みなさん、こんにちは。
今回は接続助詞「が/に/を」について学んでいきましょう。
接続助詞「が/に/を」
助詞 | 文法的意味 | 訳し方 | 接続 |
---|---|---|---|
が/を/に | 1.順接の確定条件(「を/に」のみ) 2.逆説の確定条件 3.単純接続 |
連体形に続く |
接続助詞「が/を/に」のポイントは訳し分けです。「順接の確定条件」と「単純接続」は厳密に訳の区別をしなくても意味はそれほど変わらないので、問題はないですが、逆説を他の意味で捉えないように注意しましょう。前後の文章の関係を考えれば自ずと用法は見えてくるはずです。
順接の確定条件
例:「明日は物忌みなるを、門強くささせよ」(蜻蛉日記)
(「明日は物忌みであるので、門をしっかり閉めさせよ」)
例:あまり憎きに、その法師をばまづ斬れ。(平家物語)
(あまりに憎いので、その法師をまず斬りなさい。)
逆接の確定条件
例:めでたく書きて候ぶらふが、難少々候ふ。(古今著聞集)
(素晴らしく書かれてございますけれども、難点が少々ございます。)
例:十月つごもりなるに、紅葉散らで盛りなり。(更級日記)
(十月の末頃であるのに、紅葉が散らず盛りの様子である。)
例:雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、(枕草子・二九九)
(雪がたいそううず高く降り積もっているけれども、いつもと違って格子を降ろして、)
単純接続
例:門に入るに、月明かければ、いとよくありさま見ゆ。(土佐日記)
(門を入ると、月が明るいので、とてもよく様子が見える。)
例:女君二人、男君一人おはせしが、この君たちみな大人び給ひて、(源氏物語)
(女君二人、男君一人がいらっしゃったのであるが、この君たちがみな成人なさって、)
例:「汝が姓は何ぞ」と仰せられしかば、「夏山となむ申す」と申ししを、やがて繁樹となむ付けさせたまへりし。(大鏡・序)
(「お前の姓は何という」と仰ったので、「夏山と申します」と申し上げたところ、そのまま繁樹とお付けになってしまった。)