高校数学要点まとめシリーズ、今回は数学B「数列」の分野から「等比数列」をとりあげます!
等比数列は等差数列と並んで、数列の基礎的な項目です。今後やる数列の計算に等差数列と等比数列の二つは特に重要なので確実にマスターしましょう!
等比数列の要点まとめ
等比数列とは
等比数列とは隣り合う項の比が一定である数列です。
この比(公比という)をrとして、もっと一般的に表すと
$$ \frac{a_{n+1}}{a_n} = r (nは自然数) $$
であるような数列のことです。
例えば、 1,3,9,27,81,… という数列は、
3 ÷ 1 = 3
9 ÷ 3 = 3
27 ÷ 9 = 3
というように、1個手前の項で割った商(比)は3ですね。これが公比です。
他にも、「公比倍されていく数列」として覚える方法もあります。

先ほどの例でいうと、
1 × 3 = 3
3 × 3 = 9
9 × 3 = 27
ということです。
どちらも同じことですから覚えやすい方で覚えましょう。
等比数列の一般項の公式
公比をrとすると、等比数列の一般項(第n項)は、
$$ a_n = a_1 \cdot r^{n-1} $$
と表されます。

この図からもわかるように、例えば第3項は初項に\(r\)を2回かけたものですね。
第4項は3回、第5項は4回、というように繰り返していくと、
第\(n\)項は初項に\(r\)を\(n-1\)回かけたものだということが分かります。
だから \(a_n = a_1 \cdot r^{n-1}\) という式が出てくるんです。
等比数列の和の公式
初項から第\(n\)項までの和を\(S_n\)とすると、
\begin{eqnarray}
S_n &=& a_1 \cdot \frac{1-r^n}{1-r} = a_1 \cdot \frac{r^n-1}{r-1} & (r&\neq&1)\\
S_n &=& na_1 & (r&=&1)
\end{eqnarray}
\(r \ne 1\) のとき、
$$
S_n = a_1 + a_1 r + a_1 r^2 + a_1 r^3 + …… + a_1 r^{n-1}
$$
両辺に\(r\)をかけると、
$$
r \cdot S_n = a_1 r + a_1 r^2 + a_1 r^3 + …… + a_1 r^{n-1} + a_1 r^n
$$
上の式から下の式を引くと、
$$
(1-r)S_n = a_1 – a_1 r^n
$$
となるから、
$$
S_n = a_1 \cdot \frac{1-r^n}{1-r}
$$
\(r = 1\) のとき、
$$
S_n = a_1 + a_1 + a_1 + …… + a_1 = na_1
$$
等比中項
数列\(\{a,b,c\}\)が等比数列であるとき、
$$ b^2 = a \cdot c $$
が成り立ちます。
逆に、 \(b^2 = a \cdot c\) が成り立つとき、数列\(\{a,b,c\}\)は等比数列です。(※\(\{a,b,c\}\)も等比数列です)
この\(b\) のことを等比中項といいます。
数列\(\{a,b,c\}\)が等比数列のとき、
$$
\frac{b}{a} = \frac{c}{b}
$$
が成り立ちますから、両辺をab倍して、
$$
b^2 = a \cdot c
$$
となります。