はじめに
数学のグラフを書く問題ってホント大変ですよね。
2次関数や3次関数、三角関数に指数・対数関数までならまだしも、名前の付いていない関数や極座標系の曲線、etc……と複雑になると概形がなかなか思い浮かびません。
苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、受験勉強でも大学に入ってからも使える優れものの関数グラフ描画アプリ「Desmos」を紹介します!
目次
関数グラフ描画アプリ「Desmos」で出来ること
【Desmosで出来ること①】グラフを描く
この記事のタイトル通り、Desmosはグラフを描くアプリです。
グラフを描くためのアプリなだけあって、使うことができる関数の種類はかなり豊富。
三角関数や指数対数関数、階乗、順列・組合せ、\(\Sigma\)、微分・積分などなど。その他に統計(データの分析)で使うものや高校数学の範囲を逸脱するものもあります。
グラフには\(x, y\)の定義域・値域を指定することもできますから場合分けが必要なグラフもバッチリ。
さらに数学Ⅲで習う陰関数表示や媒介変数表示、極座標系の式を用いたグラフも全部描けて、軌跡と領域の問題にも対応できます!至れり尽くせりですね。
【Desmosで出来ること②】描いたものを動かす
このアプリが優秀なのはあらゆるグラフを描けるだけでなく、グラフや点を動かせるところです。
例えば\(y = ax^2 + bx + c\)と記入します。
すると「add slider: a b c all」と出てくるので「all」をタップしましょう。
このように\(a = 1, b = 1, c = 1\)が代入され\(y = x^2 + x + 1\)のグラフが表示されます。
\(a = 1, b = 1, c = 1\)の左側にある再生ボタンをタップすると各変数が-10から10の範囲で動き、それにつれてグラフも動きます。
動かしたい範囲を変えることもできますし、連続的に動かす(指定した範囲内のすべての実数)か離散的に動かす(指定した範囲内の飛び飛びの値)かも選べます。
関数グラフ描画アプリ「Desmos」の使い方
実はこのDesmos、アプリだけでなくPCのサービスとしてもあるんです。
こちらがそのPC版Desmosのユーザーガイド(説明書)。
基本的にアプリ版も同じ機能が搭載されているので、こちらを参考に式を記入してみてください。
関数グラフ描画アプリ「Desmos」で数学の入試問題を解いてみた
2014年 センター試験 数学Ⅱ・B 第2問 (一部抜粋)
\(p\)を実数とし、\(f(x) = x^3 – px\)とする。関数\(f(x)\)が\(x = \frac{p}{3} \)で極値をとるとする。また、曲線\(y = f(x)\)を\(C\)とし、\(C\)上の点\((\frac{p}{3} , f(\frac{p}{3}))\)を\(A\)とする。
\(f(x)\)が\(x = \frac{p}{3}\)で極値をとることから、\(p = \) オ であり、\(f(x)\)は\(x = \) カキ で最大値をとり、\(x = \) ク で最小値をとる。
これをDesmosで解くと……
このように式を入力して、\(p\)の値を動かすだけでできますね(笑)。
3番目の式で\(f'(x) = 0\)のときの\(x\)の値が表示されているので、この値が\(p\)の値の\(\frac{1}{3}\)になればいいですよね。(答えが無理数の場合は詰みますが……)
極大値と極小値もちゃんと書いてあります。
もっといい解き方があるかもしれませんが、Desmosを使うと何も考えずにたったこれだけで問題が解けてしまいました(普通に計算した方が早いかも??)。
関数グラフ描画アプリ「Desmos」は悪用厳禁!
今回紹介してきた「Desmos」、優秀なアプリであることには間違いはないのですが、悪用(使いすぎ)には注意。
毎回のようにこのアプリを使って自力でグラフを描くことを怠ると実力はつきません。
複雑で概形を想像しにくい曲線を調べる、綺麗な図を描くためのモデルとして使う、面倒な宿題をさっさと終わらせる、宿題などの検算、といった目的で節度を保って活用してみてください!