【3分で分かる!】二次関数の頂点の求め方をわかりやすく(練習問題付き)

はじめに:頻出分野・二次関数の頂点

二次関数の頂点は、基礎的な問題から入試問題まで幅広く登場します。

二次関数の問題において、頂点を求めることは問題を解くための重要な鍵になります。

この記事を読んで、頂点を素早く求められるようになりましょう!

二次関数の頂点とは何か

まずは二次関数の頂点とは何なのかを確認しましょう!

そもそも二次関数のようなグラフの形の曲線を放物線といいます。

二次関数をはじめとした放物線には対称の軸が存在します。これを放物線の軸といったりもします。

そして、放物線と軸の交点が頂点となるのです。図で確認しましょう。

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頂点が何かがわかったところでその特徴を押さえておきましょう。

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二次関数\(y=ax^2+bx+c\)について、\(a>0\)の時(下に凸ともいいます)は頂点は\(y\)の値が最小値をとる点であり、\(a<0\)の時(上に凸ともいいます)は頂点は\(y\)の値が最大値をとる点となります。

下に凸の放物線の頂点は谷の谷底、上に凸の放物線の頂点は山の山頂だと考えてもよいと思います。

二次関数の頂点の求め方 その1

では具体的に二次関数の頂点を求めてみましょう。

一つ目の求め方は、平方完成をして頂点を求める方法です。

平方完成について復習したい場合はこちらの記事を参照してください。

【3分でわかる!】平方完成のやり方のコツ

2017.05.13

具体例を挙げます。

例題

二次関数\(y=x^2+4x+10\)の頂点の座標を求めよ。

例題の解答・解説

平方完成をします。

\(y=(x+2)^2-4+10\)

\(y=(x+2)^2+6\)

平方完成をしたことによって、頂点の座標が\(\style{ color:red; }{ (-2,6) }\)と求まります。

これを一般化します。

二次関数が\(y=a(x-p)^2+q\)と平方完成できたとすると、この二次関数の頂点の座標は(\(p,q\))となります。

これはなぜかというと、二次関数\(y=a(x-p)^2+q\)のグラフは頂点が(\(0,0\))にある放物線\(y=ax^2\)のグラフを\(x\)軸方向に\(p\)、\(y\)軸方向に\(q\)だけ平行移動したものだからです。

グラフで確認しましょう。

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二次関数の頂点の求め方 その2

次の求め方は公式を丸々暗記してしまおうというものです。

しかし、文字がたくさん登場することや何より複雑であることからあまりオススメはしません。

それよりも、「その1」のようにその度ごとに平方完成をやった方がミスは確実に減らせます。

面倒だと思うかもしれませんが、慣れてくれば平方完成は1分もかかりませんので、なんども練習して慣れましょう!

なので、公式は紹介だけにとどめます。

二次関数\(y=ax^2+bx+c\)の頂点の座標を求めます。

平方完成をして、

\(y=a\left(x+ \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c\)

\(y=a\left(x+ \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2+\displaystyle \frac{ -b^2+4ac }{ 4a }\)

よって、この二次関数の頂点は\[\left( – \frac{ b }{ 2a } ,\frac{ -b^2+4ac }{ 4a }\right )\]となります。

これも、結局こちらも一般的な形の二次関数\(y=ax^2+bx+c\)を平方完成しただけなので、やっていることは「その1」と何も変わりません。

しかし、公式として二次関数\(y=ax^2+bx+c\)の頂点は\[\style{ color:red; }{ \left( – \frac{ b }{ 2a } ,\frac{ -b^2+4ac }{ 4a }\right ) }\]となり、これを覚えて頂点を求めることもできます。

二次関数の頂点を求める問題

頂点の求め方がわかったところで、二次関数の頂点を求める問題を求める問題をやってみましょう。

一つが確認問題、最後の問題がちょっとした応用問題になっています。

「その2」の解法だと公式を当てはめて終わりで解説にならないので、以下の解説では全て「その1」のやり方を使っています。

練習問題1

二次関数\(y=\frac{ 1 }{ 4 }x^2-2x+3\)のグラフをかけ、また、軸と頂点を求めよ。

練習問題1の解答・解説

グラフを書くにも軸や頂点を求めるにも、まずは平方完成をする必要があります。

与式を平方完成をして、

\(y=\frac{ 1 }{ 4 }(x-4)^2-1\)

これより、グラフが以下のように書けます。

Screen Shot 2017-08-20 at 0.26.45

グラフより、軸は\(\style{ color:red; }{ x=4 }\)、頂点は\(\style{ color:red; }{ (4,-1) }\)とわかりますね。

練習問題2

放物線\(y=x^2+2x+4\)は、どのように平行移動すると放物線\(y=x^2-4x+3\)に重なるか。

練習問題2の解答・解説

少し応用問題です。しかし、やり方はいたってシンプルです。

\(x^2\)の係数が同じである2つの放物線は、一方を平行移動させて軸と頂点を重ねると放物線全体が重なります。

軸と頂点とありますが、実際は頂点を重ねると必然的に軸も重なりますので、頂点を重ねることを考えるだけでOKです。

このことを用いると、

放物線\(y=x^2+2x+4\)(①とします)の頂点を放物線\(y=x^2-4x+3\)(②とします)の頂点に重なるように平行移動すれば題意を満たしたことになります。

そのためにはまずそれぞれの放物線の頂点を求めます。

①、②を平方完成をして、

\(y=(x+1)^2+3\)、\(y=(x-2)^2-1\)

よって、①の頂点の座標は(\(-1,3\))、②の頂点の座標は(\(2,-1\))であることがわかりました。

一番上で述べたように、\(x^2\)の係数が同じである2つの放物線①、②は頂点を重ねると放物線自体が重なるのでした。

よって、これから考えることは①の頂点の座標(\(-1,3\))を\(x\)軸方向、\(y\)軸方向にどれだけ移動させれば②の頂点の座標(\(2,-1\))に一致させることができるかということです。

そこでグラフをみてください。

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図のように、放物線①を\(x\)軸方向に\(p\)、\(y\)軸方向に\(q\)だけ平行移動した時に放物線②に重なるとすると

\(-1+p=2\)、\(3+q=-1\)

ゆえに\(p=3\)、\(q=-4\)

したがって、答えは

\(\style{ color:red; }{ x軸方向に3、y軸方向に-4だけ }\)
\(\style{ color:red; }{ 平行移動すればよい }\)

となります。

まとめ:平方完成とグラフ

いかがでしたか?

二次関数の頂点が関係する問題は、まず与えられた式を平方完成し、その関数のグラフを書くことで大体の問題は解くことができます。

グラフは、面倒だからといって書かない人が結構多いのですが、グラフを書くことによって見えてくるものもあったりもしますので、必ず書くようにしてくださいね。

冒頭でも言いましたが、頂点を求めておくことが重要な鍵を握る問題も数多く存在するので、素早く求められるようになんども練習しましょう!

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2020.05.08



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