はじめに
一橋を目指す受験生にとって大きな壁となるのが難易度の高い社会の問題でしょう。
中でも日本史は深い内容まで問われることが多く、受験生を悩ませています。
本記事では、合格点を取るために必要な一橋日本史の対策を紹介します。
勉強法に迷っている受験生は是非参考にしてみてくださいね!
目次
一橋日本史の概要
幅広い出題分野
頻出の時代は近現代ですが、平安・鎌倉時代からの出題もあります。
近現代の学習に重点を置きながらも、全時代満遍なく学習する必要があります。
分野としては、政治・経済史からの出題が多めで井上馨の欧化政策や、大戦景気などは複数回問われているテーマです。
他にも、法制史や文化史、交通史などからの出題もあり、特に治安維持法は頻出テーマとなっています。
試験時間は120分、出題量は400字×3問
120分は長いと感じられるかもしれませんが、記述量が多いため意外と時間は余りません。
記述に関しては、無理に字数を稼いでも点が来ない可能性が高いので、書ける部分を優先したほうが良いでしょう。
一橋日本史の難易度
難易度は大学入試最難関クラス
解答には詳しい知識が求められ、その上、問題文を読んだ時に問われている内容と同時期の事象を想起する時代感覚が必要です。
一筋縄ではいかない問題
問題はほとんどが論述問題ですが稀に単答問題が出ることもあります。
単答問題もかなり難しく、記述で答える必要があるため、用語の単なる暗記では対応できません。
論述問題に解答する際には、例えば、治安維持法の制定背景として普通選挙法成立があったことなど、事象の有機的なつながりを捉えることが必要です。
また、提示された資料や文章から出題者の意図を読むことも求められます。
例えば、2020年第1問では、資料として示された浮世絵が宿場町の状況を描いていることを推測できなければ解答は作成できませんでした。
前提として広範な知識が必要なことはもちろんですが、このような問題に対応するためには柔軟な発想力を磨くと良いでしょう。
問題文を見たらすぐに教科書で該当する内容を想起することを習慣づけることで、発想力を養うことができると思います。
一橋日本史の対策
過去問に入る前は教科書を最優先にすると良い
教科書は一般的な参考書や問題集とは異なり、高校日本史の全ての事項がまとまっているため、抜け目のない広範な知識を得ることが可能です。
そして、教科書の本文は簡潔にまとまっており、論述の解答に使える、言わば模範のような文章のため、教科書の文章をダイレクトに解答に反映させれば答案作成の強力な一助となります。
教科書の使い方ですが、文章を覚えるレベルで繰り返し読み込みましょう。
その際は、欄外の詳細な内容まで覚えるほか、論述に使えそうな文には線を引いて暗記し、過去問演習などで得た補足事項は積極的に書き込んでいきましょう。
参考書や問題集は余裕がある場合で良い
教科書が広い分野をカバーしているのに比べ、参考書や問題集はどうしても網羅度が低くなってしまいます。
一橋日本史では細かい内容まで問われることがあるため、教科書での対策が有効になります。
さらに、出題内容が記述のみと特殊なため、問題演習は市販の参考書より過去問の方が有効です。
市販の問題集でも、論述を扱った問題集ではなく単答問題が掲載されている問題集だとあまり対策にはなりません。
過去問は何よりも重要
過去問は解いて終わりではなく、解説も読み込んだ上で教科書に立ち返りましょう。
解説を読み込むことで、読み慣れた教科書だけで勉強していた時には見落としていた内容が見えてくることもあります。
過去問を解く年数は学部にもよりますが、配点が高い学部を受験する場合や、日本史に不安がある場合は少なくとも10年分解くと良いでしょう。
社会学部の場合は日本史を対策してくる受験生が多いため、20年分遡っても良いと思います(他教科との兼ね合いを考える必要はあります)。
過去問の解き方
実際に答案を作成し始める際には、まず、小問ごとに何字程度書くかを決め、解答に関連することはすべて書き出します。
そして、過去問は必ず添削してもらいましょう。
添削をしてもらうことで解答の客観性が高まります。
添削は信頼できる人にしてもらいましょう。
筆者は学校の日本史の先生に添削してもらいました。
返却後は添削で得た知識を教科書に書き込み、誤った認識の記述は削除して、知識の整理を行なっていました。
筆者がやっていた勉強
筆者は日本史が好きだったため、高2で全範囲をひと通り網羅していました。
ただ、反省として英語や数学により時間を割くべきだったと思います。
英語、数学は短期間では伸びにくいですが、それに対して日本史は直前でもある程度は知識を入れることができるからです。
高2までは英語と数学をメインに学習しつつ、余裕がある場合は日本史にも時間を割くようにしましょう。
過去問には夏休みから着手しました。
夏前に通史は終えていたため、夏休みはしっかりと過去問演習の時間を取ることができました。
しかし、一般的な高校の進度では夏から過去問に入ることができないため、夏に過去問に着手するには計画的な自習が必須です。
筆者は結果的に32年分の過去問を解きましたが、この量は夏休みから始めていなければ達成できませんでした。
模試・共通テスト
一橋を意識した勉強をしていれば、記述模試の論述問題は典型問題として処理することができます。
ただ、一般的な記述模試は一橋日本史と形式が全く異なるため、一橋を受ける上で偏差値は参考にはなりにくいです。
しかし、基本的な知識が抜けていないかの確認にはなるため、軽視せず復習をするようにしましょう。
共通テストの過去問や模試で筆者の得点はほとんど80%台でした。
共通テストの日本史は史料問題が多く、知識はあっても問題次第の側面が大きいので実践を重ねればその分点数が取れるわけではありません。
そのため、80%台で安定したら、問題集は解き過ぎずに本試験まで知識の抜け漏れがないようにするのが良いと思います。
共通テスト終了後は、未着手の問題は解き過ぎず、今まで取り組んだ過去問を総復習し、教科書に適宜戻って知識の点検を行いましょう。
こうすることで、二次試験に向けた自信につながります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
一橋日本史はその難易度から教科書では対応できないと言われることもありますが、実際はその逆で、教科書の内容を深く理解していれば解ける問題がかなり多いです。
教科書を基盤としながら、過去問演習を通じて一橋日本史の独特の形式に対応できるように対策していきましょう。