はじめに:台形の面積の求め方をマスターしよう!
台形は、中学では面積を求める問題としてはお馴染みの問題です。
高校に入るとほとんど見かけなくなりますが、油断はできません。
台形の面積の問題に関しては公式を知っていれば簡単に解けるものなので、今回公式を理解して、台形の面積の問題を得点源にできるようになりましょう!
目次
台形の基礎知識と面積の求め方・公式
台形とは?
そもそも台形とは何であったかを確認しておきます。
台形とは2つの対辺のうち、いずれか一方が平行であるような四角形のことを言います。
その平行になった対辺のうち、一方を上底、他方を下底と言います。
上底、下底という名前は、図の中でどちらが上か下かで名称が変わりうるので注意してください。
図で示すと以下のようになります。
また、底辺の両端の内角が等しい台形を等脚台形と言います。
等脚台形は底辺の中点を通り、底辺と垂直に交わる直線で線対称になるという特徴を持つ台形です。
こちらも図で説明しようと思います。
台形の面積の求め方・公式
まず最初に台形の面積の公式を紹介します。証明はあとで行います。
上のような台形があったとします。
この台形の面積は\((AD+BC)×h×\frac{ 1 }{ 2 }\)になります。
一般化して台形の面積は、(上底+下底)×(高さ)×\(\frac{ 1 }{ 2 }\)で求めることができます。
では次にどうしてこうなるのかを紹介します。
台形の面積の公式の証明(2種類)
次に台形の面積の公式の証明に入ります。
やり方を2通り示したいと思います。
台形の面積の公式の証明①
1つのやり方は非常に単純で、1本対角線を引いて台形を2つの三角形にして面積を求めるやり方です。
上の図のように、高さが\(h\)の台形\(ABCD\)を考えます。
対角線を1本引いて、台形\(ABCD\)を2つの三角形\(ABC\)、\(ADC\)として捉えます。
三角形の面積は(底面)×(高さ)×\(\frac{ 1 }{ 2 }\)で求めることができます。
よって、三角形\(ABC\)、\(ADC\)の面積の和は、\[(三角形ABC)+(三角形ADC)\]\[=(BC×h×\frac{ 1 }{ 2 })+(AD×h×\frac{ 1 }{ 2 })\]\[=(AD+BC)×h×\frac{ 1 }{ 2 }\]
となり、前に示した(上底+下底)×(高さ)×\(\frac{ 1 }{ 2 }\)になってることが確認できますね。
台形の面積の公式の証明②
2つめの証明は元の台形に合同な台形を逆さにしてくっつけ、平行四辺形を作るやり方です。
平行四辺形の面積は、(底辺)×(高さ)で求めることができます。
今回、底辺は\(BC+D’A'(=AD+BC)\)、高さは\(h\)ですので、平行四辺形の面積は
\((AD+BC)×h\)となります。
求める台形の面積は、今出した平行四辺形の面積の半分でした。
よって、\((AD+BC)×h×\frac{ 1 }{ 2 }\)になっていることが確認できました。
どちらの証明も仕事量としてはほぼ同じですので、好きな方を選んで覚えましょう。
台形の面積に関連する練習問題(2題)
では、実際に問題を解いて公式の使い方を確認をしましょう。
練習問題1
次の台形の面積を求めよ。
練習問題1の解答・解説
この問題は公式に当てはめれば簡単です。
上底が\(3\)、下底が\(5\)、高さが\(4\)の台形なので、公式通りに値を代入して、
\((3+5)×4×\frac{ 1 }{ 2 }=\style{ color:red; }{ 16 }\)とすぐに求まります。
練習問題2
ある台形がある。この台形の面積は\(18\)であり、高さは\(4\)、上底と下底の長さの比は\(1:2\)である。
練習問題2の解答・解説
今回の問題は面積がわかっており、上底・下底の長さがわかっていません。
ただし比は与えられているので、この情報を基に方程式を作ることを考えます。
とりあえず、上底の長さを\(x\)とおきます。
上底と下底の長さの比は\(1:2\)ですので、下底は\(2x\)とおけます。
台形の面積の公式から
\((x+2x)×4×\frac{ 1 }{ 2 }=18\)
整理すると、\(6x=18\)
よって、\(x=3\)
故に、上底の長さは\(\style{ color:red; }{ 3 }\)、下底の長さは\(\style{ color:red; }{ 6 }\)となります。
まとめ:台形の面積の公式は絶対に暗記!
いかがでしたか?
台形の面積は、公式に当てはめさえすれば簡単に出すことができます。
非常に基本的な公式ですので、証明を含めてしっかりと覚えるようにしましょう!