はじめに
日本史の勉強って、教科書や資料集だけではどうしても単調になりがちですよね。そこで、小説や文庫本を使った日本史の勉強をおすすめします。
予習だけでなく、プラスαの背景知識などを学んだり、論理的な文章に触れたりできるからです。
この記事では、私が高校時代に読んだ、日本史に関するおすすめの本6選を紹介します。
目次
日本史に関する小説・文庫本を読むメリット
日本史に親近感を持つことができる
小説・文庫本を読むことで親近感や関心を持ちやすくなるため、日本史を好きになったり、得意になったりするきっかけとなるでしょう。
また他の教科でもそうだと思いますが、予習をしていくと余裕を持って授業を受けることができ、内容も頭に入りやすくなりますよね。
日本史に関する小説・文庫本を事前に読んでおくと、予習と同じような効果が得られます。
各時代の流れを大まかに押さえることができるため、授業で習うことがスムーズに、余裕を持って覚えられますよ。
記述問題の成績向上に繋がる
小説・文庫本を読むことで出来事の因果関係や時系列を整理できるため、記述問題で正確に解答を書けるようになります。
それに加えて日本史に関する小説・文庫本には、教科書に書かれていない出来事や背景が多く記されているため、字数の多い記述問題を書くときの材料にもなります。
また読書を通して論理的な文章に触れることができるうえに、日本史の用語の使い方も習得できるため、減点の少ないきれいな解答が書けるようになるでしょう。
そして、受験する大学に日本史関連の本を書いている教授がいる場合は、その本を読んでおくと周りと差をつけられますよ。入試の記述問題で、著書の内容に関連する問題が出題される例があるからです。
日本史の勉強におすすめの小説・文庫本6選
今回は、日本史の中でも頻出の江戸時代、昭和時代、戦後の本を中心に紹介します。
江戸時代
『百姓の力 江戸時代から見える日本』渡辺尚志著/角川ソフィア文庫
この本では江戸時代の農家や村の暮らし、構成員などについて詳しく述べられています。文書や地図などがふんだんに載っているため、史料問題対策にもなりますよ!
教科書では、百姓の暮らしや村のおきてなどにフォーカスして勉強することはあまりありません。
そういった江戸時代の庶民の暮らしを学んでみたい方、江戸時代に関する論述が出る可能性がある大学を受験する方などにおすすめです。
また、著者は一橋大学教授の方です。一橋大学の過去の入試では、百姓の休暇に関する問題が出題されたことがあり、この本の内容が参考にされていると考えられます。
昭和時代
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子著/朝日出版社
この本では、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変と日中戦争、太平洋戦争がどのような経緯を経て起こったか、そしてその経過が書かれています。
これらの重要な戦争の流れに加えて、日本の政治家や軍隊、さらには国民の戦争に対する考え方の変遷を学べました。
この本は、東大の教授である著書の先生が高校生と行った5日間の戦争講義がもとになっています。対話形式で話し言葉が大部分を占めているため、堅い文章が苦手な方にもおすすめです。
戦後
『昭和天皇の終戦史』吉田裕著/岩波新書
この本では、天皇や側近がどのように戦争に関わっていたかや、どのように天皇の戦争責任論を回避し皇室存続を実現したかなどが描かれています。
天皇を中心に据えた視点から、開戦前から戦後までの歴史を学べました。
昭和天皇独白録や東京裁判時の尋問調書などの史料を調査・検討して書かれており、読みごたえがあります。
天皇の性格や政治との関わりの他、近衛文麿がどのように天皇の信任を受けたかなど、教科書や資料集では絶対に知ることのできない内容が盛りだくさんです。
新しい視点から太平洋戦争を学びたい方におすすめします。
『戦後史』中村政則著/岩波新書
この本は戦後を4つに区分し、新聞やグラフ、写真をふんだんに使って出来事や事件を時系列に説明しています。
戦後に起こった重要な出来事がすべて網羅されているため、戦後の流れを知るのに十分な内容でしょう。
従軍慰安婦など現在も残る戦争に関する問題に留意して、日本とアジアとの関係や書かれており、現代にもつながる問題を考えるきっかけにもなると思います。
戦後の通史をさっと学びたい方や、戦後に関する知識を深めたい方に特におすすめの1冊です。
テーマ別
『百年の女-『婦人公論』が見た大正、昭和、平成』酒井順子著/中央公論新社
この本は中央公論新社が発行する婦人・女性誌である『婦人公論』の100年の歩みを追って書かれました。
大正から平成にかけての時代の変化や歴史的な出来事に伴い、女性の行動や考え方がどのように変化していったのか、また女性の権利はどうなっていったのかなどについて学べます。
大正以降の歴史を女性にフォーカスして学んでみたい方、女性史に興味がある方におすすめです。
『代表的日本人』内村鑑三著/稲盛和夫監訳/講談社インターナショナル
この本の内容は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人の人物の生き方を通して書かれた日本人論となっています。
5人の思想や生き方の紹介を通して、その人物に関連する出来事やその時代のことも学べるようなつくりになっていました。
例えば西郷隆盛の章を通して、維新改革時の西郷の役割や朝鮮問題、西南戦争について学べます。
左ページが対訳、右ページが英語で書かれており、英語の勉強としても役立ちますよ。日本史の試験問題に英語が出題される大学を受験する方、歴史上の人物の実際の生き様を学んでみたい方におすすめです。
おわりに
日本史に関する本を読むことで、日本史の予習ができる上に、教科書には載っていない知識を得られて受験勉強にもなります。気になった本があれば、ぜひ読んでみてください!