
【読書感想文初級編】①いい感じの一節をさがして、感想文に引用しよう
題材図書を半分くらい読めば、深い意味が込められていそうな一節やパンチラインのような一節が見つかるはずです。
そういう文を見つけたら、その少し先まで読んで、本は閉じてしまいましょう。
初級編の肝は、見つけた一節を原稿用紙にそのまま書き写してしまうことです。
引用元の書誌情報とページを書けば著作権的にも問題ないです。
【読書感想文初級編】②一節に込められた意味を考えて自分の言葉で書いてみよう
見つけたその一節から思考を広げていきましょう。
いろいろな論点をたくさん考えて、感想文の種にするのです。
- なぜ目を引いたのか
- どんな意味が込められているか
- この表現はどういう意味か
- 自分は肯定か否定か
- 自分の経験との繋がり
- 疑問
- 他の文との比較
- etc…
こんなことを考えながら書き進めていけば、それなりの分量になるはずです。
【読書感想文初級編】③字数が足りなければもう一節引用して作業を繰り返そう
文の量が足りなければ、他の部分を引用して同じ作業を繰り返せば良いのです。
関係のありそうなところを読み進めながら、規定の文字数に達するまで読書感想文に取り組んでみてください。
長大な文字数を課されていても、細かく分けて考えればそこまで負担感がないでしょう。
気がついたときには読書感想文が終わっているはずです。
【読書感想文の書き方中級編】主観をベースにあなただけの感想文を書く方法
中級編では、字数を埋めるだけでなく、読み応えのある読書感想文を書く方法を紹介します。
本を読んで感じたことのなかから読書感想文を通して表現したいものを選び出し、言語化することで読み応えのある文章を書くことができます。
【読書感想文中級編】①題材図書を全て読もう
まずは課題図書を全部読みましょう。
その際、自分の感情に注意を払いながら読んでください。
メモや付箋を活用してメモしておくのがおすすめです。
また、時間をおいて読み直したり読む速さを変えたりしながら、どう自分の心情が変化するかを捉えようとしてみてください。
【読書感想文中級編】②読んで得た最も初歩的な感情を書き出そう
次に、①でメモしておいた感想から、初歩的な感想を抽出してみましょう。
具体的な感想を簡単な形容詞でざっくりとカテゴライズするイメージで、「悲しい、嬉しい、楽しい、いやだ、気持ち悪い、汚い、面白い」などと書き出します。
簡単な形容詞でカテゴライズしておくと、次のステップで感情を掘り下げやすくなりますよ。
【読書感想文中級編】③こうした感情を掘り下げよう
本を読んで得られた①、②のような感想を掘り下げていきます。
感情を掘り下げると、自分だけの感情を見つけることができます。
自分に固有の感想で、かつ一定の説得力があるような情報を読書感想文にすれば、完成品も読み応えのあるものになるでしょう。
以下は具体的な掘り下げの方法です。
②で「悲しい」と書いたとします。
- 悲しいと感じた理由は?
- その理由だと、だれでも悲しいと感じる? 悲しいと感じるのは私だけ?同世代だけ?日本人だけ?
- どれくらい悲しい?
- 人生で一番?本から感じたもので一番?ほんの少し?食堂の列が長すぎたときと同じくらい?
- どうやって悲しんだ?
- 涙が出た?出なかった?それはなぜ?
上記のように、「なぜ?」で感想を掘り下げながら、本の内容や自分の経験に寄せた内容を考えていくと良いでしょう。
【読書感想文中級編】④初歩的な感情を言い換えたり形容したりしてみよう
③を踏まえて、①や②の感想を言い換えたりさらに肉付けしたりしましょう。
だれでも言えるような感想ではなく、自分だけが感じていて、かつ説得力が担保されているような表現が理想です。
具体的には、
- 「悲しい」を「寂しい・辛い・痛い」に言い換える
- 「噛みつきたいほど・歯軋りするような・胸が張り裂けそう・押し潰されそう・涙が枯れるほど」などの修飾を工夫する
などの方法があります。
【読書感想文の書き方上級編】分析的なアプローチで客観的な読書感想文を書く方法
最後に上級編として、分析的に小説の感想文を書く考え方を紹介します。
先行研究や既存の研究手法を背景にすることで、客観性を担保させ、さらに独自の発見を上乗せするのです。
【読書感想文上級編】①疑問点を探しながら読もう
分析のきっかけにするために、本の一部でもいいし、全体に関わる疑問でもいいので、疑問点を探しながら読みましょう。
また、文章の解釈が一筋縄ではいかないような部分を探しましょう。
なぜ?どういうこと?の問いを明確にしながら読んでください。
【読書感想文上級編】②疑問に対する解説を探してみる
次に、疑問に対する妥当な解答があるかを探します。
インターネットや図書館で、その本の解説書や論文を探してみましょう。
調査を通して別の疑問が生じたら、①に戻って考え直しましょう。
また、疑問を解決するのに役立つ情報がでてくるかもしれません。
探した情報に反論の余地があって納得できなかったり、不十分でも疑問の答えに迫ったものが見つかったりするかもしれません。
【読書感想文上級編】②の調査結果を使って疑問に取り組んでみよう
②の調査結果を踏まえて、独自の解答を考えてみましょう。
解答作成の際の着目点や取り組み方などにはいろいろな方法があると思いますが、ここではいくつかおすすめを紹介します。
以下が活用可能な要素です。
- 作者のバックグラウンド
- 作者の経歴からどんな世界観を持っているかがわかるかもしれない
- 時代背景
- 他の本との関係
- 作品内の文脈
- etc…
文章にまとめるときは、下のように論じることができます。
この作者は前年に〇〇という作品を出していて、その内容が分析対象には反映されているんじゃないかって先行研究にはかいてあるけど、実はこの二つは無関係な可能性がある。なぜなら…
【読書感想文上級編】③試行錯誤しながら内容を充実させよう
行き詰まったら①にもどったり、いろいろ調査をしなおしてみたり、試行錯誤しながら内容を充実させていきましょう。
手間はかかりますが、学問的な観点で画期的な発見をすることがあるかもしれません。
最後に
以上、読書感想文の書き方の例をいくつか紹介しました。
勉強や部活で忙しいと思いますが、自分の余裕と相談しながら気軽に楽しんで書いてみてください!