練習問題
問題
文中の赤字部分から助動詞を抜き出し、文法的に説明(例:たれ 完了 已然形)したうえで訳しなさい。
古文に自信がある人は、注を見ないで解いてみましょう。
-
花といはば、かくこそ匂はまほしけれな。
かく=このように。こう。 匂ふ=香る。(他にも「美しく染まる・美しく照り輝く」「栄える」の意味があります。重要単語なので要チェック!) -
おのが行かまほしき所へ往ぬ。
おの=自分。 往ぬ=行ってしまう。去る。立ち去る。 -
楊貴妃ごときは、あまり時めきすぎて悲しき事あり。
時めく=寵愛を受ける。 -
帰りたければ、ひとりつい立ちて行きけり。
ば=〜ときはいつでも。(順接の恒常条件) つい立つ=さっと立つ。 けり=〜たということだ。(過去の助動詞) - 誰(たれ)もみなあのやうでこそありたけれ。
-
つひに本意のごとく逢ひにけり。
つひに=とうとう。 本意=本来の願い。かねてからの願い。 逢ふ=結婚する。
解答
-
まほしけれ 願望 已然形
花というならば、このように香ってほしいものだなあ。
係り結びの法則により、「まほし」は係助詞「こそ」の結びで已然形「まほしけれ」となります。 -
まほし 願望 連体形
自分が行きたいところへ去る。 -
ごとき 例示 連体形
(例えば)楊貴妃のような人は、あまりにも寵愛されすぎて悲しいことがある。 -
たけれ 願望 已然形
帰りたいときはいつでも、一人でさっと立って帰ったということだ。 -
たけれ 願望 已然形
誰でも皆あのようであってほしい。
係り結びの法則により、「たし」は係助詞「こそ」の結びで已然形「たけれ」となります。「こそ」は普通訳しません(例外もあります)。 -
ごとく 比況 連用形
とうとうかねてからの望みどおりに結婚した。