【3分で分かる!】平方完成を一瞬で!? 平方完成の簡単なやり方とコツをわかりやすく

今回は、平方完成のやり方をこれから平方完成の勉強を始める人にはもちろん、理解が曖昧で復習したい人にも分かりやすく解説します!

平方完成は二次関数や二次方程式の分野でとても重要です。例えば二次関数のグラフの問題を解くためには必ず必要だったりします。

平方完成は一見複雑な操作のように思えますが、具体的な式で何度か練習すれば必ずマスターすることができる簡単なものです。

ということで、この記事は教科書では数行程度しか書いていない平方完成を徹底的に解説していくものになります。

平方完成の基本、次に平方完成のコツ、最後には平方完成の練習問題を用意しています。

ぜひ最後まで読んで、平方完成を完璧にマスターしましょう!

平方完成とは

平方完成の定義と公式

まずは平方完成とはどんなものであるかを確認しましょう。
平方完成とは、\(y=ax^2+bx+c\)の形の関数を\(y=a(x-p)^2+q\)という形に変形することです。

スライド2

早速ですが、ここで確認しておくことがあります。それは\(p\)や\(q\)という文字はどっからきたの!?ということを考えてはいけないということです。

なぜかというと、\(p\)や\(q\)は適当な定数だからです。別に\(p\)は2でも6でもなんでもいいわけです。(ただし、数であることに注意!)

よって、\(y=a(x-p)^2+q\)には意味は特にはありません。

単純に、「平方完成をするとこんな形になるんだよ!」ということを表しているに過ぎません。

ここでは2乗の形を作ったことに注目しておいてください。

ちゃんと\(y=ax^2+bx+c\)を平方完成とすると、\[\style{ color:red; }{ y=a\left(x+\displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c }\]となります。

つまり、先ほどの適当な定数\(p\)、\(q\)は、\[p=-\displaystyle \frac{ b }{ 2a }\]\[q=-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c\]であったことがわかりますね。

平方完成はとても強力な武器で、例えば二次関数の頂点が分かるようになります。

*二次関数の頂点の求め方についてはこちらをご覧ください。

【3分で分かる!】二次関数の頂点の求め方をわかりやすく(練習問題付き)

2020.06.25

でも、なぜ\(y=a\left(x+\displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c\)という形にする必要があるのだろうかと思ったりしませんか?

複雑だから覚えにくい!!と思う人も多いのではないでしょうか?

でも、大丈夫!

次に紹介する公式を理解すればどんな時でも平方完成を正確にできるようになります。

次はその証明を見ていくことにしましょう!

平方完成の公式の証明

ここでは平方完成の公式の証明を確認してみましょう! 図と簡単な説明で進めていきます。

Screen Shot 2018-03-26 at 1.01.45

まずは、\(y=ax^2+bx+c\)の右辺である\(ax^2+bx+c\)を図のように長方形で表してみます。

Screen Shot 2018-03-26 at 1.09.09

次に\(a\)で全体をくくり、かっこの中身を図で表します。(以下図はかっこの中身を表します)

Screen Shot 2018-03-26 at 1.12.12

次に\(\displaystyle \frac{ b }{ a }\)を2つに分けます。

Screen Shot 2018-03-26 at 1.31.32

2つの\(\displaystyle \frac{ b }{ 2a }\)を一辺が\(x\)の正方形の側面にくっつけます。

また、\(\left( \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2\)を2つ準備しておきます。
(帳尻を合わせるために\(+\)と\(-\)の2つを用意しておきます。)

Screen Shot 2018-03-26 at 1.34.59

\(+\)の方の\(\left( \displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2\)を図のようにくっつけて、一辺が\(x+\displaystyle \frac{ b }{ 2a }\)の正三角形を作ります。

Screen Shot 2018-03-26 at 1.38.27

正三角形の面積は、(一辺)×(一辺)で求めることができるので、図のように式を変形します。

Screen Shot 2018-03-26 at 1.49.58

最後に余計な部分をかっこの外に出して完成です。

いかがだったでしょうか? 面倒ではありますが、難しくはないと思います。

これを頭に入れておけば、平方完成は絶対に忘れることはないでしょう。 しっかりと理解しましょうね。

では、平方完成の具体的なやり方と平方完成のコツを見ていくことにしましょう!

平方完成の詳しいやり方

先ほどは文字を使ってごちゃごちゃとした証明をやりました。

次は、実際に問題を解くときにどのように式変形していけば良いかを見ていくことにしましょう!

基本的な流れは以下のようになります。
平方完成

言葉だけではイメージがわかないと思うので、\(2x^2+4x+1\)を例に、順番に解説していきますね。読むだけでは難しいと思うので、手を動かしてやってみることをお勧めします。

  1. \(\style{ color:red; }{ x^2 }\)\(\style{ color:red; }{ x }\)の項を\(\style{ color:red; }{ x^2 }\)の係数でくくる
  2. まず、\(2x^2+4x+1\)の\(2x^2\)と\(4x\)の項を\(x^2\)の係数の\(2\)でくくって、\(2(x^2+2x)+1\)にします。

  3. \(\style{ color:red; }{ x }\)の係数の半分の2乗で帳尻合わせ
  4. 次に、さきほどのカッコの中の\(x^2+2x\)を変形していきます。

    \(x\)の係数である\(2\)の半分の\(1\)の2乗を足して引くことで帳尻合わせを行います。
    \(x^2+2x=x^2+2x+1^2-1^2\)

  5. 2乗の項をくくる
  6. ここで因数分解の公式\(x^2+2ax+a^2=(x+a)^2\)を思い出しましょう。

    そうすると\(x^2+2x+1=(x+1)^2\)の因数分解を利用して、\(x^2+2x+1^2-1^2=(x+1)^2-1^2\)と変形できますよね。

  7. 式を整理する
  8. ②と③で変形したカッコの中身を、①のカッコの中に戻し、式を整理します。

    ①で出てきた\(2(x^2+2x)+1\)のカッコの中に、③で最終的に変形した\((x+1)^2-1^2\)を入れます。
    \(2(x^2+2x)+1=2\{(x+1)^2-1^2\}+1\)

    あとはこれを整理します。
    \(2\{(x+1)^2-1^2\}+1\)
    \(=2(x+1)^2+2×(-1^2)+1\)(中カッコをはずした)
    \(=2(x+1)^2-2+1\)
    \(=2(x+1)^2-1\)

    これで\(2x^2+4x+1=2(x+1)^2-1\)という平方完成ができました。

平方完成を一瞬でする簡単なやり方のコツ

ここまでは、たくさん例を出して平方完成をやってもらいましたが、ここからは一般的な二次関数について再び平方完成を考えます。

\(y=ax^2+bx+c\)を平方完成とすると、\(y=a\left(x+\displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c\)とであると紹介し、証明もしました。

でも、いちいち証明をやっていては大変ですよね。もっと一瞬で平方完成できる方法(コツ)はないのでしょうか?

答えはイエスです。
平方完成を一瞬でやるためのコツは、

①\(\style{ color:red; }{ a }\)\(\style{ color:red; }{ x^2,x }\)をくくること
くくった中身で平方完成すること

の2つです。

ということで再び\(ax^2+bx+c\)を平方完成しましょう。
ポイントに沿ってやっていきます。

まず、\(a\)で\(x^2\)と\(x\)をくくりますので、\[a\left( x^2 + \displaystyle \frac{ b }{ a }x \right) + c\]となります。

次にかっこの中身を\((x+p)^2-p^2\)という形に変形していきます。\(x\)の係数の半分の二乗を足して引くことで帳尻を合わせるのでしたね。

\[a\left[\left(x+\displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\left(\displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2 \right] + c\]

見た目の問題で[ ](大括弧)を使っていますが、{ }(中括弧)で大丈夫です。

最後にこの式を展開すると

\[y=a\left(x+\displaystyle \frac{ b }{ 2a } \right )^2-\displaystyle \frac{ b^2 }{ 4a }+c\]

このように変形することができました。

\((x+p)^2-p^2\)の形を作る過程で分数になることもあり、計算が面倒になることもありますが、丁寧に計算して正しく平方完成しましょう。

では最後に練習問題を解いて終わりとしましょう。

平方完成の練習問題にチャレンジしよう

それではこれまで学んだことを踏まえ、練習問題を3つほどやってみましょう。

練習問題1

\(x^2+4x+9\)を平方完成せよ。

練習問題1の解答・解説

平方完成は最終的にこの形を作ることがゴールでした。

\(a(x-p)^2+q\)

ということで、最初に\((x-p)^2\)の形を作ります。

\(x^2+4x+4=(x+2)^2\)ですので、まずはこの形を作ります。

この形を作るために\(4\)を足してみます。

\(x^2+4x+4+9\)

これで\((x+2)^2\)の形を作ることができますが、元と比べて合計がプラス\(4\)になってしまい別の関数になってしまいます。

そこで、数字を合わせるために足した分だけ引きます。

\(x^2+4x+4-4+9\)

こうすれば元の関数と変わりませんね。

\begin{align}
x^2+4x+9&=(x^2+4x+4)-4+9\\
&=\style{ color:red; }{ (x+2)^2+5 }
\end{align}

このように必要な数を足して、その分引くことで正しく平方完成することができます。

練習問題2

\(x^2+2x\)を平方完成せよ。

練習問題2の解答・解説

次に\(x^2+2x\)を平方完成します。

\(x^2+2x+1=(x+1)^2\)であるので、

\(x^2+2x=x^2+2x \underbrace{+1-1}_{ポイント}=\style{ color:red; }{ (x+1)^2-1 }\)

このように\(x^2+2bx+c\)を平方完成するときは

\((x+b)^2-b^2+c\)の形を作ることでできます。

つまり\(\style{ color:red; }{ x }\)の係数の半分の二乗を足して、合計を合わせるために引きます。

今回の場合だと、\(x\)の係数は\(2\)なので\(x^2+2x+1\)の形を作り出すために\(1\)を足し、全体としての合計を合わせるために\(-1\)をしています。

練習問題3

\(x^2-x\)を平方完成せよ。

練習問題3の解答・解説

\(x^2-x\)を平方完成します。

こちらも先程と同様に\((x+b)^2-b^2+c\)の形を作ります。

\(x\)の係数は\(-1\)なので、その半分は\(-\displaystyle \frac{1}{2}\)です。

よって以下のようになります。

\(\left( x-\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 } \right )^2-\left( -\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 } \right )^2=\style{ color:red; }{ \left( x-\displaystyle \frac{ 1 }{ 2 } \right )^2-\displaystyle \frac{1}{4} }\)

分数の場合であっても問題なく平方完成することができます。

平方完成のまとめ

いかがでしたか? 平方完成を一瞬でできるようになったのではないでしょうか?

平方完成は、それ自体が問題として問われることは少ないですが、問題を解く過程で必要になってくることが多いです。

ぜひ今のうちに平方完成についてきちんとマスターしましょうね。

また、平方完成は慣れてくれば一瞬でできるようになります。繰り返し練習してスピードアップしましょう!

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2020.05.29



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