はじめに:正三角形の面積について
正三角形の面積は、あらゆる図形の問題でちょくちょく出現する問題です。
単に公式を丸暗記するのもアリですが、ここでは「公式がなぜその形になるのか」までしっかりと覚え、万が一忘れた場合でもちゃんと対応できるように、訓練しておきましょう!
正三角形の面積の求め方
そもそも正三角形とは何かというと、三角形の中で3つ全ての辺が等しいものを言います。それを押さえた上で解説を進めます。
上の図のような一辺の長さ\(a\)の正三角形を考えてみましょう。
三角形の面積の求め方は(底辺)×(高さ)×\(\frac{ 1 }{ 2 }\)で求まります。
ここで、なぜそうなるかをおさらいしておきましょう。
上図でいうと、左側の三角形の面積を求めるものとします。そこに同じ三角形を上に載せて平行四辺形を作ります。
平行四辺形の面積も長方形と同様に(底辺)×(高さ)で求まるのでした。よって、三角形の面積はこの平行四辺形の面積を半分にすれば良いことがわかりますね。
正三角形の面積も、当然(底辺)×(高さ)×\(\frac{ 1 }{ 2 }\)で求まります。
底辺の長さは\(a\)とわかっていますが、高さがまだ一目見ただけではわかりません。高さを求めるために、ここで登場するのが三平方の定理です。
上の図では、\(AH\)が高さに相当します。三平方の定理より、
\(AH=\sqrt{ a^2-(\frac{ 1 }{ 2 }a)^2 }\)
\(=\sqrt{\frac{ 3 }{ 4 }a^2}\)
\(=\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 2 }a\)
よって、一辺の長さが\(a\)の正三角形の面積は、
\((面積)=a×\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 2 }a×\frac{ 1 }{ 2 }\)
\(=\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 4 }a^2\)
となることがわかりました。
正三角形の面積の公式
正三角形の面積の求め方・公式をもう一度確認して、問題演習に入りましょう!
正三角形の面積を用いた練習問題(2題)
練習問題1
一辺の長さが4の正三角形の面積を求めよ。
練習問題1の解答・解説
一辺の長さが\(a\)の正三角形の面積は\(\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 4 }a^2\)でした。
今回は\(a\)に\(4\)を代入することで、答えが出ます。
よって、求めたい面積は\(\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 4 }4^2=4\sqrt{ 3 }\)となります。
練習問題2
面積が\(25\sqrt{ 3 }\)の正三角形がある。この正三角形の一辺の長さを求めよ。
練習問題2の解答・解説
今回は面積があらかじめ与えられ、一辺の長さが与えられていませんので、練習問題1とは逆の手順をとります。
やり方としては、まず求めるべき一辺の長さを仮に\(x(x>0)\)とでもおきます。
そして、面積の公式とあらかじめ与えられた面積を方程式として解けば、\(x\)の値は求まります。
正三角形の一辺を\(x\)とおく。条件より、
\(\frac{ \sqrt{ 3 } }{ 4 }x^2=25\sqrt{ 3 }\)
これをとくと、\(x^2=100\) よって、\(x=10(x>0)\) となります。
まとめ:正三角形の公式は、導出過程も一緒に覚える
いかがでしたか?
練習問題に関しては、公式さえ覚えていれば一瞬で問題が解けてしまうので、公式が強力な武器なのがよくわかると思います。
しかし、冒頭でも言いましたが公式を丸暗記して部分的に忘れる、またそもそも間違って暗記してしまっては元も子もありません。
そこで、正三角形の公式を求める途中の導出過程もぜひ身につけてほしいです!
問題演習のたびに導出を練習していれば、次第に導出のスピードも上がりさほど時間を取りませんし、何と言っても確実です。
その中で、完璧に暗記してしまったら導出を以後しなくても良いのですが、一番やってはいけないのが便利だからといって考えもなしに丸暗記しようとすることです。
もったいない失点を防ぐという意味でもこれだけは守ってほしいです!
上の解説を何度も見て導出を身に付けるようにしてくださいね。