はじめに
物理基礎や化学基礎の計算が苦手で、理科基礎の得点が安定しないと悩んでいる文系の受験生は多いと思います。
しかし、それらの代わりに計算の少ない地学基礎を選択することで、安定した得点が期待できるかもしれません。
この記事では、筆者の経験をもとに、共通テストの理科基礎で地学基礎を選択するメリットや独学の方法を紹介します。
ただ、学校で地学基礎を履修できない受験生が、独学により共通テストで地学基礎を受検することを推奨する内容になっているので、受検科目の変更は自己責任でお願いします。
目次
【暗記がメイン】共通テスト地学基礎の基本情報
【地学基礎の基本情報】①共通テスト地学基礎の概要
ご存じの方も多いと思いますが、地学基礎は理科①(理科基礎)の4科目のうちの1つで、理科②に比べ内容は比較的軽くなっています。
理科基礎は4科目のうち2科目を自由に選択でき、地学・生物の組み合わせ(暗記型)や地学・化学の組み合わせ(暗記・計算バランス型)などの組み合わせをすることも可能です(型の呼称は独自)。
ただし、大学によっては地学基礎が選択できない場合もあるので注意が必要です。
地学基礎の分野は、大きく5分野に分かれています。
「地球」「地史」「大気・海洋」「宇宙」「自然環境」の分野に分かれ、共通テストではこの中から幅広く出題される傾向にあります。
一部中学理科と重なる部分もあり、中学理科が得意だった、好きだった人は、他の科目より地学基礎を選んだ方が勉強を進めやすいでしょう。
個人的には、地学基礎は理科基礎科目の中で中学理科との重複度が最も高いと感じました。どの分野も計算問題で複雑な計算を求められることは少ないです。
【地学基礎の基本情報】②共通テスト地学基礎を選ぶメリット
まず、地学基礎を選ぶメリットとして、受験者数が少なく、他科目の平均点が下がったときに有利であることが挙げられます。
例年受験者数は化学基礎や生物基礎の約半分以下となっています。
理由としては、地学基礎の授業を提供する高校が少なく、さらに、独学してまで地学基礎を受検しようとする人が少ないことが考えられます。
次に、地学基礎は暗記がメインで得点を安定させやすく、他科目の平均点下降時に有利になります。
つまり、化学・物理基礎の計算問題の難化時にそれらの受検者に差をつけやすくなります。
しかし、その分需要が少ないため、参考書や過去問題集の充実度は低めです。
例えば、書店の地学基礎のコーナーが狭い場合が多かったり、塾や予備校にも地学基礎の講座が用意されていないことが多かったりします。
実際に、筆者が通っていた映像授業の塾でも提供されていませんでした。
そして、平均点が高い年が多いため、安定して得点しやすくなっています。
平均点が30点を超える年が非常に多く、35点を超える年もあります。
これは理科基礎4科目のうちでも稀です。
このことから、計算が必要な問題が少なく、多くの受検者が安定して得点できているという考察ができるでしょう。
ただ、意欲のある独学の受検者が多いことも考えられます。
地学基礎の対策と独学の方法について
【地学基礎の対策と勉強法】インプットの仕方について
地学基礎の対策として重要なのが、5分野のうちどの分野が出ても対応できるようにすることです。
地学基礎では、毎年各分野から幅広く出題されるため、苦手分野を放置してはいけません。
共通テストでは、1問につき3点または4点の問題が多く、苦手分野があると大量失点につながってしまいます。
また、計算が少ないと言っても、中には計算問題の出題が多い分野もあるため、注意が必要です。
例えば、地震の発生時刻に関する計算問題は頻出です。
そして、対策としては教科書は必須ではなく、市販の参考書で対応可能です。
参考書を選ぶ際は、購入前に中身を確認し、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
しかし、教科書の安心感は否定できません。
なぜなら、参考書に不記載の知識が問われたときのリスクを回避できるからです(共通テストは高校での教科書に沿った授業を前提に作られているためです)。
そして、独学の場合、他教科の勉強時間を圧迫しないように勉強時間の配分に注意しましょう。
筆者の場合、地学・生物での受検を決めていたため、使用しない化学の授業中にのみ地学を勉強するようにしていました。
次に、参考書や教科書を反復して読み、曖昧な点は徹底的に潰すようにしましょう。
苦手な部分は自分でまとめ、復習を重ねることが重要です。
また、読むだけの学習では、読み慣れて内容が入ってこなくなることがあるため、青ペンと赤シートを使用した問題集を模した使い方も有効です。
【地学基礎の対策と勉強法】アウトプットの仕方
参考書でのアウトプットが終わったら、実戦問題集や共通テストの過去問を解いて、本番への対応力を上げていきましょう。
少なくとも1冊は共通テストの実戦問題集を購入し、演習を行ってください。間違った問題はもちろん、勘で正解した問題の復習も徹底することが重要です。
最後に、センター試験や共通テストの過去問を解きましょう。
自分なりに出題傾向をつかみ、頻出問題をマークしていきます。
この段階では本番も近くなっていると思うので、問題集よりも厳格に時間を計測して演習を行うことが重要です。
目安は3~5年分、大学側の理科基礎の配点が高い場合には10年分の過去問を解きましょう。
おわりに
いかがでしたか?地学基礎で共通テストを受検するメリットは多くあります。
ただ、学校で履修していない場合には独学が必須となってくるため、勉強方法や勉強時間の配分に気を付けるようにしてください。
地学基礎での受検に興味を持った方は、一度参考書を手に取って内容を確認してみてください。