はじめに
日本史で論述を必要とする大学である一方、学校の授業だけでは対策することができず、勉強法がわからない人がいらっしゃるかと思います。
今回は、超基礎からの日本史論述の勉強法や注意点、そもそもどのような大学で出題されるのか、詳しくご紹介します!
なお、今回の記事では、実際に入試で日本史の論述問題が出題される京都大学の学生の方のご意見も、併せてご紹介しますよ。
目次
日本史論述の勉強法
【京大生も推薦!日本史論述の勉強法①】まずは教科書を使って、基礎情報をインプット!
いきなり論述対策用の「特別な」勉強をすると思われるかもしれないが、実はそのようなことは全くありません。
まずは通史や文化史の勉強をしましょう。
論述での最終的なゴールは、日本史の流れを一本の線でつなぎながら理解することです。
用語を一問一答形式、つまり点と点でしかつなげられていない場合、論述ではじめて「点と点を線でつなぎながら日本史を理解する」ことになります。
この作業は、一度知識を習得してからやろうとすると、非常に骨の折れる作業となるので、事前にそこを意識した単語暗記をしましょう。
また、入試で論述の模範解答として使いやすい文章は、講義調のわかりやすい学習参考書にはなく、教科書に掲載されています。
特に、山川出版社の「詳説日本史探究」は、山川出版社の用語集とともに、入試問題によく使われます。この教科書が配られている場合は、積極的に活用しましょう。
用語の丸暗記はせずに、どのような勉強をしていけばいいのか、それは「用語の内容や出来事の流れ」を自分で語れるようにすることです。
例えば、皆さんは「墾田永年私財法」の内容・制定背景・意義について語ることができますか?
この内容を語れるようになるためには、教科書に書いてある情報を、体系立ててインプットする必要があります。
上の問題について戻ると、今回は以下の内容を包含できるとよいですよ。
【京大生も推薦!日本史論述の勉強法②】論述対策の授業・教材を使って、厳格にミスを確認する
日本史の知識を、体系的に理解でき、流れを人に説明できる状態になったら、市販の「論述問題参考書」や、予備校の講座を利用するのがいいでしょう。
市販の「論述問題参考書」を利用する場合は、採点基準を参考に、自分で採点していく必要があります。
自分だけで論述の勉強をすることに、多くの方は不安を感じるかたもいらっしゃるかと思います。しかし、自分だけでも勉強を進めていくことは可能なんですよ!
市販の参考書には、細かく採点基準が記載されており、自分が書けていない部分・理解できていない部分を詳細に理解することができます。
予備校の講座を受講する場合は、必ず添削サービスがついているため、そちらを活用するのは前提です。
ただ、添削してもらったものをそのまま放置して、毎回ただ授業を受けて添削をしてもらうだけを繰り返したら、何も成長しませんよね。
必ず、先生が添削してくださった際に書いているメモ等を厳密に自分で見直したうえで、毎回訂正していく必要があります。
【京大生も推薦!日本史論述の勉強法③】過去問を通じて、大学の傾向に合わせる作業を極める
最終的にみなさんが解いていかないといけないのは、ご自身が志望されている大学の入試問題ですよね。
問題集で基礎的な問題を通じて考え方などを学ぶのも大事ですが、最終的には、各大学の傾向を知って慣れていく必要があります。
最初は過去問の解説を熟読したうえで、各大学での頻出分野や問われ方、そして好まれる記述の仕方などを学ぶ必要があります。
その後、細かい表現などを最終調整しましょう。あとは数をこなして、文章力及び知識共に洗練していく必要がありますよ。
しかし、一つ注意点があります。
過去問にコミットしすぎて、「基礎」を疎かにするのはやってはいけない勉強法ですので、「基礎」も大切にしながら論述対策を進めていきましょう。
教科書や論述用参考書、予備校のテキストに適宜戻りながら、日本史の流れや用語の意味をいつでも語ることができるようにしましょう。
論述勉強を進めるうえでの注意点
【論述勉強を進めるうえでの注意点①】「考えながら」文章を「創造」しよう!
先ほど紹介した通りに論述問題の勉強をしてほしいのですが、進めるにあたって細かい注意点が2点ありますよ。
ここからお話しする内容は、実際に京大生が受験生時代に実践していた勉強法であり、非常に実践的な内容です。
問題を見た瞬間に文章を書き始めるのはNG勉強法で、まずは問題の主題や条件を箇条書きで書き出す必要がありますよ。
論述問題にも様々な種類の問題がありますが、まずは「何を出題者から求められているのか」を認識する必要があります。
小論文と同じく、的外れな内容を、持っている知識を自慢げに語りながら書いたとしても、点数には全くならないため、注意するべきですよ。
問題の主題や条件を箇条書きで書き出した後は、知っている単語や知識を書き出す必要があります。
一度自分でその主題に関わる知識を整理してピックアップして、それから文章に書いていく必要があります。
論述の勉強を始めたばかりの方へのおすすめとしては、出来事の流れや因果関係がわかりやすく明示できる形で書くと、思考回路が明確になるのでおすすめですよ。
最後に、史実等を自分で整理できたら、知っている事柄をもとに、主題に直球で答えるための内容を考え出していきましょう。
ただ単純に史実を書けばいいのではなく、その史実から得られる考察について考えたりする場合があります。
質問を正確に認識したうえで、適切な形に文章を修正しながら、文章を作成することが求められますよ。
【論述勉強を進めるうえでの注意点②】多くの国公立大学・私立大学で出題される
国公立大学の二次試験では、日本史に限らず、記述・論述問題が基本的に出題され、選択肢問題の出題は、私立大学に比べて少ない傾向です。
実際に東京大学・京都大学・北海道大学・名古屋大学・大阪大学・九州大学・一橋大学・東京学芸大学・筑波大学などで出題されていますよ。
注意点ですが、すべての国公立大学・学部の二次試験で社会科目が出題されるわけではなく、一部の大学学部のみでしか出題されません。
また、論述問題の文字数は、30文字程度の論述もあれば、100字以上の大論述が出題されるケースもあり、大学ごとによって様々です。
実際、一橋大学の場合は、400字にも及ぶ大論述になっており、解答するのが非常に難解な問題であり、非常に特徴的です。
東京大学は「文字数」ではなく、「行数」が指定されており、大学ごとに大きく特徴は異なることが明確ですよね。
よくされる誤解として、私立大学はマーク方式だけで、記述・論述方式の問題は全く出題されない、というものがあります。
しかし実際は、私立大学でも、100字以内の論述問題なら出題されることがあるんですよ。
例えば、慶應義塾大学文学部・慶應義塾大学経済学部・早稲田大学商学部・明治大学政治経済学部・立教大学などで出題されています。
その点も注意したうえで、自分に論述対策が必要なのかも含めて、適切に対策を行っていきましょう。
おわりに
本記事では、実際に京都大学に合格された方のご意見も交えながら、日本史の論述問題について、詳しく解説しました。
日本史の基礎の勉強を終わらせた後に、この記事を読んで、日本史の論述問題の効果的な勉強法を会得して実践してくださいね!